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女子高生終わりました。  作者: お箸
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第2話 女子高生終わりました。

「!?」


 一瞬、何が起こったのかわからなかった。というより、なぜ起こせたのかがわからなかった。

突如現れる光の扉に困惑と恐怖が押し寄せてくる。

 やばい、明らかに危険なにおいがする。超常的な現象に疑問を抱くよりも先に、逃げるべきだという意識が本能的に頭の中を埋め尽くす。なのに肝心な一歩を踏み出す事ができない。


「ごめんね、君たちはちょっと特別だから強引な手を使わせてもらったよ。ああ、自己紹介がまだだったね、僕の名前はソル。魂に干渉できる力を持ってる。いろいろ意味が分からないと思うけどあんまり時間がないからね。ざっくりしか説明できないのが悪いけど」


 なんだ、この少年は何を言っている?


「簡単に言うと、君たちには今からこの世界でいうゲームみたいな異世界に行ってもらいます。まあゲ-ムの設定を考えたのはあっちからの帰還者なんだろうけどね。」


 そういいながら少年はその異世界という私たちが住む世界とは全く別の世界についての説明を淡々とし始めた。


 正直言ってることは全然意味が分からなかった。それでも、私たちはこの少年の言うことを信じるしかなかった。それほどまでに、先ほどの扉を創り出す行動は人間の力を超越していたからだ。けれど不思議と私の中から恐怖という感情が消えているのを感じる。

ふと、隣を見ると奈緒は目を輝かせながら、未来は心配そうに、それでもどこか優しく、少年の話を聞いていた。


「あ、悪いけど拒否権はないよ。さっきも言ったけど君たちは特別な存在なんだ。君たちにしかできないことで、君たちがやるべきことなんだよ。

そろそろ時間だね、それじゃあ君たちをあっちの世界に飛ばすよ。」


 少年の言葉とともに私たちは扉の中に吸い込まれる。声を出す暇もなく光に包み込まれる。


「どうかあの子を……救ってあげてほしい」


 そんな声が聞こえた気がすると同時に私たちは気を失った。













「ゆづ!おきて!」

「ん、ん-?」


 私を呼ぶ声が聞こえ、重い瞼を開ける。


「なにー?みら…い?未来だよね?」

「そ、そうだけど?」


 あれ、未来ってこんな感じだっけ?雰囲気変わった?髪も少し青っぽくなってるし。


「って、ここどこ!?森!?」

「うーん、よく思い出せないけど、確か私たち少年に出会って…」


 曖昧な記憶を絞り出すように思い出す。 そうだ、私たちは少年に出会って、異世界に飛ばされてんだ。


「ていうことはここが異世界?」

「たぶんそうだと思うけど」


異世界というにはどこか現実味を帯びているというか、普通にちょっとした森に来ただけのような気分だ。


「あ、そういえば奈緒は?」

「あれ?確かに近くにはいないよね」


「ぎゃーーー!」


 いたよ、あの叢の奥から聞こえる騒々しい叫び声は絶対奈緒だ。

 どうせ虫がいたとかいう理由で叫んだんだろうと思いながら、少し呆れ気味に奈緒の様子を見に行く。


 するとそこには、奈緒(だと思われる)ケモミミが生えた少女が転がっていた、転がりまわっていた。


「何してんの、奈緒」

「だって、耳が!」


 本来あったはずのところに耳がなくなっているのだから、困惑するのもわからなくもない。けど、転がるほどじゃないでしょ。


「あの少年、ソル君だっけ?あの子たしか、できるのは魂の移動だけで、肉体は再構築されるって言ってたっけ。これが再構築されたってことかな」


 そんなこと言ってた気もする。さすが未来、頭の良さがにじみ出てる。天然だけど。


「とりあえず状況確認しよう。ソルって子が言ってたことを整理しつつこれからどうするか決めようか」


 そう言って私たちは、その場に座り込んだ。奈緒は少し涙目で顔を膨らせている。


「私のこと全然心配してくれないじゃん」

「ごめんね、奈緒ちゃん。私たちも頭の整理が追い付かなくて…」

「奈緒だけじゃなくて、私たちも何か変化があるかもだし、一回確認してみようか。」


 気を取り直して確認を始める。ソル君曰く、ステータスと言えば自分の能力、状態など自分に関する情報が大抵わかるんだっけ。ほんとにゲームみたいだな。


「あ!それなら私覚えてる!ステーションって言えばなんか見れるんだよ!」


 なんかって何だよ。しかもステーションて。


「ステーションじゃなくてステータスね、駅見てどうすんの」


 何バカなこと言ってるんだか。でもこのバカさのおかげで、超常的で、衝撃的な現象にであっても、落ち着いていられるのだろう。


「ちょ、ちょっと怖いしみんなで一緒に言わない?」

「そうだね、何かあっても困るし」

「私たちは一心同体!何かするときはいつも一緒!」


 この世界のことはまだ全く分かっていない。だからこそ何か始めるときはみんなと一緒に始めたい。


「せーのっ」




「「「ステータス!!!」」」


 


すると、私たちの前にステータスが表示されるのだった。

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