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異世界は猫(?)と共に(仮)  作者: 藤間ココロ
第一章 そこは異世界
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1話 これがチート

 気が付けばそこは眩しい光、ただ光のにゃか・・・ではなくて、ただ森のにゃか。森??


 光に飲み込まれたあと、意識がなくなって、気が付いたら草の上に倒れている

 隣には若い人間のオスこと佐々木直人が倒れている。必殺顔舐め。ペロペロ

「ん・・・、あ、マロン。ん?え?なにここ?」起きてきょろきょろしてる。

「ここなに?」

「転生先ってことかな?」起きてあたりを見回す。少し開けた場所にある草地だが、まわりは木に囲まれている。

「そもそも転生ってにゃに?で、ここどこ?」


 ―質問ニ答えマスー

 転生ハ違ウ世界ヘノ生マレ変ワリノコト

 ココはグラッド王国、東ノ森ト呼バレテイル場所。王都グラッドブルグ ヨリ東ニ約100キロメートル。今日ハ王国歴638年6月21日デス


 頭の中で声が響く。佐々木直人には聞こえてないみたいにゃ。。

「どうしたの?」・・・佐々木直人の質問に答える声はにゃい。

「今の声は?」


 ―シツモンニ答えマスー

 コノ音声ハスペシャルスキル「賢者」ニヨルモノ。スペシャルスキル「賢者」ハ、マロンニ付与サレマシタ。


 スキル?「賢者」?あたしの名前マロンになってるの?

 ―鑑定シマスー

 名前:マロン 種族:猫? 年齢:3歳 性別:女 ジョブ:「獣」「魔法使い」

 レベル1 

 所持スキル:「MP自動回復」レベル1「火魔法」レベル1「水魔法」レベル1「土魔法」レベル1「風魔法」レベル1「回復魔法」レベル1「獣攻撃」レベル1「空間収納」レベル5

 所持スペシャルスキル:「賢者」レベル1 


「鑑定?」


 ―質問ニ答エマスー

 スキル「鑑定」ハ人ヤ魔物、アイテム等ノ詳細ヲ知ルコトガデキマス。マロンノスキル「鑑定」ハスペシャルスキル「賢者」ニ統合済ミ


 あの光の中からずっとハテナばっかりだけども

「どうしたの?」

「頭の中でさっきからずっといろんな声が聞こえてるにゃ。」佐々木直人に説明してみる。

「なるほど、いわゆる転生物のあるあるだよね。僕にも出来るかな?鑑定!!」

 しーん

「鑑定は僕にはないわけだ。なら僕のスキルはなんだろ?マロン鑑定してみてくれない?」

 ―鑑定シマスー

 名前:ナオト 種族:人間 年齢:16歳 性別:男 ジョブ:「剣士」

 レベル1 

 所持スキル:「幸運」レベルMAX「斬攻撃」レベル1 「物理強化」レベル1 「集中」レベル1

 所持スペシャルスキル:「剣帝」レベル1 


 これをどう伝えたらいいのか・・・


 ―ステータス共有シマスー

「うわ、見えた。これがステータスか。マロンのも見えるの?」

「あたしのは・・・」


 ―ステータス共有シマスー

「お~、なんか僕のよりすごい気がする・・・このスペシャルスキル賢者がいろんなことしてくれてるみたいだね。うんうん。僕が剣士でマロンが魔法使い。バランスはいい。でも、幸運MAXって・・・神様が僕の不運をなんとかしてくれたってことか・・・」

 独り言を言いながら勝手に理解を進めているみたいでにゃんだか面白くにゃい。ガブッと脚を噛む

「あ~、ごめんね、説明しようね。」

 若い人間のオスこと佐々木直人の説明はこうだ。

 あたしたちは生きていた世界で死に、あの神によって違う世界に転生させられた。ここは地名から見ても元の世界とはまったく関係のない別世界。神いわく剣と魔法の世界。これは人間の世界では物語としてよく使われる設定で、ただ実際にこういうことが起こるとは知らなかった。

 これからは剣士と魔法使いとして生きていくのだと。


 で、これからどうするべきなのか


 ―魔物ノ接近ヲ感知シマシター

「にゃ?」

 ―ゴブリン3体-


 種族:ゴブリン 性別:男 ジョブ:なし

 レベル3

 所持スキル:「棍棒攻撃」レベル3 


 森の中からこちらを見つめる目が6つ。にゃんだか前よりすごくよく見える気がするにゃ。

 若い人間のオスこと佐々木直人にも伝える。

「えっと、そろそろその若い人間のオスこと佐々木直人はやめてもらっていいかな。僕たちこの世界で協力していかなきゃいけないわけだし。僕のことはナオトでいいよ。ステータスもそうなってるし」

「ニャオト、ね。んじゃあたしのこともちゃんとした名前で呼んでほしいにゃ」

「マロン」

「それが違うのにゃ。にゃんでか名前そうなってるんだけど・・・本当は、・・・」

 ん????頭の中で本当の名前を浮かべようとしたら、マロンしかでてこにゃい。にゃんだこれ~?

