『From ユウジン・ニノマエ』
『拝啓 両替援助のお願い』
『このたびは、貴方に重要なお願いがあり、ご連絡差し上げた次第でございます』
『私はかのグニエスタ公国における王家の隠し子です』
『実は、我が公国では上層部の堕落により政治が腐敗し、また私のような公に出来ない存在も多くいる状態』
『そこで私はこの国を出て、貴方の住むトール王国への移住を考えております』
『私は莫大な額の公国の通貨を有しています』
『しかし私の持つ資金は、政治上の裏金を横領したものや、上層部の不正を突き脅し取った口止め料等ばかり』
『このまま、何の権力も持たない私が両替商の元に持ち込みトール王国で流通する銀貨に変えようとしたならば、忽ち怪しまれてしまうでしょう』
『そこで、トール王国の有力な貴族である貴方に、私の持つ資金の両替を代理して頂きたいのです』
『信頼のある貴方であれば、私とは異なり多額の他国通貨の両替を行っても不審がられることはないと存じます』
『つきましては、私がそちらに安全に通過を輸送するための資金を援助して頂きたく』
『信用のおける間者への支払い、税関への賄賂、種々の手続き代等を含めました詳しいお話をさせて頂くため、指定の日時にこちらの場所へお越しいただきたいのですが、如何でしょうか?』
『もしご予定があるようでしたら、使いの者を同日時に寄越して頂ければ、改めて場を設けたいと考えております』
『資金の援助を頂けるのであれば、両替が済んだ後に多額の報酬をお約束致します』
『回答は早ければ早いほど助かります。以上の提案につき、是非ともご検討をお願い致します』
『ノジニエン・マユウより』




