【I】 思いを言葉にして
普段は、
国際的に有名なアイドルグループShorsのセンターとして活動するひすい。
そして事務所に所属せず、ユニットとのかなりんとして活動するりんか。
2人の運命は交差する。
「笑顔でお別れしよう。____」
この言葉の意味は!?
出会い
【side りんか】
「りんかちゃーん」
私はその声を聞いて、その声のする方を向いた。
「ごめん!生徒会の仕事が長引いて遅くなってしまって!」
「全然。生徒会なら仕方ないよ!それにひすいちゃんのせいじゃないよ!気にしないで!」
そういうとひすいちゃんは安心したようにほっと息をついたのがわかった。
「ありがとう。それじゃあ行きましょう!」
「うん!」
そうこの後はひすいちゃんと一緒に…一緒に、?
「ねぇ?これってどこ行くの?」
「内緒よ!」
「えーー。」
その後私たちは電車にしばらく乗り、とある建物の前でひすいちゃんが足を止めた。
「ここよ。」
「ここは?」
「えっとここは…」
その時私はとあるものを見つけた。それは…そう
「キャーーー!!さよちゃんのポスター!」
そう、私が見つけたものこそ…私が大好きなアイドルグループShorsのメンバーのさよちゃんのコスメの宣伝ポスターだった。
「あー、それね。りんかちゃんさよのファンなんだっけ?」
私はその言葉に思いっきり頷いた。
「それじゃあ、写真も撮ったようだし、そろそろ中に行きましょう。」
「ちぇー。」
「ちぇーじゃないでしょ?」
と言われてもさっきはあまり気に止めなかったけれど、目の前に建っているのは20階建て以上あるような、都会にあるような高層ビル。これからそこに入ると考えると少し顔が引きつってしまった。
ひすいちゃんに案内されるがままついて行くと、とある部屋に案内された。そこはまるで、ドラマなどでよく見るような社長室のような部屋だった。そんな呑気なことを考えていると、女性が1人入ってきた。
「あら?もう着いていたのね。遅れると連絡が入っていたから、まだ着いていないと思っていたのだけれど…逆に待たせてしまったかしら?」
「いいえ、今着いた所です。私の生徒会活動が長引いたため遅れると判断した為連絡しました。」
「そうだったのね。そういえばもう少しで中高合同音楽祭だものね。」
女の人はにっこりしながらこっちを見た後話を続けた。
(それにしてもこの女の人誰?どこかで見たことがおる気がしなくもなくもないんだよね〜…?)
「ところで、2人を呼んだ理由…」
「その前に、自己紹介なされ方が良いかと。お母様?」
「!?お、お、お母様?ひ、ひすいちゃんの!?」
「ふふ。その方が良さそうね。もう知っているものだと思ったの。ごめんなさいね。」
「い、いえ。」
「改めて、翡翠さんの母親の藍玉乙葉よ。一応Shorsのマネージャー兼ここの事務所の社長をやっているわよ。」
「あ、浅水りんかです!よろしくお願いします?」
「ふふ。元気があっていいね。それじゃあ本題に移りましょうか?あまり時間もないし、簡単に話すわね。」
そう言われて時計に目を移すと、もう6時半になっていた。
「単刀直入に言うと、来年の冬にぐへうへ競技大会があるじゃない?その開閉会式に2人でライブをしてくれないか?とオファーがあったの。それで2人に聞こうと思って、呼んだの。」
「え?!」
真意を問う
【side 翡翠】
「りんかさん眠ってしまったみたいね。」
「えぇ、そうね。…ところで、本当の目的はなんなの?」
「!…なんのことなのか分からないわ。」
この話には裏があるとしか思えない。
ー数分前ー
「どうするかしら?」
「やる!!」
「わ、私もやりたいです!!」
「決まりのようね。それじゃあ詳しい事は車で話すわ。とりあえず今1本電話をしなくてはならないの。ごめんなさいね。」
そう言い残し、母は部屋を後にした。
「凄くない!!ぐへうへ競技大会に出られるだなんて夢みたい!それに開閉会式ってその国を象徴するアーティスト達が選ばれるんでしょ!?」
(…こんな話来ることがあるのかしら…?考えられるとしたら…。)
「ひすいちゃん?」
「!え、えぇ!やるからには全力でやりましょう。」
(さすがにこれは私の考えすぎよね…?)
