天使たちの酒宴
このエピソード大好きで、何度も何度も読み返していしまいます。
花塩作品らしく(?)会話ばかりで地の文さっぱり無いんですが、仕様です。
ただ登場人物3人で立場関係もハッキリしているので言葉遣いでどれが誰のセリフ?というのは分かるかと思います。
夜。そろそろ寝ようかとミウと一緒にベッドに入っていたマリンの携帯に通話のコール。画面を見てみればアンナからだ。
「もしもし? …はい。はい。分かりました。すぐに伺います」
「マリンさ〜ん、誰から〜?」
「んー、アンナさん」
「えっ? 急な『依頼』とか?」
ミウが不安そうな表情。
「え? あー、うん。大した用事じゃない、と思うんだけど、ちょっとスイート行ってくるね。ミウは…どうする? 一人で寝る?」
「う〜ん、まだ眠くないからセリナたちのお部屋行ってくる〜」
「そう。分かった。そっちで寝ちゃってても構わないから」
「わかった〜。それじゃ行ってきま〜す」
と、ミウは枕を持って出て行った。
「また?」
とソファーで寝転がっていたミク。
「多分ね。あ、ベッド使ってていいよ。何時になるか分からないし」
マリンは苦笑いしながらミクにベッドを勧める。
ミクは半分家出状態。家に帰ったり部屋で泊まったりなのでベッドは完全家出組に譲っている。
「わぁホント? ありがとう。ここのベッド、寝心地良いんだよね。ベッドのために家出してもいいくらい」
「ははは。じゃ、行ってくるね」
「いってら〜」
◆
ピンポーン
〈おー。入れー〉
マリンがスイートのインターホンを鳴らせばアンナの声。
「失礼します」
「よく来たなー。こっちだー。まぁ座れー」
「はい…それでは失礼して…」
スイートには幾つかの部屋があって、小さいながらも和室がある。マリンが呼ばれたのはその部屋なのだが、床にはすでにビールの500ml缶の空いたものが幾つか。
つまりマリンはアンナの酒飲み相手に呼ばれたのだ。
「もう結構飲んでるじゃないですか」
「まぁね。ごめんなーマリーン。アンジェラスって若い子ばかりだから酒の席には呼べないからなー。カズサも、まだダメだったよな?」
「誕生日は知らないですけど確か19だったかと」
「みんなとお酒飲みながらワイワイやれたら楽しいだろうなぁ…あ、まずは飲んでよ」
「ありがとうございます。では失礼して」
マリンはアンナから勧められた缶ビールをプシュッと開け
「いただきます」
グイッと一口。
「クフゥゥゥ!」
「おー、いつ見てもいい飲みっぷりだねぇ」
「いやぁそうでも」
マリンは20歳。誕生日を迎えるとすぐアンナに呼ばれ、この部屋で初めての酒を知った。現在20歳以上のアンジェラスメンバーはアンナを除けばマリン一人。なのでアンナが誰かと一緒に飲みたいと思った時にはこうして呼ばれるのだ。アンジェラス自体非合法なものなのに飲酒のルールは守るのか?という不思議はあるのだが、その辺はアンナの考えで、いつかメンバーが普通の生活に戻って行ってもちゃんとした生活が送れるようにと、酒やタバコはハタチになってから、として、メンバーにそれを守らせている。
「ああ、適当につまんでね」
アタリメやサキイカ、バタピーなどのツマミの定番が袋をバカっと開かれている。
「ありがとうございます。何かあったんですか?」
「いやぁ、一人で飲むのもつまらないかなって。ミウは?」
「セリナたちのところへ行ってます。そのままそっちで寝ちゃってもいいよって言ってありますから」
「あー、ごめんなー」
「いえ。ミウもセリナたちと一緒だと楽しいようですから」
「マリン的にはさみしい?」
「うーん…このままミウが私から離れて行っちゃったらさみしいかもしれませんけど、戻ってくると遠足から帰ってきた子供みたいに色々話してくれますからね。今は、別に」
「ミウは、マリンはともかくセリナに結構懐いてるよね」
「言っちゃっていいのかな…? ここだけの話ですけど、初めてセリナと会った時、同い年だと思ったらしいですよ。他人とは思えないそうです」
「あっはっは、そうなんだ。セリナってミウよりちっこいもんね」
「仕事のことを考えると体格いい子を集めた方がいいですもんね」
「まぁそうなんだけど、私はあんまりそういうの考えてないよ。割とたまたま今の子たちがいるだけで」
