2話
人物紹介が主になります。
「はじめまして、米山灯里さんですね。私が店長をしている梛木芳です。前バイトの店長から聞いてるかもしれないけど、ウチではバイトを完全紹介制にしています。なので面接はありませんが、私のこだわりでスタッフ全員とあってウチのこだわりメニューを知ってもらう事にしています。分からないことがあったらなんでも聞いてください。」
店長はあのコンビニ店長と知り合いというには若く見えた。
細身で眼鏡をかけた優しげな見た目からしてザ・カフェの店員な印象の人だった。
「はじめまして。米山灯里です。バイトは今までコンビニしかやったことが無いので勉強する事ばかりですが、精一杯楽しく働けたらと思います!宜しくお願いします!」
「じゃあ他のスタッフとも自己紹介やら漫談なんかをしておいてください。私はウチの自慢のコーヒーとだし巻き玉子を用意してきます。」
梛木店長は当たり前のように言うが、
「だし巻き玉子?」
「だし巻き玉子です。」
「カフェでですか?」
「ウチの一押しメニューです。」
「そ、そうなんですね。楽しみです。」
梛木店長は灯里が言い終えると何もなかったかの様にスタスタとキッチンへ姿を消してしまった。
そこからは元からあるスタッフメンバーの自己紹介が始まった。
1番のベテランは店長が「cafe Snow fall」をオープニングした25年前から(この年数を聞いて灯里は店長が年齢行方不明者だと確信した。)いる
大原卓也さん
グレーヘアを清潔に整えたいかにもダンディな方だ。
3児の母、サバサバとして仕事ができて、面倒見の良い
菅野友紀さん
明るめに染めた髪を頭のてっぺんでお団子にしているのが特徴だ。
日本のアニメと漫画に感化されすぎて来日して職場まで確保、休日の楽しみはコスプレだという
アンジー(ファーストネームで呼んでねとのこと)
コスプレのために鍛えたスーパーモデル体型がすごすぎる。
灯里と同じく大学生でバイト、遊び慣れてそうな外見とは裏腹に誰よりも丁寧な話し方で自己紹介をしてくれた
山賀尊
黒髪、ピアスのスーパーイケメン。
そして、ものすごく落ち着きのある高身長の青年、他のスタッフからはきーちゃんと呼ばれる
小山田喜一
それなりにクセのありそうなメンバーの揃ったカフェであることは分かった。
「お待たせしました。コーヒーとだし巻き玉子、できましたよー。灯里さんはこの席でしばらくコーヒータイムしながら今日は職場の様子を見学して下さい。灯里さんの指導係はきーちゃんにお願いしたいので彼の休憩時間にバックヤードの説明を聞いて下さい。」
梛木店長はそのまま喜一に今日の休憩を30分伸ばすことと、指導に関することを伝えるとキッチンカウンターへと戻ってしまった。
頂いたコーヒーとだし巻き玉子は、
コーヒーがものすごく美味しいのはとても素敵だ
が、だし巻き玉子が異常なくらいに美味しくて何故かコーヒーにピッタリな事に少しびっくりした。