プロローグ
どうしてこんなことに⁉
ここ日域国立央成学院高等学校は、国を導くための学校だ。
地区や国ごとに似たような国立機関が置かれ、毎年対抗戦が行われている。
国の運営はその対抗戦の結果に左右される。
つまり――学生の勝敗が国を動かす。
僕はこの学校の頂点へと至り、日域国を導く立派な王になる。
そのはずだったのに――
「黒白君、あの――」
「はい、どうぞ……火光さん」
僕の目前には大量の火の精霊に祝福されている少女。
黒髪で艶のある長いストレートヘアーは、緋色の輝きに包まれ――
ぱっちり開いた瞳も同様の色合いに染まっている。
「あ……ありがとう」
少女は僕から弁当箱を受け取った。
受け取るために差し出された彼女の手は華奢で、折れてしまわないかと心配になる。
少女は僕から弁当箱を受け取ると――
「いただきます」
と遠慮がちに食べ始めた。
ゆっくりと美味しそうに噛みしめる姿は可憐で、いつまでも見ていられる――
「はっ⁉」
刺すような殺気と共に、一瞬のうちにぐるぐる巻きにされる。
しまった⁉ 逃げ遅れた⁉
「「「こおぉぉぉぉくうぅぅぅぅはあぁぁぁぁくうぅぅぅぅくうぅぅぅぅん」」」
僕の退路を断つかのように並び立つ狂戦士たち。
「待ってよ、皆!
話し合おう!
僕たちは理性ある日域国――」
「「「モテる奴は死ねえぇぇぇぇ!」」」
「ぎゃあぁぁぁぁぁ!」
これは僕こと黒白きょうえいが、少女こと火光しんかさんの召使いをしながら――
日域国の王を目指すお話である。
本作『勘違い召使いの王道~いずれかえる五色遣い~』をお読みいただき、誠にありがとうございます!
今後も頑張って投稿していく予定ですので、引き続きお読みいただけると嬉しいです。
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