「そうなんですか?」
「体格よりもチームの和を乱さないことのが重要だからね。今はみんないい子ばかりだ」
「恐縮です」
「あのさー、あんまり敬語で話すのやめてくんないかなー?」
「でも」
「まぁ気持ちは分かるからね、仕方ないんだけど、でもさー、私一人がそんな扱いじゃん? なんか仲間外れみたいでさー」
「いや、そんなつもりは」
「ないだろうけど、結果的にって感じ? 仕事は仕事としてさ、プライベートでは私もみんなと楽しくやりたいもん。私も下の部屋でみんなと一緒に生活とかしたいけど、そうもいかないしねー」
「そうですよね」
「部屋は狭くない? あなたのところ4人でしょ、割り当て」
「ミクはたまに泊まってく感じでソファーでいいからって言いますし、あとは私がミウと一緒のベッドでアイがもう一つの使いますから問題ないですね」
「いたずらしてんの?」
「いたずらとは人聞きの悪い。オンナのカラダの気持ちいいところを教えてあげてるだけですよ」
「モノは言いようだねぇ」
「あの子、オトコの経験、あるみたいですし」
「聞いたの?」
「いえ、指を挿れたら、そうかな?って」
「そんなことまで! ひゃー」
「いやいや、たまたまですよ。なんか今日はいい具合に濡れてるなって思ったらスルッと奥までって感じで」
「それでスルッと入れるなよって。マリンはまだお客とってるの?」
「今はだいぶ減りましたけどね。たまに」
「ミウは?」
「前の付き合いで良くしてくれてる人とはたまに会ってます」
「ミウは今もさせてないの?」
「…やっぱりね、そういうのは好きな相手とするのが自然ですからね。しなくていいならその方が」
「自分はしてても?」
「私も前からのお付き合いで良くしてもらった人だけですよ、今は。向こうが飽きるかこっちの蓄えがそれなりになってきたらお断りしようかなって思ってます」
「ふーん、そっかー」
「そんな気持ちの余裕を持てるのもアンナさんのおかげですよ」
「あー、そういうのナシナシ。私は仕事を振り分けてるだけでね、やってるのはあなたたちだから。自分で稼いだお金だからさ、私は置いといて、好きにやんなよ」
「ありがとうございます」
「メンバー間ではどう? なんか変わったことない?」
「どうでしょうね? トラブルとかはありませんし」
「サキは? あの子、ユウタと付き合ってんでしょ?」
「たまに二人で出掛けてることはあるみたいですかね。多分外で済ませてきてるんだと」
「最近ココノとミキヒサがいい感じじゃない?」
「さすがよく見てますね。あの子たちも外なんじゃないかな。あまり中でイチャイチャって見たことないですけど」
「ミキヒサは変わったね。まだ若いけど、なかなかいいオトコに育ってるよ」
「あの一件以来ですね。今じゃカズサの舎弟って感じですけど」
「カズサはいいヤツだからさ、アイツから学べるものがあるなら吸収すりゃいいんじゃないかな。男同士のそういうのって、私は教えられないし」
「カズサっていえば、セリナがベッタリですね」
「それな。身長差がすごいけど。あの子たちは? 中でなの?」
「ええ。たまにカズサの部屋からすっごい声が聞こえてきて。初めて聞いた時にはびっくりしましたもん。しれっと出てきたのがセリナで、えー、あの子が⁈みたいな」
「アハハハ。見かけによらないもんだねぇ」
「あの、アンナさん。以前から不思議に思ってたんですけど」
「なにー?」
「アンナさんはアンジェラス内での恋愛とかそういうのは禁じたりしないんですか?」
「しないよ。なんで?」
「いや、アイドルグループなんかでもあるじゃないですか、そういうの。だからなんでかな?って」
「私たちとアイドル一緒にしちゃダメでしょ」
「そうですけど」
「まぁアイドルの人たちはね、なんというか、処女性が商品みたいなもんだからね。男がいて毎晩パコパコやってますとか言ったら、男のファンつかないでしょ。私たちはそういうのとは違うし。それに、男女一緒に行動してて、そういう関係にならないってことはないじゃない? むしろそういうの禁止して溜まっちゃったりする方が不自然じゃない? 男だって女だって、ヤリたい時はヤリたいんだからさ。まぁ全体に支障が出ない程度なら問題ないと思ってるよ。今の関係が永遠かっていうとそうじゃないかもしれない、だから積極的に勧めはしないけど…なんというか、みんな一人一人に幸せになって欲しいのよ、私は。今がそういう関係で幸せならそれで良いんじゃない? って、あれっ? あれれ〜っ?」
