表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/33

王様の依頼で、世界を直す旅(デバッグ・ツアー)に出ます

聖女エリアが「デバッグ班(研修生)」として加わってから数日。  

俺の領地は平和だったが、王都の方はそうでもなかったらしい。


 再び国王からの使者がやってきた。今度は「SOS」のメッセージを持って。


「レン殿! どうか我が国を救ってはくれまいか! 実は……国内各地で『怪奇現象』が多発しており、流通や生活が麻痺しているのだ!」


 国王からの手紙には、悲痛な叫びが綴られていた。  曰く、「港町で人が地面に沈む」「鉱山で時間が進まない」「街道の橋が見えない壁で通れない」などなど。   「……完全にバグ報告チケットの山だな」


 俺は手紙を読みながら苦笑した。  この世界、リリース直後の大型アップデートでも失敗したのか? 至る所で不具合が噴出しているらしい。


「主様、放っておきましょう。そんなバグだらけの世界、滅んでしまえばいいのです」


 リリスが冷たい紅茶を淹れながら、物騒なことを言う。  俺も基本的には引きこもりたい派なのだが……手紙の最後の一文が目に留まった。


『解決の暁には、報酬として王家の宝物庫の好きなアイテムと、特産品(最高級の海産物、幻の肉、極上の酒)の永久無料パスを進呈する』


「……海産物」


 俺の箸が止まる。  今の領地は内陸だ。野菜は美味いが、新鮮な刺身や寿司はない。  それに、バグを放置すると、いずれ俺の領地にも「処理落ち」などの悪影響ラグが及ぶ可能性がある。


「……仕方ない。行くか」 「えっ、行くのですか?」 「ああ。世界が重いと快適なスローライフが送れないからな。ついでに美味いものを食いに行くぞ」


 俺が立ち上がると、部屋の隅で正座させられていた聖女エリアがガバッと顔を上げた。


「わ、私も行きます! 私の『悪探知』スキルがあれば、バグの場所がすぐに分かりますから!」 「そうだな。お前はカーナビ(道案内)代わりにちょうどいい」


 こうして、俺たちは領地を黒装束の農夫たちに任せ、旅に出ることになった。  もちろん、徒歩や馬車で行くつもりはない。


 俺はガレージ(洞窟の一角)にあった荷運び用の馬車のデータを呼び出し、書き換えた。


Base: Wooden_Carriage  

Add: Anti-Gravity_Engine  

Add: Auto_Drive_System  

Interior: Luxury_Camper_Van


 Enter.


ゴゴゴ……プシューッ。  木造の馬車が、タイヤのない「浮遊するキャンピングカー(外装は木目調)」に変形した。  サスペンション完備、冷暖房付き、キッチン・ベッド完備の魔改造車両だ。


「さあ乗れ。世界修復ツアー(デバッグ・キャラバン)の出発だ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