第7話
それはそうと、今朝『時空管理局』の管轄内にある“対魔物3課”の事務員、水無瀬静香さんからメールがあった。
「学校生活は順調か?」って。
順調も何も、相変わらずの『2025年』だよ。
去年の4月のことを全部覚えてるわけじゃないし、こんな会話してたっけ?
と、時々振り返って考えてしまうことがある。
この世界はいわば「並行世界」の1つなんでしょ?
だとしたら、「今日」という日は、いつも通りの“未知”の世界だって言うことの方が正しい。
「順調順調」と返答し、「ミッションの進捗情報を随時更新しておいて」とついでに言っておいた。
近くに魔物でもいたら、非戦闘員の私は真っ先にやられてしまいかねないから。
『時空管理局(WCNA)』
通称、ワールド・コンセント・ネットワーク航空局。
私たちが所属している非国籍団体だ。
現実世界と並行世界の境界線上にある“S機関(エンタングルメント領域)“を管轄している組織。
別名、『人類保護環境保全公安局』。
私がこの組織に所属してからまだ1ヶ月も経っていないが、スズが何年も所属していたおかげもあって、大体の勝手を掴んでいる。
簡単に言えば、世界に蔓延している“悪しき存在”を排除する組織。
人間界で言う警察みたいな立ち位置…かな?
多分ちょっと違うんだろうけど、まあ、きっと遠くはない。
ひょんなことから、私はこの組織に所属することになった。
“黒い瘴気”
と呼ばれる、黒の一帯(汚染地域)と遭遇してしまってからは。