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右翼が乙女ゲー世界に現れた!?

短編だから内容は荒い。すまんな

でも俺は疲れたんだ。

この後の続きは各自で妄想してくれ。

 私は元日本人のいわゆる転生者であり、飛行機事故で死んだと思いきやこの世界で新しい生命として誕生した。

 新たに誕生した世界は中世ヨーロッパ。特にこの『オラニエ王国』における南部最大の貴族メイエル公爵家に生まれた私は激しく我が身の不運を嘆くことになる。


 社会人として一般事務職にあった私は主に趣味としてギャルゲーや乙女ゲーを嗜んでいた。また、あまり人に言うことではないが腐った方面も好むいわゆるオタク系女子というものでもあった。そんな私だからこそ気づけたこと。この世界が前世で私がプレイした乙女ゲーである『オラニエ王国物語』であり、そのゲームに登場する攻略キャラ第二王子レオンの婚約者であり、ヒロインのライバルキャラであるカルラ・ファン・メイエルに転生してしまったのだ。

 そのことに気づいた私は激しく恐怖し、そして吐いた。それはもう目いっぱい。良くて修道院入り、最悪は病死と言う名の暗殺が待ち受けている訳である。原作のカルラは地味に優秀で謀略を仕掛けたことにより失脚した。ならばそれを回避すればいいというのもまた違う。


 そもそも貴族というのは宮廷の中の政争でいかに優位を保つかというのが本意である。その点で言えば原作カルラのやったことは間違ってはいないし、彼女が修道院入りや暗殺されたのはカルラ自身の無能さやわきの甘さによってスキャンダルを引き起こし、公爵家の家名を穢されることを恐れた父が公爵家の家を保つためであったことが大きな理由と言えるだろう。

 そう、一番の問題はこのゲームにおける登場人物の中において真の意味で無能な存在がいないということだ。ルート自体で有能にもやや無能にも変わるが一面一面を見れば確かに優秀な面が見えるのがこの『オラニエ王国物語』であり、私がゲロ吐くぐらい懸念していることである。


 破滅ルートは避けなければならない。そしてそれ以上に原作カルラ以上に有能にならなければ生き残れないことを察した私は努力せざるを得なかった。国内の結びつきを高めるための第二王子との婚約は避けられない。レオン第二王子の父であるヴィルベルト三世陛下の妻は北部貴族バッカウゼン公爵家の令嬢であり、バッカウゼン公爵に対抗するといった政治的意図がこの婚姻にはあるのだ。


 運命の転換点は原作の開始、王立学園入学から始まる――そう思っていた時期が、私にもありました。


 それは私が失脚を恐れて努力を行っていたある日のこと。その日私はくそったれな運命に出会う。


「税というのは領民一人当たりにかかる所得との比率が最も重要です。単に増税では意味がない。所得を増やし、そしてそれに見合った税収を取ることが肝心です」

「成る程、確かに道理だ」

「後は物流も見極めねばなりません。公爵家にとっては寄子との関係が重要ですな。例えば――」


 兄と話し合う誰か、それを目に入れてしまったことがおそらく私にとっての幸運であり、最大の不幸でもあったのだ。


「おや、如何したカルラ」


 いつもは家族のことを放っておいて領地を見回ることを生きがいとするシモン兄さんが私のことを気に掛ける事自体が奇跡であることに私はほのかな感動を覚えたそのタイミングで私たちは出会ってしまったのだ。


「別に、ただの休息よ。兄さんも随分ご機嫌みたいね」

「そうかな? ……いや、案外そうかも知れないな。そうだ、カルラにも紹介しよう」


 そう言ってシモン兄さんは隣の男に目配せをする。第一印象はあまりよくない。薄着に所々泥にまみれ、骨ばった体躯である。どう見てもそれは貧農の少年でしかないからだ。


「初めまして公爵令嬢様。私の名はアルテュール。何分、教養のない下々のものでございますれば貴重なお時間を頂いたこと、望外の極みでございます」

「……いいえ、そんなことはないわ」


 この時の私は顔には出さなかったが非常に驚いた。教養のない下々の者? 馬鹿を言うな、本当に教養が無ければそんなこと言えるわけがないだろう。そもそも政治馬鹿の兄の話に付き合えている時点でおかしいことにふと気が付いてしまった。

