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腐ったお姉ちゃん、【ヤンデレBLゲームの世界】で本気を出すことにした!  作者: 月白ヤトヒコ


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わたしの半分を、もう少しだけ残していて頂けると嬉しいです。


「お誉めに(あずか)り光栄です」


 ま、あたしってば元女だし? そりゃあ、女の子なネリーちゃんでいてもあまり不自然ではなかった筈よ。


「一応、ネロとネレイシアの二人を保護という形でわたしの養子にしてはみたが……いずれ、ネレイシアが存在しないことに勘付く者が出るぞ? そのときにはどうする? なにより、王女への縁談が持ち上がってもおかしくない」


 王侯貴族の女児に、政略結婚は付き物……ではあるのよね~? 国王に冷遇され捲りってことで、現状では敬遠されているだけだろうし。


 アストレイヤ様の養子になったことで今後、冷遇が改善されたと見る人もいるか……もしくは、国王、側妃の両方に見捨てられ、アストレイヤ様に拾われた双子だと見られる、こともあるわね。


 きっと、恩を売るという目的で近付いて来る輩はいるわよね~?


「困りますねぇ。わたしとしては、もう少しネレイシアでいたいとも思いますし」

「もう、ネレイシアでいる必要は無いと思うのだが。理由を聞いても?」


 不思議そうな表情のアストレイヤ様。


 そう……ネロたんとしては、もうネリーちゃんでいる必要は無い。でも、あたしの中身は腐女子な乙女! ぶっちゃけ、蒼のシエロたんみたいに男の子っぽく話すより、ネリーちゃんの女の子言葉で話す方が楽だし! とは、さすがに言えないけど。


「そうですね・・・物心付く前から、わたしはネロであり、ネレイシアでしたから。わたしの半分を、もう少しだけ残していて頂けると嬉しいです」


 見上げてお願いすると、アストレイヤ様は複雑そうな表情で口を開いた。


「・・・一応聞いておく。ネロとネレイシアの人格は同一か?」


 あら? これってあれかしら? 解離性同一性障害……所謂(いわゆる)二重人格を疑われているっぽいわね。


 一応、茜だった頃(前世)の記憶を思い出して、ちょ~っとばかり色々はっちゃけただけで、あたし(・・・)にはネロたんとしての記憶も、わたし(・・・)がネロであるという自覚も、ちゃんとある。


「はい。ネロもネレイシアも、ちゃんとわたしですよ。今のところ、人格が分裂しているような自覚はありません」


 ある意味では、『BLゲームの攻略対象』としてのネロたんである自分を、かなり客観視しているとは思うけど。


「とは言え、わたし自身が別の人格を知覚できない場合は、この自己申告も当てになるかはわかりませんが」

「それもそうだな。双子でいられるのは、ネレイシアの存在を誤魔化せなくなるまで。もしくは、少女の格好でいることへの違和感が顕れるまで。それが期限だ」


 ま、そうよねー? まだ幼児だから女の子の格好に違和感が無いと思うけど、ネロたんの性別は男の子。いずれ成長すれば、女装は厳しくなる筈。


 ゲームの中でのネロたんは――――シエロたんに異母弟(ネロ)としては嫌われていても、ネレイシアという妹としては、可愛がってくれたから。だから、ネリーちゃんで居続けることに固執して……成長を遅らせる為にかなり無茶な食事制限や、怪しい薬とか飲んでたし。


 ネロたんがメンヘラで精神的に不安定だったのって、人間関係や置かれた環境だけじゃなくて、身体的な問題も関与していると思うのよねー? ほら、身体が弱ると、精神も引き摺られて弱くなるのは有名な話だし。


 あたしとしては、そんな健康に悪いことをするつもりは更々無い。ということは、普通に? 男の子の身体として育って行くということでもある。ま、ネロたんの声優さんは普通に女性役もできちゃうハイトーンボイスの演技派人気声優さん♡だったから、このまま声変わりはしない……または、声変わりしてもボーイソプラノを維持できちゃうかもだけどねー?


 それでも、いつかは・・・ネリーちゃんでいることを卒業しなきゃ行けないのよねー? ま、今のところは先送りするけど。


「それまでになんらかの兆候が見られた場合、自覚した場合は隠さずに知らせると約束しろ。これでも、わたしはお前の義母になったのだからな」

「わかりました。お義母様、と呼んだ方が宜しいでしょうか?」

「フッ……プライベートでは、お前の好きに呼ぶがいい」

「では、アストレイヤ様と」

「ああ。本来なら、大人がどうにかすべきことだった。今まで、よくがんばったな。ネロ、ネレイシア」


 と、ふわりと優しく頭が撫でられた。


 おおう、久々に頭撫でられたわねー。


「ところで、ネロ」

「はい、なんでしょうか?」

「ライカにはどう説明する?」

「ああ、ネレイシアがわたしであるということに付いて、ですか……」


 う~む……気付くまで放っておいた方がなんか面白そう! ではあるんだけどねー?


「気付くまで知らせないのも面白そうではあるがな?」


 ニヤリとイタズラっぽく笑うアストレイヤ。


「ふふっ、アストレイヤ様もお人が悪いですね? でも、わたしも少し思ってしまいましたが」


 アストレイヤ様ってば、なにげにお茶目さん♪


 読んでくださり、ありがとうございました。


 茜「ピンチのとき。人間が走馬燈を見るというのは、何故なのか?」(´・ω・`)?


 「一説によると、これまでの人生を振り返ることで、訪れた危機を乗り越えるためのヒントを探しているから、だと言われているのよねー」(・∀・)


 「で、よ? ここであたしは考えたの。もし、人生経験が少なくて、訪れた危機を乗り切るだけの知識が無かったら? そのまま諦める? いいえ……この人生の知識で危機を乗り切れないなら、前世の知識を引っ張ればいいじゃない! というワケで、ネロたんは前世の記憶(茜であるあたし)を思い出したと思うのよねー」(。・ω´・。)


 「この説って、どうかしら?」(*´艸`*)

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