「ひとまず先に車に行きましょ。もう下に待たせてあるそうよ。」
そうして私達も部屋を後にした。
車に乗った後しばらくして、電話を終えた母も車に来た。
「お待たせしてしまってごめんなさいね。それじゃあ早速…。しばらくの間2人には練習してもらわなきゃならないじゃない?」
これについては異論はないため、頷いた。そうするとりんかちゃんも私を真似るように頷いた。
「異論はないようね!でも2人とも忙しいじゃない?だからりんかさんにはしばらく家で過ごしてもらうことになったわ。」
「「えぇーーー!?」」
「あ、安心して頂戴もちろん親御さんには許可をとってあるわ。この後りんかさんの荷物も家に届けてもらうことになってるわ。」
許可をもらっているとしてもそれは平気なのか…?
そして今に至る。
私は、母をじっと見つめた。そうすると母が何か言ったが、私にはほとんど聞き取れなかった。
「…家に着いたらきっとわかるわよ。」
聞き取れたのはこの言葉だけだった。
驚愕
【side りんか】
「…ん……ゃん……きて。」
(うぅん、凄く起こされている気がする。)
私は、その重い瞼を開くとひすいちゃんの視線とぶつかった。
「やっと起きたわね!さ、早く行くわよ!」
そういわれるがまま車を降りるとそこに広がっていたのは、まるで美術館のような西洋風の外見をした建物だった。
(今日何回驚いてるんだろう…あはは…。)
「さ、止まってないで早く行くわよ。」
「広すぎて家が逆に小さく見えるぅ。」
「何訳のわからないことを言ってるの?」
そう言って私達は家の門をくぐった。
(わー、空いた口が塞がらない。)
「「おかえりなさいませ。」」
家にお邪魔すると、驚く数のメイドさんがいた。
「ねぇ、そこのあなた。お母様はどこにいらっしゃるかわかるかしら。」
「はい。本館一階第二談話室にいらっしゃいます。」
「ありがとがとう。」
(わぁー凄い家の中まで凄い。あの絵なんだろう。)
「りーんかーちゃーん。置いてくわよ?」
「!?ごめんなさい!置いてかないでー!」
コンコンコン
「翡翠です。りんかちゃんが起きました。」
『入っていいわよ。』
「お話し中失礼します。」
「!!な、なんでお母さんがここに!?」
そう、ここには居るはずのないお母さんの姿があったのだ。
「なんでも何も貴方の荷物を届けに来たんじゃない!!」
「あ、そういえば。ありがとう。」
そういいながら母から鞄を受け取った。
「もう!分かればいいのよ!…って貴方が乙葉ちゃんの…?」
「え?」
「もうずーっと会ってみたかったの!でも乙葉ちゃん忙しいし、あんまり会えなくてね。でもやっと乙葉ちゃんにも会えて、娘ちゃんにも会えちゃうだなんて!本当は息子くんにも会いたかったんだけど…。今お勉強中らしくてね。流石に勉強の邪魔はできないから…。」
(ん?乙葉ちゃん???)
「え、あ、あの。乙葉ちゃんって?」
「あら?知らなかったの?私と乙葉ちゃんね、小中学校が一緒だったの。それに家も近かったから。仲も良かったのよ。」
ひすいちゃんも驚いているのがわかった。
その後母が帰宅した後、私とひすいちゃんは部屋を後にした。
「ほんとにびっくりだよね!まさかお母さん達知り合いだっただなんてね!」
「本当にそうね。世界って意外と狭いのね。」
そうしてひすいちゃんは、ドアの前で足を止めた。
「ここよ。この部屋はここにいる間好きに使っていいそうよ。」
そう言われて部屋に入ると。客室とは思えないくらい凄く豪華な部屋だった。
「わぁー!本当にここ使っていいの!?」
「えぇ。」
「わーい!」
まるでお姫様にでもなった気分になっていた自分がいた。
「私の部屋はこの丁度真上にあるわ、何かあったら来て頂戴。ひとまず荷物を整え終わったら、食堂に向かいながら幾つか部屋の場所を教えるわね。」
「はーい!」
兄と妹
【side りんか】
ひすいちゃんには、レッスン室、図書室、お風呂など、の部屋の場所を教えてもらった。
「ひとまず最後にここは…。」
バン!
