01 会長のイメージ大崩壊
私立藍河学園には、すべてが完璧な生徒会長がいる。
星宮リリカ。
成績優秀でいつもテストは学年一位。
体育の授業ではエース並みの実力を誇っている。
おまけにとてつもなく美人である。
父親がロシア人で金色のストレートヘアーはありえないほどツヤがあり、真紅の瞳は見惚れそうなほど美しかった。
そんな彼女は人付き合いも上手く、生徒会長の名前を手にした。
そのため普段から名前が知れ渡っているのにも関わらず、もっと広がっていった。
そんな生徒会長がいるところに、水野圭はこれから、書記として生徒会に入る。
(………みんなの憧れの的と一緒に仕事するんだ。きっちりしないとな)
そう心の底で思い、扉を開ける。
「ぐぅ〜〜……むにゃぁ〜……」
思いっきり居眠りしているリリカがいた。
圭はその状況に脳が追いつけず思考停止していた。
「……か、会長……?」
圭は思わずリリカの肩をゆすり起こそうとする。
寝ていても美少女は美少女だ。
いつも見せないこんな無防備な姿をみていいのか、と圭は少しだけ不安になる。
「……ん…?んん……ふわぁ……んんー!」
リリカは大きくあくびをし、腕を伸ばした。
(……なんて言えばいいんだろう。すごい……サボリ魔みたいだな)
ちょっと……いや、だいぶイメージとかけ離れたリリカを見て、だいぶ不安になった。
「あ、どーもどーも。多分知ってると思うけど生徒会長の星宮リリカだよ。これからよろしくねー」
突然の自己紹介に圭は慌てる。
「あ、えっと……。水野圭です。これから書記を務めさせていただきます」
「そーんな固くなくていーよー」
「えっと……はい」
軽い。やはり軽い。
これは本当に生徒会長なのだろうか。