0. IT業界未経験プロジェクトマネージャー爆誕
プログラマーに転職する前、おれは工場で働いていた。工場で働いてお金をためてフィリピンに留学しようと思っていた。けれどいざお金が貯まってフィリピンに行こうとした八月にフィリピンで爆発的にデング熱が流行ってひとが死にまくっているというニュースを見たおれはビビッてフィリピンに行くのをやめた。
このままこの工場で働こうかと思ったが、熱中症でひとり社員が死んだのでビビッて工場をやめた。
地獄のようだった工場勤務を辞めたおれは、次の仕事は熱中症とは縁のないデスクワークがいいなと考えて、プログラマーなんていいのではないかと考える。で、ドットインストールとプロゲートをちゃちゃっと終わらせてハロワに行き、求人検索をする。
「未経験 PHP プログラマー」
検索結果:0件
おれ「さすがクソ田舎」
再度、検索をかける。
「未経験 プログラマー」
検索結果:2件
おれ「さすがクソ田舎」
とりあえずその二件を労働条件も確認せずにプリントアウトして窓口に持っていって、面接のアポを取ってもらって、家に帰って書類をそろえて二社に送り、一社だけ書類通過して、面接。
弊社「弊社を希望した理由は?」
おれ「プログラミングが好きだからです!(ハロワで「未経験 プログラマー」で検索したら二件しか出てこなくて選んでる場合ではありませんでした!)」
採用される。
これでおれも晴れてプログラマーであると思っていたが、どうやらおれはプロジェクトマネージャーとして採用されたらしかった。
初出勤の日。
上司「じゃあ、きみにはタスク管理をしてもらいます」
IT業界未経験プロジェクトマネージャー爆誕の瞬間である。
そして初出勤の仕事が始まる。
《この時点でのおれのITスキル一覧》
・ドットインストールの動画の口癖がちょっとうつっている。
以上。