零章一話勇者編「 初見殺しと復讐と 」
俺は三笠佐。通称ミカサ、フリーランス、無職、
最高にイケてるチャラ男だった。
俺はナンパで連れてきた女の子と遊んだ後
気分が良く飲みに行こうとした所、工事中の
場所から手違いで降ってきた鉄屑に頭を潰され
死んだ。まぁ、別に現実に戻っても借金だらけだし
死んだ方がマシだったが。でも女の子と遊べなく
なっちまうのは最悪だな。と呑気な事を考えてた。
〈 ・種族名【 人間族 】として始まりの草原にリスポーンします。〉
〈 ・称号【 勇者 】を獲得しました。〉
〈 ・条件を満たし自動翻訳を獲得しました。
更にスキル、【 光魔法Lv2 】【 黄泉帰者 】
【 身体能力強化 Lv3 】【 剣術 Lv2 】を獲得しました。〉
〈 これから説明を行います…レベルは一定条件を
満たすと自動的に上がり……… 。〉
長い説明。ロクに聞いていなかった。が、
取り敢えずこれは今話題の『 ワースト 』に
似た設定だな!ん、もしかして
これは異世界転生的なヤツなのでは。
これから美少女に囲まれてウハウハ生活…そして
異世界にだけいる獣耳やエルフ…成る可く
胸の大きいエルフがいいな。
と、期待してると草原らしき所に来た。
俺は硬くて強そうな防具を身に付け、そして
強そうな剣を持っていた。それに此処は
見る限り強そうなモンスターは居なくて
スライムが沢山いる。レベル上げに最適だな。
そう思いながら俺の方にスライムが寄ってきた。
うわ、きっしょ。弱そうだなぁ。そうだ。
踏み潰してやれ。踏み潰すと体液が自分の鎧に
付いた。汚ぇ。それに前を見ると汚い服装の
少年を口をボケっと開けて立っている。なんだよ
クソガキ。俺に何か用か?
「 …… お前。何をしてる?」
あー!成程。そういう感じでチュートリアルに
入ってくのね。なら俺は大丈夫だとソイツに
伝えた。チュートリアルスキップと言っとけば
勝手に消えるだろう。さっさとこの
気持ち悪いのを殺して始まりの待ち的な場所に
行かないといけねぇな。ほらさっさと上がれ。
〈 スライム13体を殺害しました。〉
〈 レベルが1から3に上がりました。〉
遅い。レベル上げが遅い。もっと殺さねぇと
5になんて辿り着かねぇ。と、集中してたら
物音が聞こえた。どうせ雑魚スライム。
無視してても何も傷つかない。そう思って
目の前のスライムを潰そうとしたら……
俺は首に激痛が走った。そして下を見ると
首を貫通して出てきた錆びた刃物。そして
素早く抜き取られると俺の命が…HPが減るのを
感じる……ボヤけてだがあのクソガキが、見える。
畜生…お前がやったのか…クソがクソがクソが!
悔しさと苦しさで呻きながら俺は呆気なく死んだ。
そして真っ暗になると謎のカウントダウンが
始まった。そう、文字はこう英語で書いてあった。
『 continue 残り 98 m 120秒 』
俺は希望を抱いてあのクソガキを潰し、ウハウハ
ハーレムの異世界生活を送る。そう決意した。