 こいつは何かおかしい。最初はそんな違和感であり、私と彼の出会いはここで終わる。次にであったのは王都でのことである。


 それは原作開始の瞬間であり、王都における王立学園の入学後のことである。そこで私はとんでもないことに気が付いてしまった。


 原 作 ヒ ロ イ ン が ど こ に も い な い 。


 私はビビった、スゲービビった。ゲロ吐きそうなぐらいビビった。

 お前がいないと原作が始まらないというのにどこに行ったのか。その答えはすぐそばにあった。


「お前の世話役であるリシェだ。シモンが世話になっているアルテュールとか言う小僧の妻らしい」

「リシェです。よろしくお願い致しますお嬢様」


 くりくりとした愛らしい小柄な背丈と愛嬌のある顔。ふわふわの栗色の髪をセミロングに伸ばした少女。

 見覚えがある落ち着いた女性。かつてのアホっぽさは見る影もなく。私は呆然と立ち尽くす。


「違う、そうじゃない」

「……何か、問題でも?」

「あ、いえ。なんでもありません」


 父により紹介された私付きの侍女。それが何と原作主人公であるリシェ・ファン・フェーネンであったのだ。


 なんで原作が始まる前にゴールインしてんだよお前!!

 おかしいだろ、原作崩壊も甚だしいわボケェ!!


 私は叫びたかった。私の今までの努力は何だったのか。断罪とかねーからとかひどくない? いや、いいことなんだけど。


 ここで原作主人公であるリシェについての設定を言おう。リシェは西部貴族フェーネン子爵家の庶子であり、フェーネン子爵が亡くなるとともに、子息が居なかったフェーネン子爵領の血を唯一引く少女として貴族となり、この王立学園への入学をしたという設定なのだ。フェーネン子爵家は王国始まってからのその地の有力豪族であり、王国貴族での古い血を持つ本物の貴族である。

 主人公にとって求められていることは優秀な夫を見つけてフェーネン子爵家の再興と領地の安定を行う人を婿に取るということなのだ。

 なのになんでお前は平民の妻やってんだ!


 後で調べたら普通にフェーネン子爵家滅んでるじゃねーか。

 誰もお前の血の秘密知ってる奴消えてなくなってるじゃねーか。

 貧乏突き抜けて奴隷商につかまってるじゃねーか。

 アルテュールさん華麗に原作主人公助けちゃってるじゃねーか。

 普通にラブロマンスやって結婚してるじゃねーか。

 お前らのなれ合いで小説一つ書けそうじゃねーか。


 ど う な っ て ん だ こ れ は っ ! !


 ちなみに私の王立学園入学の一年前にアルテュールさんは王都にある下士官育成施設である兵学寮に入っており、妻のリシェは朝早く私の侍女をやる最中、お弁当を届けに行っているらしい。普通にラブラブとか許されざるよ。


 そして原作主人公のリシェさんから話を聞くたびに王都は不穏な空気に包まれていった。彼女と話すことは基本的にアルテュールさんのことであり、その話を聞くたびに、私はアルテュールが転生者ではないかという疑念を確信にしていった。


 曰く、見たことも無い剣術と体術を使う。

 曰く、集団指揮がただの平民とは思えないぐらい上手い。

 曰く、教養はなくとも、頭の回転とどこともわからない知識の多さと引き出しがある

 曰く、警邏隊に配備したら王都の貧民窟を一掃し、凶悪犯罪者を何人も捕縛した。

 曰く、国王を中心として中央官僚や常備軍を置いた中央集権制の確立を説く。

 曰く、国家として国民の帰属意識を持たせて国一丸となった近代化国家を目指す。

 曰く、演説が上手く、周囲の人間の崇拝を浴びている。

 曰く、国中枢やインテリなどにおいてシンパを増やしている。


 私は思った、そして確信した。こいつ完全にやばい人やんって。アカン人やって。

 王都は密やかに改革を叫ぶ人が多くなり、それは売官によって爵位を得た官僚の法衣貴族や、自由貿易を望む商人。貧窮に喘ぐ貧農と、目の上のたん瘤である領主を追い出そうとする荘園持ちの地主階層、愛国心の強い開明派領地貴族を中心に革命の風が吹く。


