プロローグ
少し読みにくいかもしれません。改行と空白がないんで。
―グサッ…鈍い音とともに、俺の脇腹に衝撃が走り全身を駆け巡った。
だが、そんな中でも俺の脳内では、様々な空想が創り始めらていた。
例えば、相手の手を掴みそのまま投げるとか,一発カウンターを顔面にぶち込むとか、あとは走馬灯のように過去を廻ったりとか。
こういうものはまだしも、他にもいきなり能力に目覚め簡単に相手を吹き飛ばすとか、実は不死身でしたとか、色々なジャンルの空想がコンマ数秒で何十個も作り上げてしまう。
それが俺の病的ともいえる『想像能力』だった。空想の中には実用的で未来予知に似たようなものもあるがファンタジーみたいで実用的ではない、全くいらないものもある。
こんな風に言うのだから、ファンタジーとか嫌いなんだ、と思う人もいるだろうが…それは違う否定しておこう。
俺はファンタジーなどを嫌ってるわけではない、逆に好きだ。だけど、自分の考えた物語は嫌いだ。なぜかというと、一つの世界を徹底して創れないからだ。俺の考えたストーリーは全て半端もの、だから色々詰めて飽きないようにする。だが詰めすぎて、だんだん薄っぺらくなって物語が矛盾していく。それがこの想像力の嫌いなところの一つだった。
もう一つの嫌いなところは、未来予知に似た空想のせい。俺はリアルでデジャウをずっと感じる日だってあった。正直言って少し怖かった。
だが、逆に楽しくもあった。自分がこうしたら、こうなる。このように未来予知みたいな想像力が面白かった。だから、色々な空想を覗くのはなかなか良かった。
そのような想いに浸っていたら、意識はいきなり現実に引き戻された。想像を絶するほどの痛みだったからだ。視界がかすみグラグラ揺れ、当然ラノベ的な展開もなく、俺は反撃もなにもできなく、そのまま倒れた。意識がもうろうとする中、妹の声が微かに聞こえた。……結局、頭の中で強くても現実はそうじゃないんだなと、痛感した。
……ていうか、そもそもどうしてこのような事態に陥ったのだろう。
――月日はさかのぼり、2か月ほど前に戻る。