作戦コードは『ブルーコランダム・サルベージ』で決定!
視点変更。
誤字直しました。ありがとうございました。
ふむふむ……にゃるにゃると頷きながら、報告書を読む。
サファイラ……フィーラちゃんの状況は、ある程度わかったわ。
容姿は、蜂蜜色の金髪に青い瞳の清楚系美少女!
十三歳……美少女ロリ全開真っ盛り♪の頃からクラウディオの婚約者として王子妃教育を受け、十五歳の今、そろそろ終了して王太子妃教育へ移行する予定だった、と。タイミング的には、キリよく中等部から高等部へ進学するときにって感じかしら?
なにやら隣国では昔、年若い年齢で高位貴族令嬢に王妃教育を施したそうな。けれど、その女性は王室側の継承権問題で国王には嫁げなくなった。女性に情報漏洩を防ぐ為として毒杯を……という事態があったそうで、それを避ける為に若い令嬢には、取り返しが付くようにと、王子妃教育までを施すことにしているみたいね。
それはある意味、当然の配慮よねー。うら若い貴族令嬢の命を国家機密の名目でぽんぽん奪われちゃ、王家に叛意を持つ家が出て来るのは確実だし?
で、現在フィーラちゃんの王子妃教育は凍結中、と。再開は未定。
まあ、クラウディオが王太子に返り咲きしない限り、婚約者の方に王太子妃教育だなんて無理よねー。とりあえず、フィーラちゃんに先に王太子妃教育を受けさせて、『次の王太子』の婚約者に据えるって判断をしなかっただけ善しってとこね。
王太子妃教育を受けてたら、国から出るのは非常に厳しくなっていただろうし。
ただ、フィーラちゃんがクラウディオをどう思っていたか、については不明な感じよねー?
とは言え、やっぱりというか案の定というか……フィーラちゃんが、王城勤務の若い男性に嫌われていた、もしくは嫌がらせを受けていた可能性は高い、と。
けど、フィーラちゃんに判り易く嫌がらせをしていた輩は、フィーラちゃんに容赦無く不備を指摘されて城からは飛ばされていた模様。
ほうほう、フィーラちゃんはやっぱり黙ってやられているような子じゃないということね! まあ、ゲーム本編だとクラウディオの奥さんで王妃だし? 金髪にサファイヤみたいな青い瞳の……シエロたん甚振って満面の笑みで高笑う、嗜虐趣味全開の毒花系ゴージャス美女だったもの。
そんな人が、仮令ローティーンの頃だったとして、されるがままなワケないわよねー。
でもそっかぁ……クラウディオの婚約者として愛人(城内勤務の若い男達)からのいびりに耐え忍び続け、クラウディオの爛れた実情を知っちゃった結果。清楚系美少女が、嗜虐趣味全開の毒花系ゴージャス美女サファイラ王妃サマへ進化しちゃうのねー。きっと、どろどろした艱難辛苦の日々から病み闇属性が開花されちゃうんだわ。
今のフィーラちゃんが、どれくらいの嗜好を開花させちゃってるかは不明だけど……向こうの国内にいたって、きっと居心地はよくない筈。下手すると、クラウディオの毒牙に掛かってしまっているんじゃ……という余計な邪推だってされるかもだし。なにせ、奴は両刀だもの!
フィーラちゃんのパパ公爵も、フィーラちゃんを第二、第三王子の婚約者に捻じ込もうという動きはしていないようだし……フィーラちゃんを領地へ戻していることから、ある程度は娘のことを大事に思っていそうな感じのパパ、と見てもいいのかしら?
まあ、貴族としての体面を重んじる人だとしても、娘をそんな風に扱った王室に対しても不満を持つだろうし――――接触してみる価値は、充分あるわね。
というワケで、サファイラちゃん救出作戦開始と行きますか♪作戦コードは『ブルーコランダム・サルベージ』で決定!