 そしてそれは王立学園でも革命の風は入ってくる。まずもって革命を叫ぶようになったのは原作の攻略キャラであったユーリ・ファン・ノルデン少年である。ノルデン家は元商人であり、売官によって爵位を得た法衣貴族である。しかも実の父は徴税官であり、民衆からは恨まれる立ち位置。そういったコンプレックスを刺激させられている今の状況はノルデン少年にとっては生きづらいのだろう。まんまと改革派になってしまった。

 そしてさらに最悪なことに、あのアルテュールがその腕を買われ、王立学園の警備隊の隊員として選ばれたこともさらに学園を汚染する一助となってしまった。


 アルテュールは持ち前の知性とカリスマ性を以て次々と学生を洗脳し、時には教職であるものすらその思想に取り組んだ。

 中央政界でも革新官僚と呼ばれる人物を中心に中央集権化と絶対王政の思想は着実に侵食していった。


「貴方、転生者ですよね」


 焦った私は何とかアルテュールと会い、面と向かってそういった。

 どうしようもなかったのだ、変に小細工をするよりもこうした方が早い。


「如何にも、飛行機事故で亡くなる前は日本の警察官だった」

「ああ、貴方も飛行機事故で亡くなったんですね」


 話すほどに、好感を持つ人物であった。良識的な人物であり、生前は機動隊や警視庁警備部であった警視正であり、準キャリアのエリートながらそのことに鼻もちしない人物である。


「私の夢はね、どんな家庭であろうとも三食のパンを食べれる生活を送る世の中にしたいんだ」


 それはささやかなようで、実現することが難しい夢である。転生後、貧農という身分で生まれ、飢饉や疫病の恐怖に苛まれながらそれでも懸命に生きてきたことを思い知らされる。

 貴族というのはあまりに恵まれている。政治が出来るだとか、高い権利を持つだけではない。当たり前のように生きられる。これが一番尊いものだということをアルテュールに知らされた瞬間だった。


「だから、私は近代化が必要だと信じている。人間が人間らしく生きるために。技術を進歩させ、より発展させた政治制度が必要だ。領地単位でなく国家単位で人々が一体となる為には絶対的な民衆の象徴が必要だ。そして人々をまとまらせる思想もまた必要だ。そのためなら、私はこの命すら惜しくはない」


 頭を鈍器で殴られたかのような衝撃があった。彼は誰よりも本気だった。乙女ゲーというちっぽけな価値観ではなく、この国をどうにかいい方向に変えようとして足掻き、そのために命を投げ打った一人の男であったのだ。

 もはやアルテュールなど呼び捨てで呼んでいい存在ではない、アルテュールさんだ。


「何度でも言おう。地方権益を持つ貴族、独自特権を持つ教会の権力基盤を打ち壊し、中央官僚と常備軍を伴う中央集権化によって絶対王政を成し遂げる。人々は国家に奉仕し、富国強兵を推し進め、この王国を一等国として改革するのだ……! そうしなければ、この国に未来はない。親が子を売り、飢えの為に殺し合い、救うための薬を買う金もなく無意味に死んでいく。そんなのはもうたくさんだ……!」


 言いたいことは分かる。だがそれでも言おう。完全に右翼じゃないですか。

 アルテュールさんの言いたいことがよくわかった。王立学園に入って一番の収穫だったと思う。

 なんだが一人だけ違うゲームをやっているように見えたが気のせいだろう。


「覚えていて欲しい。オラニエ王国の民がオラニエ王国の民として生きれるのは、このオラニエ王国しかないと。我々はもう日本人でないのだ。オラニエ王国の臣民として生きるしかないのだ……」


