原初の魔王の降臨
お待たせ致しました、遅くなりました。
「もにゅ……」
今日もまた、仲間が殺された。
「にゅぅ……もに~……」
今日もお腹が減った。
どうして、どうして我らは殺されなければならないのだ。
弾け飛ぶ仲間、潰される仲間、刻まれる仲間……
彼らが我らを狩る理由など、もう既に存在しない。
我らが落とすものは何も無い、強いて言うなら小さな魔石と、粘液ぐらい。
彼らには必要の無い物だ。
「へへっ、本当こいつら弱いよな〜?」
「だな!ストレス解消にはぴったりよ!」
「肉にもならんけどな〜、まあ増えすぎても困るだけっしょ!たくさん殺そうぜ!」
多分、彼らは人間の子供なのだろう。
我らの子を、我らを、滅ぼそうとする憎き人間。
少しなら良い、食物連鎖だ。
ただ、娯楽の為に我らの事を殺すのは、我にとっても不愉快だった。
『喰いたい』
彼らに対して思ったのは、単純な食欲。
我らは食うモノすら無く、弄ばれ消えていく。
ただ、腹立たしかった。
『貴方は【大罪:暴食】に選ばれました』
そんな時頭にそんなナニカが聞こえた。
我らは知性が少ないのか、ただ文化が無いからか文字や言葉は知らないはずだが……
それでも、『意味』が分かった。
『覚醒プロトコルをインストールします……成功。』
『暴食権能をインストールします……成功』
『権能のテストを推奨します』
謎の声は、我に謎の力を与えたらしい。
その力は、ただ『喰らえ』と我に伝えてくる。
その力を、我はただ使った。
「あぁ……美味いな」
眼の前の彼らは消え、我は声が出せるようになっていた。
こうやって使うのか、『言葉』は。
「食事の時間だ、我らを満足させてくれよ、人間」
これは我が喰らい尽くす物語。
そして、既に終わった物語だ。
少しずつですがあげていこうと思います。
分量自体は技量不足の為少なめになる予定ですが、概要全体を書いてから、後から細かいところをお伝えできれば良いなと思っております。
頑張ります。