3.マンガ
もう10時!そろそろ寝る準備しないと。
いつもどうりに薬を飲んで横になる。照明を消し目を閉じても眠れずいつもどうりスマホ手に取る。結局1時頃になってやっと寝落ちした。
ベットの寝心地が悪く、目を覚ますと、蛍がねていたのは雑木林だった。
「えっ…どういうこと?」
あたりを見回すと遠くに城のような建物が見える。
「遊園地?」
足元を見ると、後ろにも前にも自分の影がある。
「えっ」
空を見渡すと、蒼天に大きすぎる月(?)を挟むようにして2つの太陽(?)がならんでいる。
「異世界?」
たしかに異世界に行きたいと思ったことはあるけど普通大型トラックに引かれて、神様的な存在に会ってチートをもらって転移するか、勇者とか聖女的な存在として召喚されるんじゃ…
考えてもしょうがないか。とりあえず人がいそうな場所まで行こっと。
城の近づくと、町が見えた。
言葉通じるかな?裸足だし不審者だとか思われたらどうしよ。
あれこれ考えながら歩いているうちにかなり栄えている町が見えた。遠くから見ると城の周りに街があるように見えたが城は町よりも奥にあったことに気づく。
不思議なことに街の人は知らない言語を話しいてるはずなのに理解できてしまう。
言語はテンプレどうりだ…
町の中は情報量が多すぎて考え込んでいると、すれ違った人に足をふまえれて顔面からころんでしまった。
あーこの痛みは絶対に現実だ。
鼻血をだしながら起き上がると、マントを被ったは青年が声をかけてきた。
「大丈夫ですか。躓かせてしまってすみませんでした。よければ怪我の手当てをさせてくれませんか?」
「お願いします。」
「少し場所を移しましょう。」
「はい。」
青年に連れられおしゃれなカフェのような場所に着くと丁寧にお茶まで奢ってくれた。
「少し待っていてください。」
そういと青年は席を立ち、店員と話し始めた。
青年は店員と話し終わったのか席に戻ってきた。
「今手当の準備をしてもらってますのでもう少し待ってください。」
「はい」
蛍が話さずにこの奇妙な世界について考えていると、青年は無言で気まずかったのかキョロキョロしてから話始めた。
「あの名前は」
「蛍です。」
「ホタル…」
青年は反芻するように名前を口ずさんだ。
「変わった名前ですね。」
「あなたは?」
「俺いや、僕は…ルイです。」
「それよりホタルは、そんな変わった格好にしかも裸足でなにかあったんですか?」
「…えーっと、よく覚えていないんです。」
「記憶喪失ですか?」
「たぶん…」
「名前以外に思い出せることはないんですか?」
「はい。蛍という名前もついさっき不意に思い出して」
そういうことにしておこう。
「そうだったんですね。ホタルは髪や手が綺麗ですし平民ではなさそうですね。」
「そう見えますか?」
「はい。それにこの国では茶色や灰色の髪と目が一般的で黒髪黒目はこの国では少ないので他国の貴族や商家の子の可能性が高いと思いますよ。」
たしかに言われてみればすれ違う人はみんな明るめな茶色や灰色だった。でもマントのフードから覗かせるルイの髪は綺麗なブロンド、目も紫だ。
「ルイさんの髪の色もこの国では珍しいんですか?すれ違った人達に金髪はいなかったと思うんのですが。」
「この国というよりこの世界自体で少ないんですよ。」
ルイは少し驚いた様子で答えた。
「そうなんですね。」
蛍はルイからこの世界の常識を教えてもらってるうちにこの世界は名前すら思い出せない三流漫画の世界であることに気がついた。
国名が同じだし間違いと思うけど内容がうる覚えだ。
カフェの前に馬車が停まった。ルイは馬車が来たことに気づくと席を立った。
「では行きましょうか。」
「どこにですか?」
「治療しにですよ。」