「あ、すみません…」
「何? 何? いま私、泣いちゃうようなこと言った? 嫌なこと言っちゃってたらゴメンて」
「いやそうではなく…私、ほんとにアンナさんと出会えて良かったな、って」
「もー。そういうのやめてよー。まぁまぁ、飲も飲も」
「はい! いただきます」
「二人だけだとネタに詰まるねぇ。誰か呼ぼっか」
「お酒の席には呼ばないんじゃなかったんですか?」
「いやー、飲ませないよ? でも話相手は欲しいじゃん」
「まぁそうですけど…」
「うーん…そうだ!」
◆
「あ、あの、何か問題でもあったのでしょうか…?」
アンナに呼び出されたのはセリナだった。
夜。スイートに。しかも一人で呼ばれたとあって、セリナは追い詰められた小動物のようにオドオドビクビクしている。
「あー、ごめんねー。大した用事じゃないんだけど、話相手になって欲しいなーって」
「あああアンナさんの話相手なんてきょきょきょ恐縮至極です⁉︎」
「セぇリナぁ。ここ来た時にも言ったけど、そういうのやめて欲しいのよね。敬語使われるだけでもイヤなのにー」
「ももも申し訳ございませんッ!」
「あー…まぁいいわ、とりあえずここ座って」
「はい…失礼します…お酒?」
「そうよ。あなたに飲ませるわけにはいかないけどね。まぁあれよ、私、アンジェラスのリーダーってことになってるけど、なんかそういうのイヤでね。偉そうに踏ん反り返ったりするのってできないからさ。仕事の時はともかく、普段は、こう、普通に接して欲しいのよ。人同士、女同士って感じで」
「はぁ…あの、努力します…」
「アハハハ。努力するもんなのかい。まぁあなたはそれが素なんだろうからそのままでいいよ」
「はい。ありがとうございます」
「飲み物…ノンアルの酎ハイとかになっちゃうけど、いい?」
「これ、私飲んでいいモノなの?」
「いいんじゃないかなぁ、アルコール入ってないし」
「それじゃ、あの、いただきます。わぁ、これおいしい」
「初めて飲んだ?」
「はい。普段も炭酸ってあまり飲まないんで新鮮ですね」
「そうなんだ。セリナは、そうだな、いま困ってることとかある?」
「無いですね」
「おー。キッパリ言うねぇ」
「ミツキの紹介でここに呼んでいただいて…それからずっと楽しいことばかりで」
「そうなんだー。お客はとってる?」
「いえ、全く。アンナさんのおかげでそういうコトしなくて済んでます」
「そっかー。それは良かったー」
「あの、すみません、話が続かなくて」
「アハハ、気にしなくていいよ、呼んだの私だし。あー、セリナんとこの部屋、どう? 狭くない?」
「ミツキとサキと3人で、ソファーも使って代わりばんこですから問題ないですね」
「一緒のベッドで寝たりしないの?」
「あの…最初はそうしてたんだけど…言っていいのかな、あの、ここだけの話ですよ? サキと一緒に寝た時に、私、ベッドから蹴り落とされちゃって」
「「ギャハハハハハハハ」」
「ほら、サキって活発な子じゃないですか。だからその、夜も活発なんだなぁって…」
「あー、そうね、分かる分かる。そっか、そんな悩みが」
「いえ、悩みってほどじゃないんですけど。サキに話したらゴメンて謝られちゃって。それからはソファーも使ってます。まぁ今度は私の寝相が悪くてソファーから落っこっちゃうんですけどね」
「「ギャハハハハハハハ」」
「サキは落っこちないの? ソファーから」
「落っこちてますよ、よく。おトイレ行こうとしたら踏んじゃったこともあります」
「「ギャハハハハハハハ」」
「暗いところからギャッって聞こえたから、びっくりですよ」
「サキ、怒ってなかった?」
「いえ、全然。踏まれて目が覚めたって。でも、それまでは眠ってたってことですよね? 落っこちても目が覚めないってすごいなぁって」
「完全熟睡型だね」
「わぁ。これグレープ!」
シュパッ
「夜になると電池が切れるのよ、多分。あの子、昼の間はずーっと喋ってるじゃない?」
「んく、んく…ほんと、よく喋ってますよね。すごく楽しいですけど」
