02話 出会い
俺は王国騎士に連れられ、この町の中心に向かって歩いて行った。
王国騎士が立ち止まり、顔を上げるとそこには立派な建物があった。
「団長!町の魔獣はすべて制圧が完了しました。」
「わかった。火事の鎮火と住民の避難に専念しろ。」
「はっ!ところでそこ子は?」
「今日からここで騎士見習いとして働かせる。いいからお前は早く行け!」
「はい!」
男の人は怯えながら走って行った。
「ここがお前が住むことになる王国騎士の本拠地だ。お前には騎士見習いとして戦い方の基本や騎士としてのふるまいなど様々なことを学んでもらう。」
少し歩くと俺と同じ年くらいの女の子が駆け寄ってきた。
「団長!基地に異常はありませんでした。」
「そうか、わかった。マナ。こいつを部屋まで案内しろ。新入団員のソラだ。まかせたぞ。」
そういうとあの人は足早に去って行った。
「じゃあ案内するよ。私はマナ。あなたと同じ新入団員だよ。よろしく。外はひどい状況らしいね。でも、大丈夫。団長たちが事態の対処にあたっているから、明日には火事は収まると思うよ。」
マナの話を聞きながら歩いていると部屋の前まで来ていた。
「ここが私たち騎士見習いである新入団員の部屋。ベットがあるから今日はもう寝た方がいいよ。きみの目、すごく腫れているよ。外でひどい目にあってきたんでしょ。私に出来ることがあったら何でも言って。助けになるからさ。」
そう言ってマナは来た道を帰って行った。
部屋に入ると俺はベッドに倒れるように寝ころんだ。今日は眠れないと思っていたが疲れのせいかすぐに寝てしまった。
「・・・お・て。」
ドンッドン
「おーいおきて。」
ベットを叩かれ振動で俺は起きた。
「朝食だよ。そのあとには集合があるから早く食べないと朝食抜きになるよ。早くこれに着替えて、行くよ。」
俺は半ば寝ぼけながら着替え、マナに手を引かれ強引に食堂に連れていかれた。
朝食を済ませ、中庭で待っていると続々人が整列し集まっていた。
「ちゅうもーく!団長からのお言葉だ。」
「昨日は魔族の発生により王都は甚大な危害を受けた。原因の早期解明と王都の警備の強化が必要となる。これから忙しくなるが王国のために全力を尽くしてほしい。」
「はっ!」
集合が終わるとマナに手を引かれた。
「今日から、あなたも騎士見習いなんだからボケっとしてないで教室に行かないと。」
そういうとマナはまた俺を強引に連れていった。