最後ノ決戦 3話 ついに、突入する(後編)
(隊長が、私の為に……)
咄嗟とはいえ、私の身代わりに隊長がなった。
どうして、身の危険を……
「キキキ、良い死に際になるねぇ」
テイトがそう呟く。
その言葉に、私は反応した。
「……死に際って何よ。人の為に犠牲になった事を、嘲笑うな!」
私は彼の方を向き、手をかざした。
その手から水が勢いよく、飛び出る。
その水を、テイトは身体を曲げてかわした。
「大丈夫?」
詩乃が、なんとか立ち上がり駆けつける。
「隊長を、よろしく頼みますか」
詩乃は頷く。
私は、立ち上がる。
「……あんたを、許さない」
「塩小路さん、助太刀しますよ。ただ、ひとつだけ気を付けてください。彼の『コピー』の変化は、身体か術に手が触れると発動します」
白賀谷がそう言うと、私は頷いた。
「貴様ら!いい加減、俺様の野望を壊すな!」
テイトが再び、こちらに向かって走り出す。
私はなんとか、かわして攻撃を防ぐ。
そして、すぐに体勢を整える。
「『スクリュー・ウォーター』!」
手から、勢いよく水が出る。
テイトは避けるが、その時に手に水が触れた。
「能力、コピー」
そう、テイトが呟く。
(……これ、マズイのかも!?)
私は身構える。
テイトは、手をこちらに向ける。
その手から、水が飛び出る。
私は横へ避けたが、一種の違和感に気が付く。
能力はコピーされるが、単調な術しか出していない。
(こうなったら、一つ試してみよう……!)
テイトが、再び術を出す。
私は片手で、『ウォーター・ウォール』を出して防ぐ。
もう片方で、『ウォール』から勢いよく水を放つ。
その攻撃を想定していなかった為か、テイトは避けられず攻撃が当たった。
「白賀谷さん、今です……っ!」
白賀谷は頷き、テイトに一瞬で近付く。
そして、彼に蹴りを入れた。
「……グッ……!?」
倒れかかった所で、白賀谷は彼の手に手錠をかける。
「テイトこと、三島武瑠。確保!」
▪▪▪
「大丈夫ですか?」
他の皆が、『玉座』に集まってきた。
警官も入ってくる。
「救急車を呼んで頂戴。汐莉が彼にやられたの」
詩乃が言うと一人の警官が頷き、携帯電話で救急車を呼ぶ。
「……どうして、白賀谷さんが?」
テイトを他の警官に明け渡している白賀谷を見て、ネオンが私に聞く。
「白賀谷さん、FBIの捜査官だって」
「そうか。なら、事情を知っていて納得だな」
ネオンが返すと、私は頷く。
「……塩小路さん」
白賀谷が、こちらに話しかけた。
「なんでしょう?」
「お手柄でしたよ」
そう白賀谷が言う。
「でも、白賀谷さんが来なかったら……」
私がそう言い返すと、白賀谷は手を横に振る。
「僕っちは、自分の仕事をしただけっすよ」
こうして、《反組織部隊》施設への強行突破は終わったのだ。