「来た」

 こっちを観察していたゴブリンたちが武器の棍棒をもって走ってくる。3匹とも粗末な布を体に巻き付けただけ、肌は緑???尖った耳、額に小さな角が見える。背の高さはニャオトよりだいぶ小さい。

「こっちも・・・って武器とか持ってないんだけど・・・」


 ―空間収納ヨリ、ナオトノ装備ヲ取リ出シマスー

 あたしの頭の横に急に黒い穴が空中に浮いて出てきて、そこから剣が飛び出す。白銀に輝くその剣はそのままニャオトの手の中に納まる。躊躇なくニャオトが走り出す。


 ―迎撃シマス。火魔法ー

 目の前にあたしの頭と同じぐらいの大きさの火の玉が浮かぶ。

 ―ドウゾー

 どうぞって・・・え~と、「行けにゃ~!!!」

 火の玉が一気に加速して先頭を走っていたゴブリンの顔に直撃する。後ろにぶっ飛んで動かなくなる。

 その攻撃に他のゴブリンが一瞬怯む。そこにニャオトが到着する。

 初めて持つであろう剣だが、動きは滑らかに見える。大きく振りかぶった剣を切り下ろす。1匹が倒れる。仲間が倒れる隙を狙ったもう1匹だが、切り下ろした剣をニャオトがそのまま切り上げる。その動きを予想していなかったゴブリンに直撃し、また倒れる。

 ハー、ハー。ニャオトの息が荒い。

 焼け焦げたのが1匹、血まみれで倒れているのが2匹。


 ―ドロップアイテムヲ確認シマシター

 ドロップアイテム??

「ドロップアイテムはたぶん魔物を倒すと出るんだね。何が出たの?」


 ―鑑定シマスー

 アイテム:ゴブリンの角 高価で取引されている。

 アイテム:ゴブリンの棍棒 ゴブリンが落とすアイテム。武器。

 鑑定結果をニャオトと共有する。

「アイテムをドロップするのね。なるほど。あのステータスで一撃。なるほどなるほど・・・斬攻撃か剣帝のスキルが影響して動きがスムーズなんだな。それにこの剣、軽いし切れ味抜群だ・・・」

 ニャオトのブツブツ独り言が始まった。これは長そうなので角を転がして遊んでしまう。にゃ~、楽しいにゃ。でも飽きるのも早いの、猫だから。角転がしに飽きると、空間に穴が開いて角と棍棒が吸い込まれる。死体に触らなくていいのは楽。

 ―収納シマシター

 アイテム:ゴブリンの角×2 ゴブリンの棍棒×3

 便利かもにゃ。で、この死体はどうしたらいいのかにゃ?


 ―魔物ノ死体ハアンデット化ヲ防グタメニ焼却スルノガ良イデショウー

 どういうことにゃ?

「死んだままほっておくとアンデットという死なない魔物になることがあるってことだね。」

 それは面倒くさい。せっかく倒した魔物が生き返るなんて。なら燃やしてしまおう。

 火の玉が3つ現れて魔物を燃やし尽くす。死んだ魔物の方が簡単に燃えていくにゃ。


「魔物を倒すとアイテムが手に入る。売ればお金になるということだから、魔物を倒せれば生活は出来るということだね。見る限りマロンの魔法も強いはずだし、あとはレベルが上がるとどうなるか。さっきので上がったかな?鑑定してみてマロン」


 ―鑑定シマスー

 名前:ナオト 種族:人間 年齢:16歳 性別:男 ジョブ:「剣士」

 レベル2

 所持スキル:「幸運」レベルMAX「斬攻撃」レベル2 「物理強化」レベル1 「集中」レベル2

 所持スペシャルスキル:「剣帝」レベル1 


 名前:マロン 種族:猫? 年齢:3歳 性別:女 ジョブ:「獣」「魔法使い」

 レベル2

 所持スキル:「MP自動回復」レベル1「火魔法」レベル2「水魔法」レベル1「土魔法」レベル1「風魔法」レベル1「回復魔法」レベル1「獣攻撃」レベル1「空間収納」レベル5

