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07話 気まずいお食事会

ダンジョンでトロールと出くわした次の日、俺たちは王国騎士の人たちからの質問を受けていた。

これからダンジョンの調査に行き、ダンジョン内の異常を調べるそうだ。

数時間質問を受け続け、へとへとに疲れた俺のもとに同じく質問を受けていたマナがやってきた。


「せっかく休みの日だって言うのに何で私たちだけこんなに質問を受け続けるのよ!」

「仕方ないじゃないか。実際にあの時トロールと出会ったのは俺たち2人だけなんだから。」

「もう我慢ならない。ソラ! 行くわよ。」

「どこに?」

「どこにって、一緒に買い物に行くのよ。」

「なんで俺が?」

「このままだと私たちの休みの日が台無しじゃない。ダンジョンでトロールを倒したんだからいっぱい寿命を稼いだでしょ。どうせならパァっと使いましょ。」


それから俺たちは、マナの行きたかった洋服屋に行き、マナの行きたかった洋菓子屋に行き、マナの行きたかった化粧品を買いに行き、マナの、、、、、、


「はぁー、疲れたー。」


ようやく満足したのか城近くの店で食べ物の注文をして、くつろぎ始めた。

ほとんど荷物係としてついていくだけだった俺はようやく体を休めることが出来た。


「教えてください!5年前、ここで毎晩食事をしていた人がいたはずです。誰なのか覚えていませんか?」


聞きなじみのある声がしたため振り返ると、ゴリ男が店主の人と話していた。


「いやぁ、すみません。4年前に父がなくなりこの店を受け継いだのでわからないです。」

「そうですか、、、」


落胆したゴリ男が俺たちのテーブルに近づいて俺たちに気づいた。


「お前たち。」

「げっ、ゴリ男。」

「だからゴリ男はやめろって言ってるだろう、農家の娘。」

「農家の娘もやめろ。」

「まぁまぁ。なぁゴリ男、一緒に食事しないか?」

「はぁ?なんでゴリ男と一緒にご飯を食べないといけないのよ。」

「同期だろ。一緒にご飯を食べることなんて普通だろ。それにゴリ男、お前もお店にあんなに質問しておいて飯の一つも食べずに帰る気か?」

「、、、、確かにお前の言うとおりだ。俺もいただくとしよう。その前に。」

「なんだ?」

「俺の名前はダンテだ。ゴリ男はもうやめろ。」


そういうゴリ男をマナはにらめ続けている。


俺たちの頼んだ注文が届いた。俺が頼んだハンバーグは切ると肉汁が溢れ、熱い鉄板の上で肉汁が踊り、口に入れると肉がほろりとほどけ溶けていった。


―――うまい!


マナに無理やり連れていかれた店だったが、満足する。

はずだったが、、、


―――会話がない。


この気まずい雰囲気の中、俺は黙々とハンバーグを食べていた。

この空気を変えるためにゴリ男に話をふった。


「そういえばゴリっ、ダンテは店の人に何を聞いていたんだ?」

「俺の姉さんは体が弱くていつも部屋にこもっていて、毎日誰かと手紙のやり取りをしていたんだ。俺はその人を見つけて姉さんに代わって礼を言いたい。そしてこの手紙を渡したいんだ。」

「姉さんと会ってもらわなくてもいいのか?」

「姉さんは5年前のあの日、崩れる家のがれきから俺をかばって死んだ。」

「そうか、、、済まない。」

「いや、いいんだ。俺はもうあの時みたいに誰かに守られて誰かを犠牲にしたくはない。だから俺は誰にも負けない力を手に入れる。守られるんじゃなく戦い、誰にも負けない力を。」

「ふーん。でもそんな覚悟じゃ私にさえ勝てないよ。」

「なんだと。」

「あんたは自分のことばかりでお姉さんの気持ちに気づけていない。そんなあんたじゃ私には勝てない。」

「ならば勝負だ。いずれ新入団員で力比べがあるはずだ。そこで今日の決着をつけるぞ。」


そう言ってゴリ男は店から出て行った。


「いくら何でも言いすぎだ。」

「いいのよ。あのままじゃお姉さんが可哀そうよ。そんなことよりおなかもいっぱいになったし買い物の続きをするわよ。」

「まだ買うのかよ?」

「あたりまえじゃない。ここからが本番よ。」


気合いを入れているマナを見て、ここからの展開を軽く予想できた俺は今までの満足感が一瞬でなくなった。


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