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巻き込まれたんだけど、お呼びでない?  作者: ももがぶ
第五章 変わりゆく世界、変わらない世界
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第16話 依頼したい

 領主の次男であるアランとギルマスの二人で邸内の一室でこれからのことを話し合う。

「すると、アラン様は領主達の様子がおかしいことには気付いてはいたが、何がどう変わったのかまでは分からなかったと……そういうことですか?」

「はい。恥ずかしながら……私は父からあまり感心を持たれていなかったのと私自身、父と兄を敬遠していたので」

 ギルマスはあまり、詳細なことは聞けないかなと思っていたが、アランは思うことがあったらしく「そういえば」と話し出す。


「実は兄の様子が去年辺りからおかしいなと思ったので、ちょっと気にして見ていたんです」

「おかしいとは?」

「そうですね、屋敷に教会の関係者らしき人を連れて来だして……それから、ガラの悪い連中を引き入れてって感じでした」

「教会ですか……」

「はい。そうです。今、思えばあの時から父達が変わっていったのだと思います」

「そうなのですね」


 これ以上の話は無理かと思っていたところにゴルドが扉を開けて入ってくる。

「ギルマス、いいかな」

「ゴルド、何かあったか?」

「ああ、あったなんてもんじゃない。息子さんの前だがいいのか?」

 ギルマスとゴルドがアランの顔を見るとアランは頷く。

「お願いします。もう、無関係ではいられませんので」

「そういうことなら……」


 ゴルドはそう断りを入れるとギルマスとアランに対し、地下で見た内容を説明する。


「そうですか。やはり、犠牲者の方がいらっしゃったんですね」

 アランはそう言うとしばらく無言になり俯いていたが、やがて顔を上げるとゴルドに対し、可能な限り身許を照会して欲しいとお願いする。


「それはもちろんやりますが、理由をお聞きしても?」

「はい。それは出来る限り、ご家族に対し補償したいと思いますので」

「そういうことですね。分かりました」

「それでな、ゴルド。実は「ギルマス、そこは私から話します」……そうですか。では、お願いします」

 ギルマスが話そうとしていたのをアランが引き継ぎ話し出す。

「では、ゴルド。あなたにお願いがあります」

「はい、なんでしょうか」

「父があの様な形ではありますが、急逝しました。本来ならば、嫡男である兄が領主の座を引き継ぐのですが、父と一緒に亡くなったのでソレも敵いません。なので、私が王都に直接出向き、陛下より当主と領主を拝命することになります」

「はあ……」

「その王都までの護衛をゴルドさんのパーティに依頼したいと思います」

「お、私の所属するパーティですか」

「はい。お願いできますか?」

「ですが、パーティ全員となるとかなり大所帯ですが」

「そこは、お前の方で選抜してくれ。外せないのはお前とソルト、それに生き証人のノアとガネーシャだな」

「ソルトは分かるが、ノアとガネーシャは大丈夫だろうか」

「それはどういう意味だ?」

「どう言うって、龍と魔族だぞ。身元がバレた時の対処はどうする?」

「でも、今回の騒ぎの当事者だしな」

「だが、王都には教会関係者もいるだろ。それを見て二人が暴れることも考えられるぞ」

「ふむ。そうなると、その二人は留守組だな」

「そうなるな。まあ、メンバーについてはソルトと話し合うから、時期が決まったら教えて欲しい」

「分かりました。ですが長い間、領主が不在と言う訳にもいかないので一週間以内での出発と考えておいて下さい」

「承知しました」


 ゴルドはアランに挨拶してから部屋を出ると、ソルトの屋敷へと向かう。

「ちょっと、気が進まないな~」


 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


「エンディにいた奴の気配が消えた……」

「え? 確かそこにいたのは領主だったハズでは」

「ああ、そう聞いていたな」

「そんな領主だった者の気配が消えるなんて……そういえば、あそこは魔の森のスタンピードの犠牲になるところでしたが、準備していた司祭に……」

「そういう話もあったな。まあ、その領主は討伐されたんだろうな。もうちょっと、上手くやれると思っていたがな。いなくなったのはしょうがない。次の手を打つしかないだろ」


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