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学年総代決定戦3日目④~桃金(ピンクゴールド)~

「ひゃっはあぁぁぁぁぁ! 爆発さいこおぉぉぉぉぉ!」

「さいこー」


 轟音と衝撃。


 二人(私たち)の火の精霊が合わさり、爆風で山を削っていく(・・・・・・・)

 音が鳴るたびに炎が山頂を彩り、美しい花を咲かせる。


「それにしても――

 しんかと『比翼連理』のおかげで、サクサク進むなあ」


「それほどでも」


 精霊繋装の莫大な火力を、まさか掘削作業に使うとは思っていなかったけど。

 役に立てたというのなら嬉しい。


「いっち、に! 

 いっち、に!」


 交互に爆破が重なっ(掘っ)ていく。


 クレーター状に空いた穴は一撃ごとに深さを増し――

 掘り進めるごとに地面の硬さも増していく。


「大分硬くなってきたけど、まだまだいけるよね?」

「うん。まだまだ――」


 ピタリと私は動きを止める。


 これは――


「きょうえい」


「うん。

 何か嫌な感じがする(・・・・・・・)ね。

 一度下がろうか」


「了解」


 クレーターの中心に漂う不穏な空気。


 私たちの第六感が叫んでいる。


 これ以上――迂闊に進んではならないと。



 恐らく私よりも、彼の方がそれを感じている――否、見えて(・・・)いるはずだ。

 精霊への理解や知覚の進度は、彼の方が上なのだから。


 じゃあ、穴から出るか――


「っ⁉

 しんか! 急いで!」


「了解!」


 彼の声色から、私の警戒が瞬時に極限へと達する。


 悠長にしている場合じゃない。



 地面に向けて叩きつけていた火の精霊を足元へ。

 きょうえいもまた同様の動きを展開している。


 ドン


 2人揃いの動きから爆風を踏み、空中へと身を飛ばすと同時――


 私たちが掘り進めていた空間がぱっくりと無くなった(・・・・・)




「……大きい」


「滅茶苦茶大きいね!

 あれなんだろうね!」


 わからない。

 

 飛んだ直後に掘っていた穴が失われ――代わりに巨大な塊(・・・・)が突然出現したように見えた。


 空を飛んだ私たちに、危うく届きかねなかった程の大きさ。

 上方を飛んでいるからこそ、ようやく全容が把握できるスケール。

 あまりに無骨で巨大な存在が、月明りを浴びて輝いている(・・・・・)

 

、もし飛んでいなければ――私たちはどうなっていたのだろうか? 


 ぼっぼっぼっぼ


 きょうえいが火球を灯す。


 月明りに火球の光が足されることによって、ようやく巨大物体の正しい色合いが判明する。


 金――それもピンクがかった金色だ。


「きょうえいが入学試験で作った金属?」

「少し似てる気もするけど……規模が違いすぎるかな!」


 私の「比翼連理」の一撃を受け止めた金属板。

 土属性の精霊によって生み出すことのできる金属の塊。


 それに少し似ている気がする。


 ただ彼の言う通り……巨大だ。


 見下ろしているから、その実感は湧いていないけど――


 私たち二人を合わせた体積の何倍になるだろうか。



「きょうえい?」


 私と共に飛ぶきょうえいが、それに向かってゆっくりと降りていく(・・・・・)


「大丈夫なの?」


「土の精霊たちを見ている限り、動きはなさそうだけど」


「やっぱりこれって、精霊で作ったものなの?」


「だと思う」


 あっさりと言うきょうえい。


 だとすると――

 何故こんなものを作る必要があったのか。

 その理由を探らなければならない。


 先行するきょうえいに続いて、私もその巨大金属の元へと向かう。



「やっぱり大きいねえ!」

「大きい……売れる?」

「確かにこのサイズなら、相当な値段になるかもしれないね。

 ……誰か土適性持ちに鑑定させようかな」


 間近で見れば見るほど、存在感が増していくような桃金(ピンクゴールド)


 軽く触れているきょうえいの様子を見る限り、今のところ(・・・・・)危険はないようだけど――


「きょうえい……この高額金属どうやってここに来たの?」


「高額かどうかはまだ分からないよ⁉」


 目下のところ、私の気になっているのはこれだ。

 この桃金の移動方法。

 しかし、きょうえいは既に答えを知っているようだ。



「しんか、これは地中から生えた(・・・・・・・)んだよ」


「植物みたいに?」


「うん。地中と繋がってるみたいだし」


「でも生えるのが速すぎる。

 それに速度に対して、地面を崩すような音も聞こえなかった。

 私たちの爆音がいくら大きくても――この桃金(巨大物体)の移動音は聞き逃さない」


「だろうね……僕もそう思う。

 となると――地中で音もなく移動(・・・・・・)したんだろうね」


「音もなく移動?」


 そんなことが可能なのだろうか。

 モグラじゃあるまいし――


「あ……土の精霊?」


「正解! 流石しんか!

 土の精霊の力があれば、静かに地中を移動することが可能だよ」


 だとしても――


「こんな大きさのものを、無音で移動できる?」


 人が移動するのとはわけが違う。

 この巨大桃金を移動させるとなると、相当の精霊制御能力が必要となるはずだ。


「できると思うよ……彼なら。

 玉桜君(『ろ組』委員長)ならこのくらいはやってのけるはずさ」



「よくぞ見抜いたな――『は組』委員長コンビ!」


「「っ⁉」」


 二人してその場から退く。


 月明りの下、響く声。

 聞き覚えのある、低く落ち着いた声色。

 

「今の声は――」


玉桜君(『ろ組』委員長)?」



 でも……どこから?


 私たちの疑問に答えるかのように、再び声が聞こえる。


「まさしくこれは私――『ろ組』委員長、玉桜たつやの仕業だ!」


 その声の出所は私たちが観察していた場所。


 正確には――

 地面から生えた巨大金属だ。

 ――巨大金属の正体が何かは次回明らかになると思いますので、お楽しみに!


 本作『勘違い召使いの王道~いずれかえる五色遣い~』をお読みいただき、誠にありがとうございます!


 今後も第二章「水の蛇・金の龍」編を頑張って投稿していく予定ですので、引き続きお読みいただけると嬉しいです。


 ※現在、並行して1話目から編集し、書き直したりもしています。

 気になる方はそちらもお読みいただけると嬉しく思います!


 感想もお待ちしております!


 評価とブックマークをしていただいた皆様、本当にありがとうございます。

 皆様に読んでいただけているということが、僕の書く意欲になります!

 

 もし『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、今後も本作を書いていく強力な励みとなりますので『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非よろしくお願い致します!


 ではまた次のお話もよろしくお願いします!

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