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第二章 エピローグ

 ダメージを負ったアイリーンは必死に歩きながら本隊との合流を目指した。しかし数時間歩いた所でアイリーンが目にしたのは、傷付き壊滅的に破壊された世界連合軍だった。


「貴様ら何処の所属だ? どうなっている?」


 驚き問い掛けるアイリーンを世界連合軍の兵士は虚ろな瞳で見つめた。


「アイリーン大佐でありますか? 今までどちらに?」


「私は離れた所で敵と交戦していてな。状況がイマイチ把握出来ておらんのだ」


「……アイリーン大佐がどのタイミングまでおられたのか存じ上げませんが私が知っている事を報告させていただきます」


 兵士は我に返ったかのように覇気を取り戻すと、真っ直ぐにアイリーンを見つめる。


「我々世界連合軍が順調に侵攻を進めている最中、突然どこからともなく火球が撃ち込まれました。爆発が起こり部隊が若干混乱する中、一人の男が現れたのです。男は我が軍の前に悠然と立つと『我が名はシャリア。愚かな争いを続ける人類を滅ぼす為、私は蘇った』そう言って我が軍に攻撃を仕掛けてきました」


「待て、その男はひょっとして仮面を着けた男か?」


「はい、男は仮面を着けて素顔は隠していました。男の力は凄まじく、ナンバーズが対処に向かいましたが瞬殺されてしまい我々では歯がたちませんでした。我々は本隊と合流すべく急いで中央エリアに向かったのですが、我々が到着した時には中央を侵攻していた本隊は北の大地からやって来たという奴らの部隊に壊滅状態に追いやられていたのです」


「ちょっと待て! 北の大地だと? 北の大地の連中はターパフォーカス帝国が見張っていたはずだ。その監視をかいくぐって部隊を移動させて来たというのか?」


「……いえ、奴らはかいくぐってなどいません。奴らはターパフォーカス帝国を既に滅ぼしてここまで来たのです」


「ば、馬鹿な……ターパフォーカスとは数日前に今後について協議したはずだ」


「我々も誰一人として初めは信じられませんでした。しかし燃え盛るターパフォーカスの王宮や炎に飲まれた街並み、それに既に息絶えてるリチャード国家元首やアイゼンシルト騎士団の亡骸が通信映像で送られてきて我々も現実だと思い知らされました」


 説明を聞いたアイリーンも驚愕の表情を浮かべていた。ターパフォーカス帝国のアイゼンシルト騎士団と言えばセントラルボーデンのナンバーズと並び称される世界最高戦力の一つ。そんなアイゼンシルト騎士団がいるターパフォーカス帝国が僅か数日、いや恐らく実質一日程で滅ぼされるとは、にわかには信じられなかった。


「それで我が軍の現状はどうなっている?」


「敵戦力は強力でした。数ではこちらが圧倒的に有利でしたが奴らは獣人や化け物みたいな奴らを率いて、見たこともないような強力な魔法を使い我々を圧倒しました。指揮系統も寸断された我が軍は為す術なく敗走を余儀なくされたのです」


「くっ……私の責任だ。全軍に伝えよ、セントラルボーデン領域内まで下がったら、そこで集結せよ。態勢を立て直す」


 兵士がアイリーンの言葉を伝えるとルカニード王国に侵攻していた世界連合軍は次々と撤退を始め、結果として中立国ルカニード王国への侵攻という世界連合軍の暴挙は幕を閉じた。


――

「遂に復活したか」

「間に合わなんだな」

「仕方あるまい、決着の時じゃ」


 セントラルボーデン内にある基地最深部では長老達が集まりよからぬ算段を始めていた。




――

「かはは、この魔力。遂に復活したなシャリア。待っていたぞ……長かった本当に。さぁ決着をつけようではないか」




 この日、一つの国が消滅し、世界の運命が再び動き出した。


「この世界に価値など無い。我が名はシャリア、死をもって償え人間どもよ」


       超常戦記・第二章・~完~

 ここまで読んでいただいた皆様に感謝申し上げます。ありがとうございます。


 少しだけあとがきのような物を書かせていただきます。

 本当は一気に最後まで駆け抜けたかったのですが、何せ執筆が追い付きません。第一章の時もそうでしたが第二章も途中から話のストックは底を尽き、ずっと書いてはすぐにあげる自転車操業のような状態を繰り返してました。

 やっぱりそうなると見直す時間もなく、後から「ああ、あそこはこう直したい」とかいう所も出てきてたんですよね。ひとまずシャリア復活までは書き切ろうと思いここまで来たんですが、ちょっとここで話をストックするべく休憩させて下さい。


 今後の展開等は勿論出来上がってますし、一応伏線なんかも回収する予定です。ただそれが書けてないんですよね。

 気付けば一年ぐらいこの『超常戦記』書いてます。長いですよね。わかってるんですよ、早く書けばいいのに話が間延びしたりしてるんですよね。永く御付き合いいただいている方々には本当に申し訳なくも感じています。


 ただ次で最終章になります。話の根幹部分、シャリア編で完結させますのでどうか後少しだけ御付き合いいただけますと幸いです。どうかよろしくお願いいたします。


追伸

 実は次の第三章が最初に浮かんだ話で自分が描きたかった部分です。


            赤羽 こうじ

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