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異世界は猫(?)と共に(仮)  作者: 藤間ココロ
第四章 塔
25/40

21話 塔内部

気が付いたら1000PV行ってました。皆様のおかげですありがとうございます。

年内は最後の更新になると思いますが、来年も最後まで書き続ける所存でございます。

これからもよろしくお願いします。

 塔の入口の大きな扉を押すと簡単に開く。


「入口は簡単に開くのだが、その後が厳しい迷宮なのだ」

 エルフのメスの説明によると、この塔型迷宮は魔物も強いが、罠の種類が多いらしい。落とし穴や矢が飛び出す罠のほかにも、毒ガスが噴き出したり鉄球が転がってきたり、とにかくたくさん。


「罠の解除に時間をかけていると魔物が襲ってきたり、とにかく気の休まる暇がないのだ」

 それは大変だね~。


 歩きながらそんなことを話していると、

 ―罠発見。解除シマスー


 え?

「え?」

 足元の床が一瞬光って、元に戻る。


「わ、罠が解除されています・・・」

 エルフのオスが言う。どうやらこのオスが罠を見つけて解除する人みたいにゃ。


 ―魔物ガ来マスー

 魔物来るにゃ。


「え?」


 通路の奥の方から3体の魔物が現れる。


 ―迎撃シマスー

 火の玉!!


「え?」


 ―魔物ヲ倒シマシター


「え?」


 かなりの階数あるみたいだから、さっさと進もう。


「・・・あの、何が起こっているのでしょうか?」


「マロンの賢者に常識を求めても無駄だよ」

 ニャオトの言い方もひどいにゃ。

 賢者様は最強にゃ。


「勇者様はともかくマロン様まで化け物とは・・・。われらの存在意義はどうなる・・・」


「帰ってもいいですよ」

「帰らん!!」

「そうですか」


 あたしを先頭にして、ニャオト、エルフのメス、その他、で進む。

 塔内部の地図も賢者様から頭の中に見せてもらってるし、罠解除、魔物出現タイミングすべてわかっている以上なにも問題ないにゃ。


 なぜかエルフたちが元気ないだけ。


 3階までは特になにもなく進む。

 エルフたちが進めなくなった3階の最後の部屋は扉が付いている。


「ここの中がボス部屋になっていて、何度も挑んでいるのだが倒せないのだ・・・」

「ボスってなにがいるんですか?」

「ミノタウロウス・・・が3匹。普通なら迷宮ボスになっていてもおかしくないぐらい強い」


 それほど中に強い魔物の気配は感じないにゃ。


「しかも、この部屋の中は精霊魔法が使用禁止というルールになっているのだ・・・」

 そんなことあるの?


「一部の迷宮の、特にボス部屋には特殊なルールがあるものがあってな。魔法禁止や体力低下などの制限があるのだ。罠とは違ってこれを解除することは出来ない」


 そうなの?

 ―特殊ルールノ解除ハ出来マセンー


 賢者様が言うならそうなのか。


「・・・わたしの言うことも信じてほしい・・・」


「良くそれで人間の助けがいらないなどと言えましたね」

「・・・くっ」

「ここは僕たちの出番でいいですね」

「・・・くっ、そうなる、のか・・・」


 ニャオトがゆっくりとボス部屋の扉を開ける。


 ミノタウロスは牛の頭を持った大きな人型の魔物だ。手には金属のトゲトゲの太い棍棒を持っている。

 3匹は目を閉じて待っていたが、ニャオトが一歩部屋の中に入ると目が開く。


「ブモオオオオオオオーーーーー!!!!」

 牛の叫びと共に戦闘開始にゃ。


 先手はあたし。

 竜巻!!


 風の刃がミノタウロスの皮膚を切り裂く。

 棍棒が振り回され風魔法の力を弱める。

 そのすきにニャオトが1匹のミノタウロスの懐に入り込んだ。

 剣を振ると魔物の血が飛び散る。


「硬い!?」

 致命傷にはなってないみたいにゃ。


 なら、

 風の刃!!

 ニャオトの剣に風魔法を吸収させる。

 直後にニャオトの剣が深々とミノタウロスの腹に突き刺さっている。


「これならいける!」


 ニャオトが残りの2匹に向かっていき、牽制でいくつか魔法も放ったが切れ味を増したニャオトの剣の前に3匹すべてが倒れ、消えた。


「・・・やはり強いな・・・」

 エルフのメスが呆然と見ている。


「進みましょう」


 ミノタウロスが倒れると、後方の扉が開き、次の階への階段が現れる。


「休憩はいいのか?さすがに疲れたろう?ボスが倒されるとこの部屋は魔物が入ってこないので、迷宮では休憩場所として使われることも多いのだ」


「大丈夫です。特に必要性を感じません」

「・・・くっ、余裕ということか・・・」

 せっかくの好意をあんな言い方しなくてもね。少し同情。

 まったく疲れていないわけじゃないと思うけど、やっぱり張りつめてるにゃ。



 4~6階も魔物は強くなってきたが、あたしたちの敵ではない。

 罠の解除はほぼ自動だから、淡々と進む。


「またボス部屋だな」

「この感じだと3階ごとにボスですかね?」

「たぶんな。この塔は10階までだと思われるので、6,9階にボス、10階が最後のボスと言ったところか」

「なるほど」

 今回はどんな特殊ルールがあるかにゃ?


 扉を開けて中に入る。

 鈍く光った金属で出来た大きな人型の魔物がいる。


「ゴ、ゴーレム?しかも。あれはミスリルゴーレムではないか!!??」


「行きます!!」

 ニャオトが先手を取ってミスリルゴーレムに切りつける。


「なんだ?!」

 剣がはじかれる。


「これはっ!もしかして物理攻撃無効ではないかっ?」



 ニャオトの剣がなんの効果もなくはじかれるのを見てエルフのメスが叫ぶ。


 ならやってみるか。

 土の槍!!


 土魔法攻撃がミスリルゴーレムに当たると、ダメージがあるみたいだ。


「ならば!サリオン、カリオン、ダリオン、精霊をっ!!」

 エルフのオスたちが精霊を召喚する。

「火のサラマンダー!」

「水のウンディーネ!」

「土のノーム!」


 顕現した精霊たちによる攻撃もミスリルゴーレムに傷をつける。


「はーはっはっ!そこで見ているが良い勇者よ。ここはわたしたちの出番だ!!」

 勝ち誇るように胸を張るメス。自分は精霊召喚まだ出来ない上に、敵を前に何してるんだか・・・。


「そういうことならっ!聖光魔法!!」

 ニャオトが左手をミスリルゴーレムに向けると光の塊が飛ぶ。

 当たった胸の部分が陥没する。


「マロン!」

 はいにゃ。

 火と風で、行けっ!!!

 火と風の魔法が鳥のように羽ばたいてニャオトが陥没させた胸の部分に突き刺さると、ミスリルゴーレムが弾ける。

 完了。


「・・・くっ、まるで出番がない・・・」

 悔しそうなメス。


「・・・メス、は、やめてくれ・・・」


 ミスリルゴーレムが倒れると、ドロップ品が残っている。


 ―ミスリル塊デスー

 お~、もしかしてこれでミスリルの武器とか作れるのかな。回収っと。

 あとで何か作ってみよう。


 扉が現れて次の階へ。


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