4.急逝
「えっ」
蛍はカフェで治療すると思っていたので、いきなりなれない馴染みのない乗り物に乗せられ驚いてしまった。ルイは紳士の笑みで霧花の向かいに座っている。
「あーそうだ、さっきマゼンタについて話しましたがマゼンタ以外に気になる国はありませんか?」
「この国の隣国が知りたいです。」(この国=マゼンタ帝国)
私の記憶が正しければ色の名前だったはず。
「マゼンタの隣国はバイオレット共和国とシアン教国の2国だけです。」
「どんな国なんですか?」
「バイオレット共和国は名前の通り統治する者がいない国です。まあこれはあくまで建て前で商人が行政のようなことをしています。シアン教国も名前の通り宗教国家でガイア教の教徒で最も位の高い教皇が行政を行っています。」
「そうなんですね。」
「もうすぐで着きますよ。」
「この先はお城しか見当たりませんよ。」
霧花は窓の外を眺めながら言った。
「ええ。お城が目的地ですから。」
「えっ……あのー念の為訊いておきたいのですが…」
今までのルイの言動は全体的に優雅だったけどまさかね!
「なんですか?」
「王族だったりしませんよね。」
「今更気づきましたか。一応王子ですよ。」
「何で言ってくれなかったんですか?」
「半分だけですし。ホタルの反応も面白かったからですよ。」
半分?
「不快ではなかったようで何よりです。」
馬車はすでに城門をくぐって、タイミングよく到着した。
「降りましょうか。」
「はい」
馬車に乗るときは気づかなかったが当たり前のようにエスコートをする姿は物凄く気品が溢れてる。
すごい。
降車しようと手をとった瞬間ルイは倒れた。
驚いている暇などなく蛍の体に刃物が突き刺さった。