それにしても、サファイヤ……か。ブルーサファイヤの石言葉は誠実、慈愛など。知性を象徴する石でもあるわね。そして、サファイヤに誓いや操を立てると、誓った者が誠実さ、貞節さを失うと同時にサファイヤ自身もくすみ、その美しい青色が失われる。とされているわね。まあ、伝説ではあるけど。
でも……不実さや不貞でサファイヤが美しさを失うってのは、どこか象徴的よねー。ある意味、クラウディオのせいで将来サファイラちゃんは嗜虐趣味全開の女王様……じゃなかった、王妃様になっちゃうんだから。
そして、サファイヤちゃんを巻き込んだクソ野郎こと、現在のクラウディオは――――
どうやら、地方の療養地に飛ばされたっぽいわね。ま、あれだけの騒ぎを起こしてやったをしちゃあね~? さすがに……ププっ!?!?
身の周りに、女性使用人は置いてない模様。なんでも、侍女のお仕着せ……と、特に、見習いの女の子を見ると身体の一部を押さえて(おそらくは股間ね!)ガクガク震え出しちゃうんだってっ!?
ばっちり心身にトラウマが刻まれてるみたいね! ナイスあたし♪
んで、警備はネロリン信者が様子を探れるくらいにはザル、と。それとも、ネロリン信者の調査力が凄いのかしら? まあ、向こうでクラウディオの情報を流してくれちゃう忠誠心の低い人が増えたとか? もしくはクラウディオの敵に回る人が増えたのかもしれないわねー。
窮地のときにこそ顕れるのが、日頃の行いの成果ってことね。つまり、クラウディオを王太子として盛り返そうだとか復権させようと必死になってくれる人が少ないのかも。シュアンをあっさり切り捨ててるし? 存外人望無いとか?
つか、フィーラちゃんの調査をお願いして五日くらいしか経ってないのに結構詳細な報告が上がって来たものだわ。さっすが、ネロリン信者と言ったところかしら?
一体、どうやって調べたのか気になるところね!
後で聞いてみよっと♪
そして、そして、遂にお待ちかねっ!!
麗しのアーリーたんが側妃宮にやって来るっ!!
なんか、アーリーたんの美貌が凄過ぎちゃって、ぽーっとなる人が多くて、普通の教育係にはアーリーたんに礼儀作法を教えるのが大変……というか無理だったんだって!
まあ? ネロたんが保護するとは言え? 宮廷作法を知らない人を、直ぐに側に置くことはできないってさ。
アーリーたんは商人の跡取りとして、貴族に対する礼儀作法は多少身に付けていたみたいだけど、王城で働ける程ではなかったみたい。ローティーンの平民の子なら仕方ないわよね。礼儀作法や教養は、上流階級の人間と関わる上では身を守る盾になるものね。
そういうワケで、アーリーたんの教育は……教師役が不埒なことをしないよう、教育係に対する監視体制を整えた上で、ぽーっとならない大ベテランの人が受け持っていたそうです。
うん、それなら仕方ないわね。
とは言え、アーリーたんは下地ができていた上、物覚えもいいし機転も利く感じで、割と早めに使用人の宮廷作法を学んだみたい。
それで、お待ちかねでアーリーたんをWelcomeできるワケですよっ!!
ああんもうっ、涎は出てないかしら? 鼻血も鼻水も出てない? ネロたんに鼻血は似合わないものねっ!!
何度も何度も確認して――――
あ、どの格好で会おうかしら? と、思い至ったわっ!?
え~っと? ここは、初対面のときのレイシーちゃんでアーリーたんの緊張を解すべき? それとも、初対面を装ってネロたんorネリーちゃんで?
悩むわね・・・
♩*。♫.°♪*。♬꙳♩*。♫
読んでくださり、ありがとうございました。
茜「ぷふっっ!? 股間押さえてガクブルするクラウディオ……そ、想像するだけ、でっ……アハハハハハハっ!?」ꉂꉂ(ノ∀≦。)σ爆笑ʬʬ