 そう最後に呟いたアルテュールさんの言葉が何故か離れなくなったのはその時だろう。


 この後もアルテュールさんは革新官僚、兵学寮の同輩や教官。視察に来た騎士と呼ばれる職業軍人。未だうら若き新進気鋭の学生達に思想爆弾を放り込む作業を淡々と続けていた。

 王都留学とあったが完全に自らの思想を広げるためのそれになっている。このままでは私は婚約破棄で失脚よりも、アルテュールさんがメイエル領に逃げ込み、兄シモンが匿ったことを罪とされて滅びるのではないかと思えてきた。


 反乱者ルート。そういうのもあるのかと思いつつ、教養を学びながら悠々自適に学園生活を楽しむ私。傍らにはアルテュールの妻リシェがいる。

 原作など最早跡形もなく消え去った。そう思っていた時期が私にもありました。


「お嬢、なんかやたら最近つけられてる気がするんですよ」


 始まりはその言葉からと言われる。

 優しげな顔立ちにお嬢と私を慕う青年。彼の名はカイ・ファン・デル=ヘイデン。

 南部貴族デル=ヘイデン子爵家の嫡子であり、メイエル公爵家の寄子の家系だ。歳も近く、将来の南部貴族の有力者ということもあって、父が私のお目付け役として指定した将来の兄の側近となる男である。


「それはきっと貴方が優秀だからでしょうね。座学、実技、教養。どれをとっても一流。万能型としてはこれ以上ない原石。父も貴方の才覚を誉めていたわ」

「なにいってんすか。いきなり誉めてくださるなんて」

「別に、貴方もあの男に目をつけられたのでしょう? 致し方ない事とはいえ、少しは私の友人ぐらい配慮して貰いたいわ」


 そういって私は紅茶に口をつける。

 カイ少年とは所謂幼馴染みの関係である。原作では所謂犬猿の仲として有名であったカルラとカイの関係は現在それほど悪いものではない。寧ろ幼馴染みということで気兼ねなく接することの出来る仲であり、特に嫌われている気もそれほどなかった。


「男? いえいえ、違いますよ。俺が言ってるのは女のことです」

「女? どういうことかしら?」


 寝耳に水とはこの事か。予想だにしなかったことに私は詳しい話をカイから聞くと、徐々に焦りを感じることになった。


 問題の人物の名はフランカ・ファン・リーフェフット。

 リーフェフット伯爵家の令嬢であり、新鮮な電波娘であった。


 曰く、眉目秀麗な少女。

 曰く、有力貴族の子弟に粉をかけているらしい。

 曰く、時折心の中を覗いているかのような洞察力を発揮する。

 曰く、時々訳のわからないことを言い、空想癖があるらしい。

 曰く、男子受けが良く、女子生徒から嫌われている模様。

 曰く、逆ハーと時折言っているのでギャクハー令嬢と呼ばれている。


 間違いない。これは駄目な方な転生者だ。


 私は心労に襲われた。激しい心労に襲われた。

 彼女は馬鹿なのだろうか。今まで良く生きてこられたものだ。私だったら恐らく私の父であったら、カルラ? 知らない娘ですね。と言われイナイイナイのしまっちゃうねぇ。されるレベルの低さだ。有り体に言えば、消される。


 原作主人公であれば王国建国以来の功臣の家系であり、かつては騎士団総団長を輩出した名門貴族であるフェーネン家の名跡を継ぐという大義名分があったからこそ出来たのだ。因みに『オラニエ王国物語』には逆ハールートはない。

 メインの第二王子ルートでも大波乱たったのだ。色々あった結果王妃となった彼女であったが、それでも越えるべきハードルは高い。あんなアッパラパーに私ですら尻込みするそれを乗り越える勇気が有ると言うなら大した蛮勇である。逆に尊敬する。


