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魔法学校で魔女と姿を入れ替えられて無実の罪で追放された私ですが、突然現れたドラゴンを下僕に従えて無双できました  作者: 秋名はる
第二章

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授業初日

25日朝に投稿した原稿は不足した内容があり、書き直しました。すみません・・

次の日の朝、フローレンス達は闇属性(ルーナアンブラ)寮を出て授業へと向かって行った。昨日の大層な歓迎を受けたため、フローレンスはおっかなびっくりだった。


案の定、この日も、周りの生徒達はフローレンスを見つけるなり顔を見合わせて気まずそうに隅に引っ込んでしまう。


「やっぱり、罪人の疑いで連行されたヴィオレッタが戻ってきていたのは本当だったのね?」


「この期に及んでどのツラ下げてきたと言うのかしら?」


闇属性の生徒達は事情をある程度知っていたので、フローレンスの見方をしてくれているようだけど、他の属性寮の人たちからは酷い言われようだった。


「ところで、あの付き人は何者なのかしら?」


生徒達の興味は、今度は彼女に付き添っている黒髪の妖艶な雰囲気を纏った青年に移った。


「学園では見ない顔ね、きっと彼女の新しい恋人なんじゃないかしら?」

生徒の1人は、まるでニグレスに見惚れているように、うっとりとほおを赤らめる。


「ヴィオレッタはいつも色男をたぶらかして有名だったものね。」


気にしないようにしていたフローレンスだが、彼らの囁きが耳に入ってきて心の中で憤慨した。


(私のことはさておき、ニグレスのことまで悪く言われるのは心外だわ。)


授業前に朝食を取るためにホールへ入って行くと、以前にヴィオレッタと仲良くしていたらしい、闇属性の女子生徒達が声をかけてきた。


「ヴィオレッタ様、その、お隣の方はヴィオレッタ様の新しい恋人の方ですの?」


「え、恋人?」

フローレンスは飛び上がったが、そばで聞いていたニグレスは満更でもない様子で目を細めた。


「ち、違うわ。これはその、ただの友人というか。」


ニグレスがドラゴンだと言うことを、学園内に知られることは避けたかった。だが、確かにこの青年のことをどう説明したらいいだろう?

うまい言葉が見つからず口籠っていると、見かねたニグレスが声を上げた。


「正確に言えば、僕は彼女の単なる僕にすぎない。」


「そ、そう下僕よ。彼は単なる僕の魔獣にすぎないものだわ。」


フローレンスはヴィオレッタのかつての口調を真似ようとして、高圧的に振る舞ったが、少々ぎこちないな言い方になってしまった。


「まあ、ヴィオレッタ様はもう魔獣を手懐けられたのですね。どんな魔獣ですの?」


「人間に姿を変えられると言うことは、強力な魔力を持つものに違いないわ。」


美しい黒鉄の髪、そして妖しい真紅の瞳。人間離れした美しさは彼の持ち合わせた魔力の高さを表していた。

女子生徒達も、魔法使いの端くれなので、ニグレスのただならぬ雰囲気を感じ取っていた。


「それは教えられないな。

僕の正体は主人だけの秘密なんだ。」


ニグレスはうっとりするような瞳で意味深に目配せをさせると、周りにいた生徒達は言葉を失って彼に見惚れてしまっていた。


* * *


 フローレンスたちは早速、今日から授業に加わることとなった。

 おおよそ一ヶ月程度、学園を空けていただけにすぎないフローレンスであったが、そこには過酷な現実が待ち受けていた。


「どうしましょう、私、闇属性科目の授業なんて一つもわからないわ……」


 学園には、全生徒が対象となって受ける共通科目と、それぞれの属性ごとに設けられた専修科目の授業がある。

 フローレンスは当然、今まで光属性科目を履修していたので、闇属性科目のことなど一ミリも知らなかった。


「共通科目は問題ないはずよ。学園でもそこそこの成績だったし」


 問題は専修科目だった。フローレンスは自分の魔法石に命じて、手のひらに今学期の闇魔法のカリキュラムを表示していた。


「闇魔法といえど、基本は呪文を学ぶものだろう?

 僕が君に教えた呪文や、以前ヴィオレッタの屋敷で見つけた古書は役に立たないの?」


「あれは古すぎるみたい。この教科書を見るに、これまでに習った呪文が出てくる様子はないわ」


 フローレンスは、今度は手元の教科書をパラパラとめくりながら答えた。

 そもそも、魔法使いがドラゴンを操るなんてことは滅多にない。

 魔力の甚大なドラゴンを使役する呪文など、レベルが高すぎて高等学校で教える内容ではないのだ。


「それに、この《戦術実技》という科目は何かしら?」


 フローレンスは、闇魔法専攻科目の一つを指差して言った。

 先にも言った通り、各属性にはそれぞれに特色がある。

 フローレンスが学んでいた光魔法は、主に邪を払って清めたり、人や動植物を治療したり、物を修復したりできる。

 だから光魔法使いたちは将来、医療や退魔、器物の修復などの職業で力を発揮する。


 対して、闇魔法の根源は《破壊の力》である。

 その力は時に人を傷つけるが、悪を退けたり、犯罪を防いだりするためにも使われる。

 ゆえに、闇魔法使い達は警察官や軍部に所属することが多い。


「実技と言うくらいだから、魔物討伐の訓練なんじゃないだろうか? ほら、ここに《対魔装備の錬成と強化》って科目もある」


「魔物討伐なんて……私にできるかしら。自信がないわ……」


 今まで学んでいた光魔法とは毛色が違いすぎて、フローレンスは急に弱気になった。


「君は本当に心配性だね。」

 ニグレスは吹き出しながら、少しだけ微笑んだ。

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