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学年総代決定戦2日目③~女装の予想~

「兼平君! 次は5秒後に白。(「い組」拠点)上空を抑えて」 

「ありがとうきょうかちゃん! 『に組』男子! 制空権を取りに行くよ!」

「「「はい! 兼平委員長!」」」


「に組」男子の士気は高い。

 兼平君の指揮能力と彼に尽くしたいという「に組」生徒たちの想い。

 奇跡的な嚙み合いによって、きっと素晴らしい結果を運んでくるだろう。


 まあ――「可愛い子に尽くしたい」という純粋な想い(下心)のような気もするけど。



海光(かいこう)さん、こっち『い組』多くないか⁉」

「一本木君。仕方ないのよ……昨日あんなことをしちゃったから」

「俺は何もやってないんだが⁉」

「何もしない……それ自体が罪なのよ……」

「それっぽいこと言ってるだけだよなあ!」


 一本木君を囮にする(その)ために海光きょうか(女の子)になったわけだし、当然といえば当然の結果だ。


「一本木君、30秒後に貴方の右から赤3が抜けてくるから青を当てて」

「……了解。 水属性! 来るやつを撃て!」

「「「やってやるよ委員長!」」」


 一本木君たちも踏ん張っている。

 驚いたことに士気の高さは兼平君たちと同等と言ってもいい。

 

 その理由は恐らく――


「『ほ組』! 全力でぶつかるぞ! 俺に付いてこい!」

「「「はいよ」」」


 一本木君の実直さ。

「ほ組」の生徒たちは彼の真っ直ぐな気質を好ましく思っているようだ。

 確かにそういう人相手だと、支え甲斐があるもんなあ。

 しんかや()がいい例であろう。


 ――兼平君への想いだってそうだし。


 少し心配なのは一本木君が兼平君の性別を知らないことだけど――それは僕のあずかり知らぬことだ。




「海光さん、そっちは大丈夫か?」

「ええ。こっちはおかげさまで無事よ」


 この気遣いが少しでも恋愛相手にできればいいのに……可哀想だ。




「それにしても予想通りだったわね……」

「え、何が? きょうかちゃん」

「『い組』が強いわ」


 僕たちが共同戦線を張った兼平君たち(「に組」)一本木君(「ほ組」)は決して弱くない。


 けれど「い組」は内部進学クラス。

 中等学校時代から鍛え上げられてきた彼らの能力が純粋に高いのだろう。


 数ならこちらが倍。

 なんなら昨日の挨拶(襲撃)によって数人脱落したことで倍以上のはずだ。

 それにも関わらず隙を見せればすぐ「い組」の勢いに飲まれそうなのは、彼らの練度の高さのせいだろう。


「きょうかちゃん!」

「海光さん!」

「どうしたの? 二人とも」


「「こっちは食い止めるのがやっとだ(よ)!」」


 強敵相手に委員長たち(彼ら)ですら引き留めるのがやっとらしい。


 だがそれでいい(・・・・・)


 こちらの狙いは「い組」拠点に攻め込むことではないのだから。


「二人ともありがとう。勝ちにいかなくて(・・・・・)いいわ。撃破されないようにだけ注意して」

「「了解!」」




「きょうかちゃん……大丈夫?」

「大丈夫よ、つむじちゃん。あくまで『い組』は予想通りの強さでしかないもの」


 今の通信を聞いて心配そうなつむじ。

 けれど安心して欲しい。

 全ては計画通り進んでいる。

 だからこそ目標達成の可否は――


「すべて貴女次第よ(・・・・・)。つむじちゃん」

「だよねえ」


 拠点では少し不安そうだったのに、彼女はもういつも通りだ。

 気負いのない風のような幼馴染(つむじ)

 僕のやるべき仕事は、彼女が全力を尽くせるように場を整えること。


「じゃあ、また進むわよ。勝利のためにレッツゴー」

「ゴー!」


 僕たち二人は勝つために暗闇の中を進む。

 僕らの進行方向は暗くとも、進めば光を掴めると信じて。

 ――女装の内面と口調の違いで少しややこしいかもしれません。


 本作『勘違い召使いの王道~いずれかえる五色遣い~』をお読みいただき、誠にありがとうございます!


 今後も第二章「水の蛇・金の龍」編を頑張って投稿していく予定ですので、引き続きお読みいただけると嬉しいです。


 感想もお待ちしております!


 評価とブックマークをしていただいた皆様、本当にありがとうございます。

 皆様に読んでいただけているということが、僕の書く意欲になります!

 

 もし『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、今後も本作を書いていく強力な励みとなりますので『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非よろしくお願い致します!


 ではまた次のお話もよろしくお願いします!

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