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支配人が逆ギレしたので、カジノの全マシンをジャックポットさせました

俺の出した大当たりのせいで、カジノ内はパニック状態になっていた。  客たちは「この台は出るぞ!」と熱狂し、店員たちは青ざめている。


「お客様、少々よろしいでしょうか」


 奥から、黒服の屈強な男たちを引き連れた、恰幅の良い男が現れた。  このカジノの支配人だ。  額には脂汗が滲んでいるが、その目は笑っていない。


「随分と派手に稼がれましたね。……ですが、当店としては『不正』を見過ごすわけにはいきません」 「不正? 証拠はあるのか?」 「証拠など後でどうとでもなる。……裏へ来てもらおうか」


 支配人が指を鳴らすと、黒服たちが俺たちを取り囲んだ。  典型的な「勝った客を脅して金を巻き上げる」ムーブだ。


「主様。やはりこの店、消しましょう。不快です」  リリスがスッと前に出る。  その手には、いつの間にかトランプのカード(物理的に切れ味抜群)が握られている。


「待てリリス。……支配人さん、一つ聞きたいんだが」


 俺はリリスを制し、支配人の顔を覗き込んだ。


「そのルーレットの『不正プログラム』……誰から買った?」 「……っ!?」


 支配人の顔色がの変わる。  俺は続けた。


「俺には見えるんだよ。そのコードの中に、道化師ジョーカーの署名が入っているのがな」 「き、貴様……何を知っている!」


 図星だ。  やはり、このカジノの不正システムも、あのハッカー「ジョーカー」がばら撒いたものだ。  支配人は焦り、叫んだ。


「やれ! こいつらを捕らえろ! 生かして帰すな!」


 黒服たちが襲いかかってくる。  だが、その程度で俺たちが止まるわけがない。


「リリス、適当にあしらっておけ。エリアは……スロットマシンの前で祈ってろ」 「はいっ! 神よ、セブンを揃えたまえ!」


 俺は指を高く掲げた。  この店全体への制裁ペナルティを実行する。


「お前らが一番嫌がることをしてやるよ」


 俺は管理者権限を行使し、カジノ内にある全遊技台(スロット、ルーレット、ポーカー)のネットワークに侵入した。


 Target: All_Machines  Set_Variable: Win_Rate = 100%  Trigger: JACKPOT_ALL


 Enter.


 その瞬間。


 キュインキュインキュイィィィィン!!  ジャンジャンバリバリ!!


 店中の全スロットマシンが一斉に極彩色の光を放ち、轟音を鳴らし始めた。  ルーレットは全ての球が当たりに入り、ポーカーをしている客の手札が全員「ロイヤルストレートフラッシュ」に変わる。


「うおぉぉっ!? 当たった! 777だ!」 「俺もだ! コインが止まらねぇ!」 「なんだこりゃあ! 金だ! 金の雨だぁぁ!」


 カジノ中の客が歓喜の雄叫びを上げる。  スロットマシンからはコインが噴水のように溢れ出し、床を埋め尽くしていく。


「あ、ああ……あぁぁ……」


 支配人が膝から崩れ落ちた。  これだけの当たりが出れば、カジノは一瞬で破産だ。


「やめろ……止めてくれぇぇ!!」


「止まらんよ。それがお前らが弄った『欲望のパラメータ』の反動だ」


 俺は呆然とする支配人の胸ぐらを掴んだ。


「さあ、吐いてもらおうか。そのシステムを売った『道化師』はどこにいる?」


 支配人はガタガタと震えながら、一枚のチラシを差し出した。  それは、この街の地下で開催されるという「闇オークション」の招待状。  そして、主催者の欄には、あの不気味なピエロのマークが描かれていた。


「……なるほど。次は地下か」


 俺はチラシをポケットにねじ込んだ。  背後では、リリスに殴り飛ばされた黒服たちが山積みになり、エリアがスロットマシンの前で「神よ! 感謝します!」とコインの海で泳いでいた。


 どうやら、聖女の更生プログラムが必要になりそうだ。

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