その罪、流出させて裁きます
いじめが辛くて死にたいと思った翌日のことだった。
いじめの主犯が退学になった。
退学の原因は俺を集団で暴行し、財布から金を抜き取る動画がネットに流出したからだ。
そして、いじめの主犯は本名はもちろん、学校の名前も、家族の勤め先すらもネットに流出して、大炎上している。
これだけならなんて事はない。よくあるネットの炎上事件の一つだ。
いじめっ子たちが調子に乗っていじめ動画をアップしてしまって炎上した、なんてよくある話なんだから。
でも、俺は真相がそんなよくある話ではないことを知っている。
何故かと言えば、俺がいじめの動画を異空間で手に入れて、ネットに流出させたのだから。
「この炎上っぷりが呪いの反動か。本当に隠してた証拠が全部流出してる」
人の悪意といじめが呪いを生み、強い呪いは人を殺す。
呪い殺される寸前だった俺、天原誠司は、その呪いに打ち勝った時、呪いはいじめっ子へと還っていき、呪った本人を呪う。
彼らの抱える罪の証拠をネットの海に流出させ、大衆の裁きを受けるという形で。
裏垢流出炎上チャンネル、これは弱い俺たちが強大な悪意と悪事を燃やして、罪を裁くために作った復讐のチャンネルだ