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腐ったお姉ちゃん、【ヤンデレBLゲームの世界】で本気を出すことにした!  作者: 月白ヤトヒコ


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離宮と馬車馬……いろんな意味で生ける屍軍団、ゲットだぜ!

 誤字直しました。ありがとうございました。


「ふふっ……人類の未来に貢献できる施設、ですよ」


 クスリと笑えば、オッサン共がビクッと硬直。ヤだわ、そんなビビらなくてもいいのに。


「どちらでも、お好きな方を選んでくれて構いませんよ? ちなみにですが、わたしの指揮下に入って働いた場合。お給料はポイント制で支払われます。ノルマをこなせば、ポイントに応じた賞品が選べる手筈になっています」


 お金じゃないよ、ポイントだよ。ここ超重要。


「賞品? 例えば、どんな?」

「そうですね。とりあえずは食料品、衣料品、嗜好品などでしょうか。一応、ポイントの現金への交換も検討中です」

「ふ~ん……なんか、刑務作業で給料出て買い物できる感じ?」

「ええ。そのような印象で間違ってはいませんね。但し……」

「但し、なんだ?」

「この制度の目玉は、自ら稼いだポイントで……あなた方のご家族や大切な方へと仕送りができる仕様となっていることです。アストレイヤ様に交渉し、許可を頂きましたからね」

「か、家族へ仕送りとは本当ですかっ!? それも、王妃殿下の許可をっ!?」


 お、元領主のオッサンが食い付いたわね!


「ええ。ご自分で稼いだポイントをどう使おうと、全て自由です。食料品や衣料品、嗜好品をご自分で使用するも善し。ご家族や大事な方へ仕送りするも善し」


 ふふっ、これぞ家族や大事な人への仕送りという名のご褒美(エサ)。さあ、どうする? この提案に乗るか、蹴るか! ま、蹴られたら蹴られたで、療養施設という名の人体実験施設行き決定なんだけどねー?


「郷に残した人や、これから苦労するであろう大事な人に、ご自分の名義で差し入れをしてあげたいとは思いませんか? 仮令(たとえ)届け先が外国だろうと、仕送りの品は必ず届けさせると約束しましょう。そして、もしご自分の名義で荷物の受け取りを拒否された場合は、匿名で送ることも可能です」


 ほら? 身内とは言え、犯罪を犯した人からは受け取りたくないって人だっていると思うし? 勿論、国内よりも外国へ品物を届ける方が高いポイントを支払うことになるけどね?


「これから先、満足に食事ができるかも判らない方へあなたの稼ぎで食料を送ることができますよ? 新しい衣服を送ることができますよ? 子供達へ、筆記用具やオモチャを。偶にはお菓子を食べさせてあげたいとは思いませんか? 日持ちのする焼き菓子なら、遠くにも届けられますよ? 慣れない暮らしに疲れているであろう奥様やお母様へ、お茶を飲ませてあげたいとは思いませんか? 紅茶やコーヒーは嗜好品です。平民になり、困窮すれば気軽に口にすることはできなくなるでしょう。もし大切な方が体調を崩したら、滋養のある食べ物や医薬品を送ることだってできますよ? 迷惑を掛けてしまった相手に、お詫びをしたいとは思いませんか? 生活の足しになるような品物を送ってあげたいとは思いませんか?」


 ゴクリ、と複数の喉が鳴る音が響いた。


「手紙を、出したいとは思いませんか?」


 無論、筆記用具はポイントと交換して自前で揃えてからの話。まあ、そうやって手紙出したところで、その相手に読まれるかまでは知らんけど。出すなら、届けさせはする。


「賞品の中には、指定の方へあなたへの手紙を出すよう交渉する、というのもありますよ?」


 手紙を出してくれるかを交渉するだけで、相手側が拒否したらそれまでなんだけどねー? 無論、拒否られても交渉分のポイントは返却するワケがない。


「全ては、あなた方の選択と努力次第となりますが。さあ、どうしますか?」

「わた、しを……ネロ第三王子殿下の、指揮下へ……入れてください!」


 と、元領主が震える声で席を立ち、その場で膝をついて願い出た。


 よっしゃ、元領主が落ちた!


 続いて、執事も同様に膝をつく。それに他のオッサン共が倣い、今回は療養施設行きを希望する人はいなかった。


「ネロ王子殿下の深いご慈悲に、感謝致します」


 そう言って涙を流すオッサン共に……



 (『すっげー) (飴と鞭だわ。) (つか、これが慈悲?)  (実は、結構) (えげつないぞ?』)


 ぼそりと蒼が呟いた。


 まあねー? 飴と鞭というよりは、家族や大事な人への物品や現金を送ることができる、温情という名の人参(エサ)をぶら下げられた馬車馬って感じだけどねー?


 家族や大事にしている人がいるなら、その人達に罪悪感があるなら、償える方法があるなら……迷惑を掛けたと、うしろめたく思っていて償いたい人は、必死に働くでしょ。ちなみに、彼らには刑期というものが存在しない、超ブラック勤務が待っている。だって、犯したのが極刑相当の国家転覆罪。そりゃ、死ぬまでず~っと働いてもらうことが決定している。


 ぶっちゃけ、彼らはあたしのこの提案に縋らなきゃ、家族や大事な人達との縁が絶たれる。か細い(よすが)でも、贈り物や手紙を送り続けることで、大切な人と繋がっていられる。相手から受け取りを拒絶されるまでは。そして、自分が努力し続けられる限りは、なんだけどね?


 故に……そう、彼らはおそらく仕送りマッスィーンと化して必死に働くのよ!


 犯罪って、統計取って対処した方が防止や抑止にも効果があるし。犯罪者の心理、思考、行動パターンは似たような罪を犯した犯罪者に訊くに限るでしょ。このプランは前世で言うところの、脱税や横領、詐欺などの知能犯の対処を専門としたポジションを目指していると言ったところね。


 成功するといいんだけど……どうかしら? ま、失敗してもそれなりの犯罪のデータは取れるし。最悪、全員治験送りになってもこちらに損は無いし?


 ある種、winwinとも言えるんじゃない?


 アストレイヤ様が、お試しで貴人を幽閉する離宮を使っていいって許可出してくれたし。


 離宮と馬車馬……いろんな意味で生ける屍(ゾンビ)軍団、ゲットだぜ!


✰⋆。:゜・*☽:゜・⋆。✰⋆。:゜・*☽:゜・⋆。✰


 読んでくださり、ありがとうございました。


 蒼「現金は渡さずにほぼ現物支給で、ポイント交換で入手した物品も全部記録が残る……か。しかも、家族とかに仕送りした分も全部把握できる。これ、下手な刑務所より暴動や脱獄起こす機会潰せるな」( ̄~ ̄;)


 「しかも、ゾンビ扱いとか……いいのか?」(´・ω・`)?


 茜「ま、国を敵に回して、それが発覚した時点で社会的に死んだも同然よねー。ほぼほぼ死刑囚みたいなものだし。一族郎党親類縁者を巻き込むの勘弁してやって、ある程度自力で家族の支援できるんだから、結構優遇したつもりよ?」o(`・ω´・+o) ✧ドヤッ


 蒼「そして、馬車馬の如く働かせて死ぬまで搾取する、か……コレ、慈悲なのか? 骨までしゃぶり尽くす気満々だぞ?」( ̄~ ̄;)

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