表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

〈4話〉それはさすがに…



ーーギュー……


教室にお腹の音が響いた。


「お腹空いたーー!」


恥ずかしさを消すように、私は声を張る。


「そねこっていつも飴持ち歩いてるの?」

「うん、小腹がすいた時用。いる?」

「(うんうん)」


相変わらず嬉しそうに食べるなゆた。


「これ、固っ……あっ!」


飴が勢いよく飛び出す。


「そねこって、袋開けるの苦手なの?」

「え、開けるの苦手とかあるのかな?」

「うーん」


地面に落ちた飴を拾うと、中からガムが出てきた。


「もったいない…」


私は洗い場に向かう。

その後ろを、ゆたはそろそろ付いてくる。


「まって、そねこ。食べるの?」

「うん、洗えば大丈夫でしょ!なゆたを見習おうと思って」


ドヤ顔をしてみせると、なゆたは、シーサーの様に口を開き、目を丸くして、私を見ていた。


(なにか間違ったこと言ったかな?)


「やめた方が……いいと思うよ」

「え、なんで?」

「だってガムだよ?砂ついてるよ?洗ってもベタベタには勝てないよ……!?」


ありえない!と顔が必死に訴えている。

一瞬間が空く。


「そねこってもしかして……バ」


恥ずかしさが込み上げ、席に飛び込んだ。


(ガムは食べないのか……)


新しい飴を取り出し、袋を開ける。力が入る。


ーーポンッ!ペチャッ


「開けてあげようか?」

「(…うん)」


無言で一度だけ頷く。

とびきり甘い飴だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