 現在粉を掛けているのはメインヒーローであるファルハーレン朝第二王子レオン。

 その親友であり、現騎士団総団長の嫡子にして伯爵位を継承するエルンスト・ファン・デル=ホーフェン。

 現宰相の嫡子にして卓越した魔術の使い手イザーク・ファン・クラーセン。

 売官法衣貴族であり、アルテュールと懇意な関係にあるユーリ・ファン・ノルデン。

 そして目の前にいる我が悪友カイ・ファン・デル=ヘイデンである。


 見事なまでに原作攻略キャラを狙っている。これには流石の私も苦笑いであった。


「ヤバイですよお嬢。自分の婚約者に粉かけられてますよ」

「それはそうだけど別に害がないならいっかなぁって。別に私だけ見てって束縛する気はないし、貴族なら女性関係の問題や愛人なんて普通よ普通」

「そ、そんなもんなんすか?」

「私の父も兄も基本的に女性よりも政治大好き人間だし。デル=ヘイデン子爵も貴族には珍しい愛妻家ですから、基本的に貴族なんてべっちょべちょのドロドロよ」

「やっぱ貴族ってろくでもないですね」

「当たり前でしょ、享楽に耽るならそれなりに名誉で楽でしょうけど、真面目で政治と向き合っている貴族は地獄すら生ぬるいわ。兄と父はおかしいの。被虐趣味でもあるのかしら?」


 まぁ、宮廷で政争をしている存在は基本的に怪物だ。潜った修羅場と教養の深さ、如何に相手を貶めるかにつく。

 公爵令嬢と書いて地獄と呼んでも違和感などないだろう。


「親父が宮廷貴族にだけはなるなと言った意味がわかりしたよ」

「ウチの父はまた行きたいって言ってるけどね。なまじ中央政界で大臣や大審院院長を歴任した経験が忘れられないみたい。クラーセンの小僧がなんだと息巻いてるわ」


 あの政治キチは自らの政治生命の為なら簡単に娘の命を奪う。権威と権力と地位と名誉が何より大好きな父は自らの栄達と公爵家の為ならなんでもするだろう。げに恐ろしき政治世界である。


「しかし大丈夫でしょうか?」

「何も心配することは無いわよ」

「いや、お嬢は兎も角、レオン殿下がたぶらかされて凶行に走んなきゃいいですけど」

「……」

「お嬢?」

「な、何でもないわ。そう、何も心配することなんて……」


 私は声を震わしながら自らに言いつけるように言った。まさかエクストリームなろうテンプレ悪役令嬢(悪役でもなんでもない)婚約破棄をするなんて常識で考えれば有り得ない。

 しかし、ことは男と女の関係だ。何かの間違えがある可能性を否定できない。


「電波先せ――リーフェフット伯爵令嬢は居られるかしら」


 いてもたってもいられず私は至極常識的にギャクハー令嬢こと電波先生に会おうとした。どうにか斜め上の行動はしないでくれ。私はそう願いそしてその願いを打ち砕かれた。


「ご機嫌よう、リーフェフット――」

「あっ、貴女はカルラ・ファン・メイエル!」

「え、ええ。今日は貴女と話を――」

「まさか、私と王子の関係を妬んで!」

「あの、取り合えずは私の話を――」

「貴女と話すことなんて無いわ! 王子は私が幸せにするわ!! こんな奴と婚約なんて、あぁ、可哀想な王子……」


 ぶち殺すぞ、塵屑が。可哀想なのはお前の頭だ。

 私の怒りが有頂天に達し、毒を吐きそうになりながらもどうにか我慢した。王子もとい王族が可哀想なのは当たり前である。

 天皇陛下の生活と想いを知れ。そういったのはアルテュールさんの言葉である。私は至極納得した。何かあれば詰め腹を切らされる人物は総じて可哀想だ。


「どうしましょう、話が通じないわ」

「殺りますか、正直、あのアルテュールを殺るよりか簡単でしょう」


 やだ、魅力的。しかし、いざ成功させたとしても相手は伯爵令嬢。ただの平民を殺すのとは訳が違う。貴族が死んだとなれば内々で終わらせることなど出来ず、必ず大審院の――司法の手がはいる。