ひすいちゃんがドアを開けたと思ったら、思いっきりドアを閉めた。
「ひ、ひすいちゃんどうかした?」
「ううん。なんにも。ないよぉ!」
ガチャ
「あ、」
その時ドアが開き、ひすいちゃんがドアに寄りかかっていたためバランスを崩した。
「おっと、あっぶね。」
「あ、あんがと。」
ひすいちゃんはそう言ったあと、その人と微妙な距離をとった。そして沈黙が続いた。
(なにこれ気まづ。)
「ひ、ひすいちゃん。この人は?」
「あ、その事については僕から話した方が早いかな?それでいい?」
私はその言葉に頷いた。
「僕の名前は、藍玉海向だよ。そこにいる藍玉翡翠の兄で。今は訳あって海外に、行ってて、丁度今日帰ってきたところ。まぁ、こんな感じかな?」
「あ、えっと。浅水りんかです。よろしくお願いします!」
(そういえばさっきお母さんが息子くんがどうとか言ってたな…)
「それではお兄様私達ご飯なので。失礼します。」
なにより驚いたのが、ひすいちゃんがお兄さんに対してあまりいい感情を抱いて無さそうだったことだ。お兄さんを見るひすいちゃんの目はまるで嫌いな人を見ような目だった。
「あ、ちょっと待って。______。」
「わかったわ。」
昔してもらったように
【side りんか】
「雨だねぇ。」
「………そうね……。」
(ひすいちゃんなんとなくさっきから元気ないんだよね。話しかけても上の空っていうか。)
私は食事を終えてお風呂に入ることになり、ひすいちゃんと別れた。
【side 翡翠】
「来たか。」
私は兄が普段の兄が嫌いだ。
「お前も馬鹿じゃあるまい。なんで呼んだかは、わかってるんだろ?」
本当にこういう時の兄が大っ嫌いだ。
「えぇ、これについて話すんでしょ」
そういいながら、兄に一つの封筒を見せた。
「あぁ。_________。」
【side りんか】
お風呂から上がり、ひすいちゃんに連絡したところ既読が付かない。
(そんなことよりも、完全に迷ったぁーー!この後どうしよう…。)
「もういい!」
(なんてグッドタイミング!丁度ひすいちゃんに会えてラッキー!)
「ひすいちゃ…」
ピュー
(そ、そんなぁ)
ひすいちゃんは走ってどこかに行ってしまった。
「翡翠!」
「わぁ!」
「浅水さんごめん!後で謝るから!」
同じ部屋から海向さんも出てきた。
「あ、あの!何があったんですか?」
「実は少し、翡翠と喧嘩ちゃって今から謝りに行くところ。」
(……。)
「その、お願いがあるんです。その役目私にさせてもらえませんか?」
「え?流石に悪いし。」
「私に何ができるかたしかに分かり分かりません。でも昔ひすいちゃんにしてもらったように。わたしもひすいちゃんに返したい。それじゃあ理由になりませんか?」
私は海向さんをただ真っ直ぐ見つめた。
(確かこっちのはず…!…いた!)
私はひすいちゃんに近づいた。
「ひすいちゃ…」
(違うな。きっとこうじゃない。あの時翡翠は、)
答えを出すのは今じゃなくていい
【side 翡翠】
『どっちもだなんて出来るはずない。』
どうしてだろう。ずっと分かってたはずなのに凄く、辛い。
『逃げるな。もう選ぶしかないんだ。』
(私はずっと、逃げてたのかな?)
「うぅ…。ど…うしたら…いいの?選ばなきゃ…ダメなの……?」
「選ばなくていいよ。」
私は顔を上げた。そこにはりんかちゃんがいた。りんかちゃんは私の隣に座って私の手を握った。
「雨…濡れちゃう…わよ?」
「そんなのいいんだよ。今はひすいちゃんのが大切。それじゃあダメ?」
「…っ。」
「理由はわからないけど……今すごく苦しいんだよね。」
「私…どうしたらいいの?アイドルもスノボもやりたい。でもスノボをするってなったらアイドルが続けられなくなるかもしれない。でも……スノボも諦めなくない…。私…もうどすればいいのか……分かんなくなっちゃった………。」
「私はどっちも大事って思えるの、凄いことだと思な!それに選べないってどっちにも真剣に向き合ってる証じゃない?」
(どうしてりんかちゃんはこんなに私の欲しかった言葉をこんなにくれるんだろう。)
「それに!答えを決めるのは今日じゃなくていいんじゃない?」
「……うん…。」
私は、
「りんかちゃん。私決めたよ。」
涙を拭いながらそう言った。
〜次回予告〜
「私決めたよ。」
この言葉の続きは一体_。
「それでいいのね?それが貴方の決めた答えなのね。ここからはマネージャーとしてじゃなくて貴方の母親として話してもいいかしら?」
「言葉でなく。行動で示せ。」
「私…もう迷わない。」
「…本気なんだね。その目もう答えを決めた人の目をしてる。」
ドォーン




