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prologue

7月の終わりの土曜の午前11時。エアコンから出る冷たい風が教室全体を包み込んでいる。その外の暑さから隔絶された教室の教卓で、教師が生徒に対しこれからのことについて話している。


「あー、これから君たちが高校1年生になって初めての夏休みに入ります。」


ここ私立凛徳学園は今年で創立が28年となる文武両道を謳った高校である。1クラス30人が、文武それぞれ3クラスに分かれ6クラス存在しており、1学年大体180人、高校全体で約540人が在籍している。まだ高校としてはまだまだ歴史が浅い凛徳学園だが学問、スポーツ共に優秀な人材を輩出しており、高校卒業後は国内のみならず、海外の有名大学へ進学している者、野球、サッカーなどスポーツで活躍している者が多い。


「高校生になったからって夏休み中に羽目を外しすぎないようにお願いしますね。でもせっかくの高校の夏休みなので校則を破らない程度に遊んで、いい思い出を作ってください。」


そのため、優秀な生徒に対して様々な優遇を施している。学費の免除であったり、コンクール、大会で成績を残せばその成績に応じて報奨金が出る。その他細々とした援助が目当てで入学してくる生徒が多く存在していた。そうした援助の甲斐あってか、学費は他の学校に比べ少し割高であったが入学希望者が多く、倍率も高くなっていた。


「でも先日に配布した夏休み中の課題はありますので、しっかり勉強もしておいてくださいね。まぁ君たちは高校生なのでそこまで注意しなくてもわかっていると思います。最後に、ここの近くで殺人事件が起きて、まだ犯人は捕まってないようですので夜の1人歩きは十分に注意してください。じゃあ、長々と話しても意味がないと思いますので、この辺で話は終わりにしましょうか。」


高校生相手ということもあってか、軽い様子で注意事項を話し終えた教師の最後の一言により、教室内は弛緩した空気が漂い出す。そんな凛徳学園の夏休みが今始まろうとしていた。




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