「ミキヒサはどう? あれから手出したりしてきてない?」
「はい。大丈夫です」
「今じゃカズサの舎弟だもんね」
「んく、んく…まさに弟分ですよね。カズサと一緒にいる時なんか可愛いですよ」
「可愛いの? 結構危ない目に遭ってると思うんだけど⁉︎」
「まぁそうなんだけどね。でもちゃんと謝ってくれて、それが形だけじゃないって分かったし。なんかカズサに言われたことが凄く効いたみたいで。自分もそうなってみせます!って」
「そんなことあったんだ」
「んく、んく…ふぅ。やっぱり怖いなって思わなくもないけど、でもそこまで反省している人を追い込んだりしちゃいけないかな、って」
「へぇ。セリナって結構人ができてるのね」
「そんなことないですよ? 私がそれやられたらヤダな、ってだけで。これおいしー。もう一つもらっちゃお」
シュパッ
「ふーん…で、どうなの?」
「んく、んく…何がですか?」
「カズサとのご関係」
「ご関係って…特にないですよ…?」
「おう、マリン! この娘、すッとぼけやがるぞ⁉︎」
「それはいけませんねぇ、アンナさんの前で」
「え⁈ いえ、あの、その」
「大丈夫よ、からかったりしないから。むしろミキヒサみたいなことされると困るけどね」
「はぁ、まぁ、そうれすね」
「…ん? まぁあなたたちが仲良くしてるの見かけると微笑ましいしね。デートとかしてるの?」
「ないんれすよ、それが」
「えー? オハナの中だけ?」
「んく、んく…他にお仕事れ一緒以外は特に」
「それは淋しいねぇ」
「そーなんれすよ」
「なんかセリナ、変じゃない?」
「変じゃないれすよ。ふつーれす」
「いやいや、それは…あっ⁉︎」
「どうしたマリン」
「セリナ…こっち飲んだ?」
「あ、これ酎ハイだわ! え? いつの間に…あ、これ缶の色同じじゃん!」
「グレープ美味しいれすよね」
「あーダメダメ、子供はこっち飲んで」
「もう…アンナさんまれ子供扱いするーっ!」
「何だなんだ、からみ酒か?」
「せっかくの機会だ、事故だと思って巻き込まれてみよう」
「マジっすか」
「それでセリナは誰に子供扱いされたの?」
「…カズサ」
「やっぱ付き合ってんじゃん」
「付き合っていたいのにー! なんか子供扱いされてる感じー!」
「でもエッチしてるんでしょ?」
「してましゅよ」
「…素直だな」
「どんな感じなの?」
「えーへへぇ? 言うんれしゅかぁ?」
「そう言っておきながら顔は嬉しそうなのはなぜ?」
「言っちゃいな。言って気持ち良くなっちゃいな」
「もぉー。イって気持ちイイなんて、アンナさんえっちらなー、もー!」
「マリン、私、ちょっとめんどくさくなってきた」
「焚き付けたのアンナさんじゃないですか⁉︎」
「カズサはねぇ、優しいんですよー。まずそっとオ
【自主規制】
「へぇぇぇ…」
「それから?」
「それからカズサの指が優しくオ
【自主規制】
「「ほぉぉぉ…」」
「そしたら私がお口でオ
【自主規制】
「優しくゆっくりオ
【自主規制】
「私が上になってオ
【自主規制】
「色々やってんな…」
「そりゃあんな声も出るわ…」
「セリナとカズサだと体格差がすごいけど、大丈夫なの? おっきくない?」
「おっきいれしゅよ」
「そぉーかぁー、おっきいかぁー」
「お腹の中いっぱいれしゅ」
「そりゃまあセリナちっちゃいし」
「ちっちゃくないもん!」
「もんって…」
「ちっちゃいからって子供扱いしちゃいけませんッ!」
「いや、してないが」
「カズサはねぇ時々しゅるんれしゅよぉ。もうぐやちいぃ…」
「それはセリナのこと、大事にしてるってことなんじゃないの?」
「そう、なんれしゅかね?」
「大体、子供ならエッチせんだろうが」
「れもほら、最近のころもは進んれるって言うりゃないれしゅか」
「セリナおばちゃんっぽい」
「マリンは大人っぽくてしゅテキれしゅ」
「ああ…そう。ありがとう」
「いえいえ、こちらこそ」
「初対面なの? あんたら」
「イイなー。わらひももっとおっぱいおっきかったらなー」
「大っきけりゃいいってもんじゃないよー?」
「もぉーしょーやって! おっぱいおっきい人はしゅぐしょー言って! 貧乳民を弾圧しゅるぅ!」
「弾圧しとらんが」
「アンナさん、私もちょっとめんどくさくなってきました」
