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魔法学校で魔女と姿を入れ替えられて無実の罪で追放された私ですが、突然現れたドラゴンを下僕に従えて無双できました  作者: 秋名はる
第二章

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33/50

ダンスパーティー

表彰式が無事に終わり、ホールでは生徒たちによるダンスパーティが始まっていた。

華やかな音楽が流れる中、参加者たちは思い思いの相手とペアを組み、ホールの中央で踊り始めている。


フローレンスの隣には、ニグレスがいた。

ダンスの相手として、彼を選んだのだ。


一方、会場の反対側では――ヴィオレッタが、ラファエル大魔導士をパートナーに選んでいた。


曲が始まると、それぞれのペアが向かい合い、ゆったりとしたリズムに合わせて踊り出す。

フローレンスとニグレスもまた、ぎこちないながらもステップを踏んでいた。


運動神経のあまり良くないフローレンスは、ダンスの習得にも手こずっていた。

案の定、足がもたつき、何度かリズムを崩してしまう。


(こんなことなら、もっとたくさん練習しておけばよかったわ……)


そんな彼女を、ニグレスは慣れた手つきで優しくエスコートしていた。

人間の文化に疎いはずなのに、彼はどこか自然に振る舞う。不思議なくらい、様になっている。


ふと気づけば、会場中の視線が彼らに向けられていた。

寮対抗試合での華々しい活躍もさることながら、「ドラゴンとその美しい主人」という絵のような組み合わせは、多くの者の好奇心を惹きつける。


フローレンスは顔から火が出そうなほどの羞恥心を覚えながら、ただただ目の前のステップに集中しようとしていた。


だが、ふと視線を向けた先――

そこでは、ヴィオレッタとラファエルが優雅に踊っていた。


二人のステップには一切の乱れがない。

ヴィオレッタの動きはまるで絵画のように洗練されており、その姿に見惚れる生徒も少なくなかった。

そしてラファエルもまた、そんな彼女を慈しむような眼差しで見つめていた。


その様子を目の当たりにした瞬間、フローレンスの胸にチクリとした痛みが走る。


 


「フィフィ、よそ見をしないで」


唐突に声をかけられ、フローレンスははっとして振り向いた。

ニグレスが、悲しげな瞳でこちらを見つめていた。


「どうして僕のことを、見てくれないの?」


その目には、抑えきれない焦燥が浮かんでいた。


「君がそんな顔をするから……僕はまた、君を攫ってしまいたくなる」


「……っ」


その言葉が終わるや否や、ニグレスはフローレンスの腕を取って窓辺へと引っ張っていった。

突然の行動に、会場中がどよめく。


彼はそのまま外のバルコニーへと飛び出すと、宙に向かって高く跳躍し――


大きな旋風が巻き起こる。

その中で、ニグレスは黒き竜の姿へと変じた。


そして、鋭い鉤爪でフローレンスの身体を優しく、しかし確かに掴み上げると――

大空へと、高く、高く、飛び立っていった。


星空の下、ひときわ目立つ黒竜の姿と、その背に乗る銀のドレスの少女。

会場に残された人々は、呆然とその光景を見上げるしかなかった――。

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