7.砂漠
「はぁー」
こんな悪夢も2度目になると驚くこともない。こうなると分かっていたのにもかかわらず対処出来ない自分自身に嘆息嗟嘆する。目の前の美しい平沙万里を鑑賞する暇もないほどに煌々とした砂で 足の裏が痛い。
早く日陰を探さないと。
どれ程歩いただろうか?いつになったら日が暮れるんだ?喉がひりつく。死んだらもどれるかな?あーもう無r
知らない天井だ。
「ここどこ」
死ねなかったんだ。
「あっ起きた!大丈夫?何で砂漠の真ん中寝てたの?どこから来たの?名前は?」
「寝てたんじゃなくて気絶してたの。それと、記憶が曖昧だからどこから来たのかは…名前は蛍だよ。」
「そっか。ホタルお水いる?」
「いいの?」
「もちろん。はい」
褐色の肌の少年は丁寧にピッチャーからコップに移した水を差し出してくれた。
「ありがとうございます。」
「今日はね水龍様に献上品が見つかったからお祭りをするの。蛍はお祭りの服に着替えて。」
「えっ私も参加していいの?」
「はいこれ」
少年は笑顔でワンピースのような服を渡して来た。
「じゃあ僕は準備してくるから。着替えたらここで待っててね。」
少年は返事も聴かずにゲルのようなテントからでていった。
テントの外が賑やかだ。すごいお祭りなのだろうか?あっ着替えないと。
皆こんな衣装を着るのだろうか?こんな砂漠で露出が多い格好は危険そうだが。仕方ない。
「着替えた?」
蛍が着替えた瞬間少年がテントに入ってきた。
「えっあうん着替えたよ。」
「じゃあこれ飲んで。」
少年が手渡して来たのは明らかに口に入れてはならない色をした謎の液体だった。
「これ何?」
「いいから飲んで。早く」
「ごめんね。今お腹痛くて後ででも良いかな?」
絶対何か入ってる。逃げたほうが…逃げ場なんてないか。テントの外は砂漠だ追いつかれる。どうしよ。
「体にいいものがいっぱい入ってるからきっとお腹も治るよ。」
逃げれないか。
「わかったよ」
マズなにこれ?やばい意識が遠退いてく。
「毒?」
「違うよ。」
蛍ちゃんに幸あれ!