 所持スペシャルスキル:「賢者」レベル1 


「やっぱり上がるね、なるほどなるほど」ブツブツ

 ニャオトは独り言が多いみたいにゃ。それにしてもさっきの魔法はすごかったにゃ。もう一度出るかにゃ。今度は「水!」

 目の前に水の玉が浮かぶ。さっきの火の玉と同じぐらいの大きさ。それをニャオト目掛けて打つ。「行けにゃ!!」

 ゴブッ・・・

 独り言に集中していたニャオトが吹っ飛ぶ・・・

「ご、ごめんにゃ~~!!!??」

「だ、だ、大丈夫だけど、痛っ、痛いよ・・・か、回復を・・・」

「回復!!」

「ほわ~、気持ちいい~くせになりそう。じゃなくて、マロン、あれはダメ!」

「ごめんにゃさい。火!!」

 さっきよりも火の玉が大きくなっている。お、形を変えられそう。レベル2だからか。玉から棒へ、先端が細く細く、尖っていく。「行けにゃ!」さすがにニャオトじゃなくて木を狙ってみる。ザクッ、ズブブッ、ドガーン!!!・・・刺さって爆発した。

「これでレベル2??その他にも隠れ数値、いや賢者??たぶん、うん、なるほどなるほど」ブツブツ

 あたしってば強い猫なのかにゃ。ステータスの「猫?」が気になるとこだけど、ま、魔法使える猫なんてどこにもいなかったし、「?」ぐらいつくか。

「これからのことを考えようか。まずはもっと情報が必要だと思うんだよね。住むところも必要だし。近くに町とかないかな?」

 それはどうやったらわかるのかにゃ

 ―地図ヲ表示シマスー

 賢者便利~

「これだと、西に向かえば王都、あ、森を抜けた先に町があるな」

 ―グラッド王国オステンドルフ、東ノ森ノ西ニ位置スル町。人口約1000人ノ小サナ町。主要産業ハ農業ト林業。現在地ヨリ10㎞―


「当面の目標はここだね。森を抜けながらレベルアップもしないと。あと、装備ってこれだけかな?防具とかない?」

 ―空間収納ヨリ、装備品ヲ出シマスー

 便利な収納から出てきたのは、ニャオトの装備品の鎧、ブーツ、手袋?あたし用のは、首輪と小さなマント。

 ―鑑定シマスー

 剣:ミスリルソード 付与効果:斬効果UP20% 即死効果 魔力吸収

 鎧:ミスリルメイル 付与効果:HPUP50% 物理防御UP20% 状態異常耐性

 ブーツ:アキレスブーツ 付与効果:素早さUP50% 疲労回復

 グローブ:ロキグローブ 付与効果:物攻UP20% 物防UP20%

 首輪:マロンの首輪 付与効果:MPUP100% 魔攻UP100%

 マント:マロンのマント 付与効果:HPUP100% 物防UP100% 魔防UP100% 状態異常耐性


「設定が豪華すぎるなあ、まさにチート。まあ弱いよりいいけど」ブツブツ

 ニャオトが装備しようとすると、勝手に鎧やブーツが装着されていく。あたしの首輪とマントも。そして体にピッタリフィットする。これも便利にゃー。名前付き、マロンだけど。

 ずっと野良だったあたしには首輪をつけることにゃんてなかったけど、特に違和感もにゃい。赤い革の首輪。あたしの毛と同系色のマントのヒラヒラが目に入る。あたしたち猫はこういうヒラヒラ見ると、体がうずきだして、噛みつきます!待て待て~~、ガブッ、待て待て~グルグル~ヒャッハー!!待て~い!!ガブッカミカミ、待て~

 ・・・

 ふ~、落ち着いたにゃ。これやらないと気が済まないにゃ。


「・・・そろそろいいかな?」

「いいにゃ」

「じゃあ、装備とかスキルとか確認しながら進みたいから、魔物の気配とかわかるなら最初は数少ないところと当たりたいね。わかりそう?」

 ―探知シマスー

 頭の中に魔物の位置が浮かぶ。近づかないと詳しくはわからにゃいみたいだけど、数はわかる。

「いけるにゃ」

「良し、いってみよう。」


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