表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

撮り、残し

作者: 山吹

少年はいつもカメラを持っていた


道に咲いた花を撮り

垣根を渡る猫を撮る

空に浮かぶ雲を撮り

西へと沈む陽を撮った

クラスメイトの笑顔を撮る

楽しそうな集合写真を撮る


ファインダーを覗きこみ

その向こう側に広がっている

ほんの一瞬の世界を

切り取り 残す


少年は言う

「記憶は忘れ 消え去るけれど

記録は残せる」


時が経ち

花が残り 猫が残り

雲が残り 陽が残る

クラスメイトの笑顔が残る



気づけば少年はどこにもいなくなっていた

少年だけが残らなかった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