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腐ったお姉ちゃん、【ヤンデレBLゲームの世界】で本気を出すことにした!  作者: 月白ヤトヒコ


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ええっ!? 本当にお仕事の一環だったんですかっ!!

 誤字直しました。ありがとうございました。


『あくまでも、希望的観測ではあるけどね?』

『希望的観測……でも、なんも無いよりゃマシだ!』

『ま、あたしとしても、別にBLの間に挟まりたいワケじゃないし。このまま、ブラコンやらシスコン枠で収まってくれればいいわ』

『誰がBLかっ!?』

『気が向いたら、いつでもLOVEってOKよ?』

『誰がすかっ!!』

『ま、一割の冗談はさておき』

『九割本気なのかよ!』

『だってお姉ちゃん、腐女子ですもの♡』

『ドヤ顔すな! このアホ姉貴がっ!!』


 ふふんと胸を張るあたしに蒼のツッコミが入ると、


「あの、シエロ様? ネロ様と喧嘩ですか?」


 心配そうにストーカー予備軍ショタが声を掛けた。


「あ、ああいや。違う。その、あれだ……」

「ふふっ、初めての旅行ですからね。少々はしゃぎ過ぎてしまって。シエロ兄上に叱られてしまいました」


 クスリと笑って誤魔化す。


「そうでしたか」

「はい。グレンさんは、旅行に行ったことがありますか?」

「いえ、俺も旅行は初めてです」

「そうなんですか? とても落ち着いているように見えましたから」

「護衛は、いつでも落ち着いた行動を心掛けないといけませんので。ああ、馬車の用意が整ったようです。行きましょうか」


 と、三人プラスお互いの侍女一人ずつで馬車へ乗り込む。


 なにげに乗車人数多いな? とは思ったけど、こっちに乗れなくて悔しそうな顔をしている人が何人もいるから、最小限の人数がこれなのかもしれない。


 ちなみに、お忍び視察なので当然馬車は地味な見た目をしている。ま、地味なのは見た目だけで、性能はいい馬車らしいけど。


 この見た目地味な馬車を数台連ね、キャラバンを組んで仕入れをしながら件の領地まで向かう……という設定だ。無論、あたし達以外が乗るのは、商人を装った護衛や使用人達だ。


 馬車での遠出がお初となるお子様達が乗るので、王都を出て以降はのんびり進む予定らしい。


 車を牽く馬次第では、結構なスピードを出せると聞いたけど・・・


「あ゛~~、なんつーか、結構揺れんな?」

「そうですね~」


 いい感じに、『ワレワレハ、ウチュウジンダ~』ごっこができそうな振動だ。わかる人がきっと、蒼しかいなくて駄々スベリしそうだからやらないけど。


「石畳が終わったからでしょうね」


 グレンが言う。


 石畳が敷かれて綺麗に舗装された道が終わると、やっぱり馬車が揺れるらしい。ま、前世の日本みたいにどこでもアスファルトで舗装されてるワケじゃないから当然か。


 今までちょくちょく王都近郊のライカ農場(仮)に出てたけど、やっぱり王都だけあってそれなりに道は綺麗だったようだ。


「……やっぱり、これから販路拡大させて行くに当たり、道路の舗装は大事だよね~? 道が綺麗なだけで振動が減るし、その分商品に付く傷だって減る。安全性だって上がって事故も減る。輸送に掛かる時間だって短縮できる。アストレイヤ様に進言してみようかなぁ」

「確かになー。っつっても、金掛かんぞ?」

「知ってる」

「王都を出て、早速お仕事の話ですか……」


 なにやら困ったような顔のストーカー予備軍ショタ。


「ええ。なにせ、視察旅行ですからね」


 ふっ、単なる遊びじゃないのだよ! 因って・・・


「全力で楽しむ所存だぜっ☆」

「え? あ、あの、お仕事では?」

「はい。仕事込みで、全力で楽しむつもりですよ?」

『ま、ねーちゃんだからなぁ……』

「シエロ様?」

「ああ、気にすんな。ネロはこういう奴だって言ったんだよ。な、ネロ?」

「ええ。なんでも楽しまないと損ですからね☆」


 というワケで、件の領地に着くまでの道中、宿泊する為に寄った町ではかなり楽しみましたよ。


 時間の許す限りの探索、そして買い食い、お土産や特産品を見るのも忘れない。予算は、クソアマの私物を売りに出した分のポケットマネーだから潤沢だ。


 気に入った物、気になった品をガンガン購入して、離宮じゃなくてワンクッション置いて、王都の別住所を経由して側妃宮(おうち)やアストレイヤ様、ライカへと送っている。これで、少しは一人お留守番なライカの機嫌が良くなるといいんだけどねー?


「楽しみ過ぎじゃね?」


 と、蒼の呆れたような視線にもめげない。


「勿論♪それに、美味しいものや綺麗なものとかを作ってる人の買収とか狙ってる。いい品を出してるのに、明らかに待遇が悪かったり、待遇に不満を持ってるような人が狙い目」

「ええっ!? 本当にお仕事の一環だったんですかっ!!」


 一緒に買い食いを楽しんでいたグレンが驚きの声を上げる。


「……ヘッドハントする気満々で遊んでたのかよ」


 若干引き気味の蒼。


「当然です。伊達で遊び歩いているワケではないのですよ。めぼしい技術者がいれば引き抜く予定です。そして、わたし達が町をぶら付いている間に、孤児院や救貧院の様子を見に行ってもらっています」

「あ、なんか思ったよかマジな仕事してたのか」

「まあ、組織の内情を探るのなら、弱者への対応を調べた方が早いですからね。ぶっちゃけ、孤児院や救貧院当ての予算が横領される確率はかなり高いですし。予算が適正に使用されていなければ、アストレイヤ様へ報告案件です」

「なにげにガチの視察だったっ!!」


 読んでくださり、ありがとうございました。

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