アイの朝帰り
元々はキャラクターの個性をどうやって出すか?の練習用で書いたもの。
なので地の文が一文字たりとも出てきません。
ただアンジェラス内の人間関係が分かるかな、ということで載せてみました。
「あ、セリナ。おはよー」
「おはよう、アイ」
「早起きさんだねぇ。まだ6時過ぎなんだけど」
「私はいつもこのくらいだよ?」
「サキとミツキは?」
「まだ寝てる。昨日は遅くまでゲームやってたから当分起きて来ないんじゃないかなぁ?」
「セリナはどこ行くの?」
「朝ごはんを食べにビュッフェに行こうかなって。アイは…? お散歩でも行ってきたの?」
「いや、今帰ってきたところなんだけど」
「あれ? お仕事だった?」
「違うよー。今さっきまでタクミと一緒」
「さっきって…さっきって、夜?!」
「そうなんだけど」
「一晩中一緒に?」
「そうだけど?」
「え…あの…アイは…タクミとお付き合いしてるの?」
「あー、えーっと…ここじゃなんだから、ビュッフェ、一緒に行こうか。私も朝まだだから」
「うん!」
◆
「それでね、私とタクミの関係?なんだけど、別に付き合ってるわけじゃなくてね」
「そうなんだ。え? でも一晩一緒にいたんだよね?」
「そうだよ。タクミと寝てた」
「え?」
「セックスしてたってことなんだけど」
「え⁈ セ…? え⁈ …あの、アイはタクミとパパ活…してるの?」
「にゃはは、違う違う。仲間内でお金取ったりしないって。普通にセックスしただけなんだけど。セリナはない? 無性にヤリたくなっちゃうときって。こう、お腹の奥の方が疼くような感じがするときって」
「私は…ないなぁ…」
「そっかー。私はね、たまにあって、そういう時にはタクミにしてもらってるの」
「そう、なんだ…」
「セリナは…セックス、好き?」
「ブホッ⁉︎ いや、ごめん、え? 好きか、どうかって…好きではない、かな。というかそういうの好きな人とするものだと思ってるから、パパ活みたいに好きでもない人とそういうのは…ちょっと…」
「好きな人としたことはあるの?」
「…ない…です…」
「あはは。私もだよ。そんなにしょげないでよ」
「うん…」
「まぁあまり昔のことって詳しくは話したくないんだけど、私ね、初体験がね、お客で相手にしていたような年の人が相手だったんだ。しかも無理矢理、ね。その時お母さんは守ってくれなくて。そのあとも、ずっと。だから私も…セックスってずっと好きじゃなくて…まぁ家を出てきちゃったからせざるを得なくなったんだけど、それでも、ね。それから、アンナさんに拾ってもらって、無理にしなくてもよくなって来てね、ふと思ったの。このままセックスって嫌いなままで、それじゃぁ子供ってできないよなぁって。子供は欲しいの。子供を育てたい。私みたいな人生送らなくてもいいように、いっぱいいっぱい愛情注いで育ててみたいの。そう思ったらさ、やっぱ嫌いなまんまじゃダメかなって思ってね。それで、タクミに頼んでしてもらったの。リハビリみたいなもんね」
「パパ活のそういうのとは違うの?」
「違うねぇ。リハビリって言っても恋愛ごっこみたいなものだから。ちゃんと相手のことを想ってするんだけど。なんたって相手は同世代だし。最初は、まぁ悪くないかなくらいだったんだけど、何度もやっていくうちにね、だんだん良くなってきて。こういうのって心の問題なのかな、嫌いじゃない相手なら楽しめるんだなって、なってきて。そうすると今度はカラダの方が求めるようになってきちゃってね。少し間が開くと、ああ、したいなぁ、なんて思うようになってきてね。でも相手が恋愛感情を自分に持ってて自分は練習相手くらいにしか思ってなかったら失礼だからね、だったら最初からカラダだけって割り切った方がいい、って思ってそのへん話して。タクミも了承してるんだけど」
「もしお互いに好きになっちゃったら?」
「その時はその時、ちゃんと付き合うよ」
「はぁぁぁ…私、わかんないなぁ…」
「あれ? あんまり興味ない?」
「いや、その…なんか圧倒されちゃって…」
「おススメするよ。なんかお肌のツヤもいい感じだし。タクミに頼んでみよっか?」
「いやいやいや、結構です。お気持ちだけで」
「あはは、そりゃ残念。でも、セリナっていい子なんだけど。ちゃんと話を聞いてくれるよね。私を、分からないなりにも分かろうとしてくれてる。それは嬉しいよね。私のこと、好きって言われてるようなものだから。そうだ、今度さ、『依頼』のお仕事、一緒にやってみない?」
「あ、いいねっ! そっちの話は乗るよっ!」
「あはは。正直でよろしい!」
というわけで、元は練習用の文だったのでオチがありません。
というか長らくオチがないまま放置されていたのですが、本編プロローグでセリナがアイと組んでますんで、その伏線的な意味を持たせて締めました。




