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乳兄弟VS異母兄の、お兄ちゃん(長兄)の座を賭けた戦いっ!! の図って感じ?


 隣国公爵との交渉に当たり、舐められないようにと……ライカはお兄ちゃんとして張り切り出した。


 隣国の作法を学び直し、所作や交渉の場で役立ちそうな言い回しなどの情報をイキイキと教えてくれましたよ。


「ネロはやっぱり、一回で覚えちゃうんだね……」


 と、なぜか残念そうな顔で言われた。


「でも、シエロは教え甲斐があるな♪」

「ぅえ、まだやるのかよ……」


 にこにことスパルタ気味なライカに、被っていた猫が剥げ掛けている蒼。


「もちろん♪それで、グレンはどこ行こうとしてたのかな? みんなの中で君が一番覚えが悪いんだから、もっとしっかり勉強すべきじゃない?」


 そろ~っと逃げ出そうとしていたグレンに、にっこりと釘を刺すライカ。


「っ!? そ、その、俺は単なるシエロ様のオマケですので皆さんの邪魔をするワケにはいかないと……」

「ふふっ、なにを言ってるのかな君は? 知っての通り、仕えている者の言動やひととなりで主に悪い評判が立ったりもするんだよ? それとも、君は礼儀作法の必要な場にシエロが行くときには毎回お留守番でもするつもり? 護衛対象の近くにいない護衛って、価値あるのかな? ネロの護衛や使用人達は、嬉々として覚えているのに?」

「そ、それはっ……」


 う~ん……なかなかの正論で追い詰めるわね!


 若干グレンへのキツめの八つ当たりに見えなくもないけど。なにげに、自分だけお留守番が多かったことを根に持ってるのかしら?


 あと、ネロリン信者はいろんな意味で他の人達と引き合いに出しちゃ駄目な気がするわよ?


 でも、そう言えば……ゲーム本編のライカはモラハラ気質で、シエロたんが自分の気に食わない言動をちょっとでもすると、正論振り翳してネチネチ責め立てて洗脳して来る系のヤンデレだったわねぇ。


 お姉ちゃん、今ちょっとその片鱗を見ちゃった気分だわ。ヤだ、あたしってば、なんかライカの押しちゃいけないスイッチ押しちゃったかしら?


「ライカ兄上。その辺にしといてください。グレンもまだ子供だし。正式な護衛ってワケでもないんですから。他の騎士達と同じようにできなくて当たり前ですよ」


 見兼ねたのか、蒼が間に割って入る。


「ん~……わかった。シエロがそう言うなら。グレンは、抜けてもいいよ? 但し、会談中のシエロの護衛は、母上が用意した護衛が付くことになるけど。シエロもそれでいい?」

「はい」

「っ!? シエロ様っ、俺を護衛から外すんですかっ!?」


 おー、おー、なんかめっちゃショック受けた顔で呆然と蒼を見詰めるストーカー予備軍ショタことグレン。


 そう言えば……こっちもこっちでゲーム本編では礼儀作法全般が苦手という設定で。グレンルートでは式典なんかのときにシエロたんに付いてることができなくて、他の攻略対象にシエロたんを攫われて命懸けで助けるってイベントがあったのよねー。


「あ? だってお前、礼儀作法全般苦手だろ? 今は子供だからって、城内で目こぼしされてる状態だが。隣国の公爵相手に、それは通らない。最低限の作法が覚えられないなら、会談には連れて行けねぇよ」

「そん、なっ……」


 まあ、これも当然っちゃあ当然の言い分。


「ただでさえ、見た目が子供なんだ。舐められると困るし。俺だって、実際に交渉するネロの足を引っ張りたくはない。だからこうして、わざわざライカ兄上に礼儀作法を教えてもらってんだ」


 あら、蒼ってばお姉ちゃんの為にがんばってくれてるのね! 健気で可愛いっ♡


「やりたくないなら、別に無理してやる必要はねぇよ」

「うん、そうだね。無理矢理付き合わせて悪かったよ。ここからは、兄弟水入らずでシエロとネロに教えるから。君は休憩していていいよ? グレン」


 にっこりと、満面の笑みでグレンを追い出しに掛かるライカ。


「くっ!? 申し訳ありませんでしたライカ殿下! 俺も、シエロ様とネロ様の足を引っ張りたくないので頑張りますっ!!」


 (「チッ……」)


 うん? 今、舌打ちが聴こえたような?


 一緒の空間で、割り合い穏やかに過ごせてるから今までそんなに気にしてなかったけど。実はこの二人、あんまり仲良くないのかしら?


 乳兄弟VS異母兄の、お兄ちゃん(長兄)の座を賭けた戦いっ!! の図って感じ?


 まあ、お姉ちゃん(精神的長姉)からすると……ヤだ、ライカもグレンも蒼とあたしのこと好き過ぎじゃな~い? って、かなりワクテカで面白いんだけどねっ☆


 という感じで、サファイラ(フィーラ)ちゃんパパとの密会に向けての準備を進めて行った。


✰⋆。:゜・*☽:゜・⋆。✰⋆。:゜・*☽:゜・⋆。✰


 読んでくださり、ありがとうございました。


 シエロ(蒼)「やりたくないなら、別に無理してやる必要はねぇよ」(ヾノ・∀・`)


 ライカ「うん、そうだね。無理矢理付き合わせて悪かったよ。ここからは、兄弟水入らずでシエロとネロに教えるから。君は休憩していていいよ? グレン」( ◜◡◝ )


 グレン「くっ!? 申し訳ありませんでしたライカ殿下! 俺も、シエロ様とネロ様の足を引っ張りたくないので頑張りますっ!!」(; ・`д・´)ぐぬぬ……


 ライカ「チッ……」( ゜д゜)チッ……

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