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D&Dのドルアーガに関する覚え書き

 初出はAdvanced Dungeons & Dragons 1st Editionのマニュアル。

 Deities & Demigods(1980)

 クトゥルフ神話入り版と無し版とがある。

 増補改定版がLegends & Lore(1985)。


 なおこのマニュアルにある記述に起因すると思われる議論が元で、2nd Edition時代にデヴィルやデーモンが消えて、Spelljammerが登場する。

 Spelljammer辺りから、目玉のあいつやクトゥルフ頭のあいつとかの設定がてんこ盛りになり始める。

 この状況はPlanescape登場まで続く。


 Druagaは、バビロニア神話枠で登場。

 デヴィル世界の支配者という設定。

 腕が8本、脚が4本。顔はイケメン。

 大きな宝石のはまったロッド風のメイスで戦う。

 魂を別の所(人間など)に隠しておいて、復活可能。

 しかし、実際のバビロニア神話には存在が確認出来ない。ここ重要。

 つまり伝承由来ではなく、D&D由来の著作物と考えてほぼ間違いない。


 日本のビデオゲーム「ドルアーガの塔」は1984。

 英語タイトルは「The Tower of Druaga」。

 こちらのドルアーガも腕が8本、脚が4本。

 製作者側がAD&Dを参考にしたという旨の発言をしているっぽい。

 ライセンス契約とか結んだのか結んでないのかは不明。


 これは、この作品に限ったことでは無い。

 恐らく鈴木土下座ェ門(1988)まで、こういう「おおらか」な時代だったんだと思います。


 後のMMO版のドルアーガの塔のアニメが、英語圏のTRPG者に、そこそこ人気があるらしい。


 バビロニア神話に存在が確認できないDruagaの原典は何かが、英語圏でも話題になる事がある。

 原典として、以下の3項目が話題に上がっているのを確認。いずれも仮説。断定はしてない点に注意。


★ドゥルガー/Durga

 ヒンドゥー教の女神。善神。

 腕がたくさんという所と名前が似てる。しかし善神です。


★ドゥルジ/Druj

 ゾロアスター教の悪神、悪霊の類い。

 名前がやや似てる。

 こちらは単体ではなく複数。

 英語圏の個人のhomebrew設定で両者を同一視する設定を確認している。

 なおB系統では、アンデッドとして登場。


★ザッハーク/Zahhak

 ペルシアの伝承に登場する悪王。

 両肩に蛇がいる。

 このザッハークの原型とされるのがアジ・ダハーカ/Azi Dahaka。バビロニア出身ともされる。


 何故、伝承に存在が確認されないDruagaが創作されたのかは、分かりませんでした。

 都市伝説に言う著作権トラップの一種だったんでしょうか?

 それとも、埋もれている伝承があるんでしょうか?

 謎です。


 余談です。

 D&Dの世界設定の一つ「Forgotten Realms」の作り手エド・グリーンウッド氏の話。

 「Forgotten Realms」に出てくる邪神の1柱BaneはDruagaを参考にしてるんだそうで。(Dragon Magazine #54参照)


追記(2021/08/04)

出版年誤記を修正。


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