「セリナだって別にちっちゃくなかろうて。どれ、ちと揉ましてみ?」
「らめれしゅッ!」
「おお、女同士なのに思わぬ抵抗!」
「このおっぱいはカズサのモノなんらもん! 私のカラダを触っていいのはカズサらけなんらもん!」
「なんだこれ、惚気?」
「こういうタイプの惚気は私初めて見るよ?」
「私を好きにしていいのはカズサらけなんらもん…! 私が好きなのはカるサ…らけ…なん…」
「電池切れた」
「寝たか」
「ヤバいもん見ちゃった気がします」
「まぁでもかわいいね。カズサ大好き過ぎるだろ」
「身体は小さいのに愛が重い」
「上手いこと言うなぁ」
「どうしましょう? 私、部屋まで運びますか」
「んー、あ、こんな時間か。んー、いいや、私の部屋で寝かせる。酒の臭いプンプンで部屋に戻すわけにもいかんし」
「いいんですか?」
「まぁちっこしいな。あんま言うとまた叱られそうだ」
「ここは私が片しておきます」
「ああ、ありがとう。どれ、よっこいうわぁ⁈」
「どうしました?」
「なんだこれ、軽っ⁈ え、ウソ⁈ 何? これってホントに私と同じ素材でできてるの⁈」
「ほら、女の子は砂糖と小麦粉でできてるって言いますから」
「いや、セリナに関してはそれ言われたら信じるわー。あ、その辺終わったら部屋に戻って。ありがとう」
「いえいえ。それじゃおやすみなさい、アンナさん」
「おやすみー、マリン」
◆
翌朝。
セリナは今までにないぬくもりに包まれて目を覚ました。
「ん…んん…」
「おはよう」
「おはようございま…ん? あれ…ここどこ…え?」
「おはよう。セリナ」
「アンナさんッ????? 何で? え、ここどこ? 何でアンナさん?????」
「おーパニクってるねぇ。寝るのに窮屈だろうからって脱がしちゃったよ」
「え…きゃぁぁぁぁ!」
「ここは私の寝室。昨日、夜ここに来たの憶えてない?」
「それは憶えてるんですが…そのあとは記憶が…あの、私、何かご迷惑とかおかけしてないでしょうか…?」
「何もないよー。せいぜいカズサのことで惚気られただけー」
「エエエエエエエエエエエエエエッ⁉︎ そんな…私…なんてことを言って…はしたない…」
「大丈夫よぉ。誰にも言ったりしないから」
「あ、あれ? マリンも一緒でしたよねっ⁈」
「あの子も大丈夫。だから安心なさい」
ふわっと…セリナはアンナに抱き寄せられた。
カズサの逞しい胸に抱かれるのとは違う、柔らかいぬくもりがそこにあった。
「セリナは朝ごはんはどうするの?」
「サキとミツキと一緒に食べることになってますが」
「私も一緒にいいかしら?」
「いいんですか? 私たちなんかと⁈」
「まぁ同じ景色で一人で食べるのも飽き飽きだからね。私も仲間に入れてよ」
「仲間だなんてそんな…いえ、仲間、ですよね!」
「そうよ。私たちはアンジェラスっていう仲間」
「はい。 …あの、お願いがあるんですけど」
「何?」
「もう少し…このままでいて、いいですか?」
「…ふふ。いいわよ」
「ありがとうございます…アンナさん…」
スゥと寝息の音。
「…また眠っちゃった。でも、悪くないわね、こういうのも。マリンの気持ちが分かるわ。 …この子、あんまり親に甘えたことがなかったのかな…」
セリナは穏やかで優しいぬくもりの中、ぼんやりと夢を見た気がした。
穏やかで優しいぬくもりに抱かれて眠った、幼き日の夢を。
オハナは高級リゾートホテルですからね、バーだのラウンジだのくらいはあるはずなんですが、アンナは部屋で飲みます。
おそらくそういうところで飲んでると絡んでくる野郎がいるんでしょうね、アンナは美人ですから。
今エピソードで分かるのは、メンバー間の恋愛関係(肉体的なものも含む)を否定どころか肯定している点。
まぁ…書いたの私ですから(笑)当然ではありますが、男女一緒に暮らしていれば惚れた腫れたは出てくるでしょう、しかしそれを否定せず、むしろ肯定的に受け止めてはどうだろうか?とか思うわけです。
少子化も進んでいることですし。
変に抑圧すればそれはあらぬ方向へ漏れ出し厄介な事態を招くんじゃないか、そう思ったりします。
しょせんヒトなんか元はといえばサルですよ?
エラそうにふんぞり返るより自然に生きてみてはどうか、と思うのですが。




