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異世界は猫(?)と共に(仮)  作者: 藤間ココロ
第一章 そこは異世界
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6話 決着と浄化

少し短いです。

「これはどういうこと!!!!」

 金切り声に見ると入口にダークエルフの姿が。



 賢者の予測より少し早い戻りにゃ。でもここまで来たらやるしかない。

 ―作戦ヲ変更シマスー

 賢者の作戦をニャオトと共有すると、ニャオトはダークエルフの前に立つ。


「魔法の気配がしたから戻ってみたら、なにその猫。ゴブリンロードたちがいいようにやられているようね。こっちの作戦台無しじゃない。」

 ダークエルフは腰から下げた細身の剣、レイピアを片手で持ち正面に構える。

「あんたが何者かわからないけど、倒せば結果は一緒なのよ。」

 ダークエルフの刺突がニャオトに迫る。ニャオトもその連続の突きを剣でいなしていく。

「なかなかやるじゃない。でもこれはどう?」

 ダークエルフの体が消えていく。


 空間同調にゃ。


 ―解除シマスー

「賢者」によって空間同調が解除される。

「え、なによ、これ!!!」

 空間同調が解除されたダークエルフにニャオトが切り掛かる。

「こんなこと、誰が出来るってのよ??!!」

 ニャオトの剣を受けながらダークエルフが叫ぶ。


「こっちを忘れてもらっては困る!!」

 意識が向いていなかった。ゴブリンロードがあたしのすぐ近くにいた。あの数の土の壁を壊し続けるなんてすごいなこいつ。


 ―土魔法ヲ連続発動シマスー

 また落とし穴を。

 土の壁でダークエルフを隔離。ダークエルフは簡単には壊せないと賢者予想。

 ゴブリンロードは落とし穴を跳んでかわす

「同じ手は食わない!」


 ―火・風魔法ヲ同時発動シマスー

 続けざまに火と風。でも竜巻よりもっと凝縮させて~~~、火の鳥!!!


 とんでもない魔力が凝縮された火と風の混じった刃が鳥のように飛んでいく。

「こ、これは!」

 あまりの威力に、ゴブリンロードが受け止めずに躱す。その後ろにニャオト。

「な、なに!!」

「魔法吸収!!」

 火の鳥をミスリルソードが受け止め吸収する。その魔力を剣に纏わせたまま、ゴブリンロードに叩きつける!!

「魔法剣フェニックス!!!」

 おー、技に名前つけてる。ま、これも賢者の入れ知恵だけど・・・

 魔法剣を袈裟切りにするとゴブリンロードの肩口から入った剣先が腰から抜けていく。

 切り口が燃えながら2分されたゴブリンロードがばったりと倒れる。


「ゴブリンロードまで、本当になんなのよ!!」

 見るとダークエルフを覆っていた土の壁が消滅し、黒く光った魔力の玉をダークエルフが持っている。

「闇魔法、ダークボール!!」

 ゆっくりと、黒い玉が進んで来る。

「魔法ならいけるか??!!ぼくの幸運を信じる!!」

 玉に走って向かうと、ニャオトはミスリルソードをぶつける。バチバチと力がぶつかり合う音と光。

「くっ、いけ~!!」

 ミスリルソードが一瞬膨らむように見えたかと思うと、ダークボールは吸収されている。

「な、なに??!!」


 ―火・風魔法ヲ同時発動シマスー

 火の鳥!!!

 さらに追加で発動した火の鳥もニャオトに向かって飛び、ミスリルソードに吸収される。

「魔法剣ダークフェニックス!!!!!」

 魔法剣の力でニャオトの体がダークエルフの元に飛び、勢いそのままに下段から切り上げる。ダークエルフの体が縦に真っ二つに割れる。


「ま、魔王様~~!!!!」


 断末魔の叫びを残してダークエルフが倒れる。


「なんとか倒した・・・。」

 これも賢者のおかげだにゃ。魔法で翻弄しつつ、とどめは魔法剣。ミスリルソードの持っている力と合わせてレベルを超えた威力が発揮できたにゃ。もちろんタイミングなどニャオトの持ってる幸運MAXが効いていたはず。


「ナオト!!大丈夫?」

 姫が駆け寄ってくる。

「あ、あの、は、はい大丈夫です。」

「すごい、すごい!!」

「いや、その、はい。」

 さっきまでと違ってまたなんとも卑屈な・・・。


「これは、いったい?!」

 広間の入り口に護衛たちが現れた。広間の中の戦闘の跡を見ながら困惑している。

「ひ、姫!!ご無事でしたか」


 とりあえずなんとか姫を助け、魔物たちを倒したことをニャオトが伝える。倒れている魔物たちを見てみんな呆然としているにゃ。


 ―ドロップアイテムヲ回収シマスー

 淡々とこなすにゃ、賢者は。


「イザーク。色々と話したいことはあるけど、先に『浄化』を進めるわ。周囲の警戒をお願い。」

 姫が広間の一番奥、自分が掴まっていたあたりに歩いていく。奥の壁の前で立ち止まると、

「浄化!」

 姫の体が青白く輝きだし、奥の壁を照らす。と、今までただの壁だったところが赤く光り出す。

「あれが、迷宮核、ですか?」

「ああ、そうだ。姫の浄化であれが光らなくなったら完了だ。」

 青い光が迷宮核を包み込み、その赤い光が徐々に・・・弱まらない。

 ん?弱まらない?


「浄化!」

 さらに力をつぎ込むように姫が叫ぶ。

 だが、迷宮核が弱くなる様子は見られない。

 一難去ってまた一難。これどうするんだろ。


「浄化!浄化!なによ、わたしじゃだめってことなの?浄化!!!」

 姫の声が叫びになっていく・・・


 ―「浄化」スキルヲ取得シマシター

 え?

 ―「浄化」スキルヲ発動シマスカ?-

 いや、するしかないにゃ。困ってるみたいだし。

 浄化!!

 あたしの体から姫と同じ青白い光が出てきた。

「おい、なんだそれは?」

 うるさい、集中させてにゃ。

「あ、あの、たぶん浄化なんで、少しお静かに・・・」

 浄化の光は姫の光と一緒になって、迷宮核を包み込む。赤の光が少しずつ弱くなり・・・消えた。


「浄化まで出来るなんて・・・今日は信じられない事ばかりだ・・・」

「あ、あの、すみません。」

 成功したのに、やっぱり卑屈だ。


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