やらかしパパの覚悟完了
夢じゃない。俺は今戻ってきた。舞はまだ眠っている。
時刻は朝の5時、俺がいつも起きる時間だ。日付も翌日で何一つ変わらない日常にもみえる。
しかし、俺の体には確かに変化がみられた。体が軽いのだ。腰痛もほぼない。 そして、俺と舞の変な服。寝間着は向こうに忘れてしまったがそれが夢でなかった証拠となる。
嫁の涼香にはどう説明すべきだろうか、信じてもらえるのかもわからないけども。
……取り敢えず風呂だな。舞も連れていこう。寝起きの機嫌が悪いからそーっとな。
舞はシャワーで目覚めて激怒し拭き終わるとすぐにベッドに走って行った
しかし『(おこすな、まだねむい)』という声で、神への感謝を新たにするのであった。
「凉香、大事な話がある」 凉香は最初こそ半信半疑であったが変な服をみた事で自分もいきたいと言い出した。
俺としては危険かもしれないのでこれからは1人で行く予定なのだ。
ただ念話が俺だけ通じるのも可哀想なので今度連れていく話をした。
結局に今日の夜一緒に行く事になったのはひとえに俺と嫁の力関係によるものであろう。
舞を寝かしつけ、二人クローゼットへ。流石に二人で寝るには厳しかったが俺達は手を取り眠りに落ちるのであった――
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――目覚めるとそこは村長宅で俺は1人だった――
……これは、やってもうたな……
「村長!ムーニンを呼んできてくれ。大至急だ」
「やあ、何じゃそんなに慌てて……舞ちゃんはどうした?」
「話はあとだ。ムーニンは?」
「今日は門番の係じゃったかの」
「オーケー、後でまたな」
村の入り口へと大急ぎで向かいムーニンと大鷹で昨日の現場に向かう。
「あそこだ魔物に襲われてる!急ぐよ!」
俺には見えないがムーニンはその驚異的な視力で遠くのものがみえるらしい
「魔物の数が多い。あの魔物には殺される事もあるから身体強化の魔法を君にもかけるよ。君も手伝って」 優しい世界だと思っていたが俺はとんだ甘ちゃんだったみたいだ……
ムーニンが俺に触れると力が沸き上がってくる。昨日の感覚がさらに強くなった感じだ。
「オーラを感じるかい?君の場合は拳より指先にオーラが集まってるみたいだから手刀で戦うんだ!」
俺は頷き、覚悟を決めた。魔物の姿ははっきりと確認できる。うさぎ君が凉香を守っていたのだ。
やるぞ、俺がやらなきゃ誰が守るんってんだよ!
「耕作君、あいつらは首元が弱点だ。首の色が変わってる部分を手刀で狙うんだ」
「わかった、では行こう!」
こうして生まれて初めての死闘が始まった。