03話 魔術
「ここが教室だよ。私たち騎士見習いが戦い方や座学を勉強する場所だよ。」
そういうとマナは扉を開けた。
「遅刻だぞ。マナ。」
「すみません、アリス先生。この子の案内をしていました。」
「君がソラか。やぁ始めまして。騎士見習いの教育をしているアリスだよ。君の席は・・・マナの隣でいいかな。さぁ席に着きな。」
俺たちは言われるまますぐに席に着いた。
「今日は君たちに魔術についての授業をしよう。」
そういうとアリス先生は黒板に文字を書き始めた。
「魔術には火、水、風、土の4つの属性があって、自分たちの寿命を消費して使えて、自分の寿命を消費すればするほど大きな力を使うことが出来る。さらに一人一人にウォッチと呼ばれる特殊な能力が秘められている。ウォッチは心の強さや人柄によってその力と能力が決まる。騎士見習いの君たちにはこれから、魔術とウォッチを習得してもらうね。」
「先生。質問いいですか?」
「いいよ。どうしたの?」
「魔術を使えば使うほど寿命は減っていきますけど、寿命を増やす方法はあるんですか?」
「あるよ。君たちも知っていると思うけど、商売によって寿命をやり取りして増やすことも出来るけど、魔物を倒すことによってその魔物の持っている寿命を得ることが出来るんだ。だからいずれ君たちにはダンジョンの攻略もしてもらうよ。はい、じゃあ中庭に出て魔術の練習をするよ。」
「魔術は自分の寿命を感じながら放つんだ。僕が見本を見せるから見ていてね。」
突然、アリス先生は土の壁に向かって手のひらを向けた。
「ファイアボール!」
そういうとアリス先生の手のひらから火の玉が飛び出した。
「こんな感じで土の的に向かって撃ってみな。じゃあ解散!」
俺たちはそれぞれ練習を始めたが火の玉が出ることはなかった。
「これすごく難しいね。まず寿命を感じるって何なんだろう。」
―――寿命か・・・
この言葉を聞いてから昨日の光景が頭から離れなかった。
「ファイアボール。」
唱え終わると同時に俺の手のひらから火の玉が飛び出した。
「ねぇ。どうやったの?」
マナは目をキラキラさせながら聞いてきた。
「分からない・・・」
俺は答えることが出来なかった。
この日は暗い気持ちで的のかたずけと掃除を行った。




