王立アストリア学園
ここまでお読みいただき、ありがとうございます!引き続き今後の展開にご注目ください。
この後も、完結までどうぞよろしくお願いします
次の日、早速フローレンス達は学園へ向けて出発した。
流石に二グレスが再びドラゴンになって降臨するのは、学園の混乱を招きかねない。また、ヴィオレッタがドラゴンを使役できることは一部の闇属性の生徒しか知らないという事もあり、ニグレスはヴィオレッタの付き人ということで正体を隠した。
フローレンスたちは迎えの生徒たちともに、汽車に乗って王都を目指した。
「フィフィ、よく聞いて。
学園へ戻ったら、自分が本当はフローレンスであることは隠して、ヴィオレッタとして振る舞うんだ。」
「え、どうして?」
フローレンスは学園へ戻り、みんなに自分が姿を入れ替えられたことを訴えるつもりでいた。
「戻ってすぐに騒ぎ立てれば、またヴィオレッタの妨害に遭って再び学園を追われることになるかもしれない。」
今学園を牛耳っているのは、おそらく彼女だ。だから下手に動いてはあいつの思う壺になる。
「確かにそうね、彼女には私をまた無実の罪で投獄するなんて造作もないことかもしれない。」
慎重に動いて、時を見計らうことが得策と思えた。
「でも、私にヴィオレッタのように振る舞うなんてできるかしら?」
相手は数々の生徒たちを手玉に取り、ずる賢くて気が強い学園のボス的存在だった。フローレンスとは性格がまるで違う。フローレンスは不安になった。
「君ならできるさ。危なくなったら、僕が助け舟を出してあげるから心配しないで。」
そういってくれるニグレスは頼もしかった。でも、フローレンスはそうして何でもかんでも任せっぱなしである。少し気後れしてしまっていた。
汽車は王都のセントラルステーションへと到着した。
駅には何人かの闇属性の制服を着た生徒達が、ヴィオレッタの到着を待ち構えていた。
「ヴィオレッタ!会いたかったよ。
全く俺を置いて遠くへあっしまうなんてなんて冷たい人なんだ。」
到着早々、ヴィオレッタは見知らぬ闇属性の男子生徒に詰め寄られてしまった。
(だ、誰!?)
「君がいない間、寂しくて夜も眠れなかったよ。」
男子生徒は、熱っぽい視線を投げかけてフローレンスのほおにキスをした。
フローレンスには全く身に覚えのない男であったが、どうやら彼は、ヴィオレッタの学生時代の彼氏のロレンスという男らしかった。
「あ、ありがと…」
「寮で君のことを待っているよ。
また2人で暑い夜を過ごそうじゃないか?」
そう言って、ロレンスはフローレンスと熱い抱擁を交わした。
フローレンスは顔が引き攣らないように平然を装うのがやっとだった。ふと、横目で後ろを盗み見ると、後方でニグレスが血走った目をして物凄い形相でロレンスを睨みつけているのが見えた。
「フィフィ、学園ではヴィオレッタのように振る舞えって言ったけど、あれは撤回するよ。
あんな碌でもない男のところへ行くのを見るくらいなら、僕は自分で舌を噛み切って死んでやる。」
「わっ、わかっているわよ。」
流石のフローレンスも、ヴィオレッタの男関係の扱いは真似でいないと思っていた。