「そうなればカイ、貴方を失なうことになるわ。あんな下らない女を人生に貴方の人生を差し出すことなんて私には出来ないし釣り合わない」

「俺の未来で国ひとつの安寧が買えるなら安い買い物です。俺はお嬢に幸せになって欲しい」


 ここでカイが言っているのは自分が暗殺の実行犯になるから、カルラは何も知らず、命じたことを生涯隠せと言うことだ。体のいい尻尾切りともいえる。

 だからこそカイの迷いなき真っ直ぐな瞳に私はひどく狼狽した。ここでカイを失うわけにはいかない。私のためにも、公爵家の為にもだ。


 困った私はアルテュールさんに相談した。無論内容が内容なのである程度はぼかしながら話そうとし、私の知っている中でも特にチートであるアルテュールさんを態々屋敷に呼びつけるという真似をした。


 屋敷に訪れたアルテュールさんは軍装を纏い、強い足取りで現れた。無駄に威風堂々としており、その姿は下士官と言うよりも将軍の様な威を感じさせた。

 だが、それ以上に気になったのはアルテュールさんが連れてきた男である。貧相な小男である中年の男で、口髭を生やしても威厳などなく貧相さは全く消えないそんな男だった。


「お久しぶりで有りますな、メイエル公爵令嬢様。此度はリーフェフット伯爵家についてとのことでしたのでわが友人を紹介しに参りました」

「御初にお目にかかります。わたくしめの名前はシェルト。かつてリーフェフット伯爵家の御用商人でありました」


 お 前 の 人 間 関 係 は ど う な っ て ん だ 。


 なにこいつ、有能すぎる。

 聞くところによるとシェルト氏はオラニエ王国の奴隷商でありあの手この手で農民を騙し、奴隷として人間を買いつけ財を築いた人物だ。清廉なアルテュールさんとは真逆に位置し、友人になれるはずもないと思うような人種である。


「私とてある程度の分別はあるさ、警察組織とて政治的なことが皆無の筈がない。後ろ暗い手の一つや二つ呑み込めなければ警視正にもなれんよ」


 私に耳打ちするようにアルテュールさんは教えてくれた。

 貴方が清濁織り混ぜること出来たらただのチートじゃないですかやだー。私は改めてアルテュールさんのリアルチート具合に戦慄した。流石は現代エリートはやることが違う。そんじょそこらのなろう主人公とはメンタルの出来が違うのだ。


「それで、私が思うにフランカ・ファン・リーフェフット令嬢は度の越えた阿呆ですな」

「それは見てわかりますけど……」

「基本的に我々が考えるより斜め下の行動を取ると考えても良いでしょう。あれは長続きしません」


 シェルト氏ら話を聞くたびに私は戦慄した。リーフェフット伯爵令嬢は聞けば聞くほど正しく悪役令嬢のそれだった。

 両親から甘やかされて育てられた為になに不自由なく過ごしてきたこと。それ故に教養に疎く、精神的にも幼い少女であること。


 王国貴族もここまで劣化したか(絶望)。


 私は戦慄した。無論悪い意味である。


 それにしてもこのシェルトという商人は非常に明朗な人物である。商人であるからに本来はそんなはずがないのに、第一印象と会話をするたびに親しみしか湧いてこない。精神系魔術でも使っているのだろうか。


「とんでもございません。このシェルト、魔法については疎いものでありましてそのようなことは断じて不可能でありまする」

「気を付けるといい、商人というのは得てして口が上手い。一対一で話すと取り込まれるぞ」

「アルテュール殿ほどではございませんよ」


 にこやかな笑みを浮かべる二人、王国軍の下士官と元奴隷商人の会話とは到底思えない。


「……そういえば、王国改革と言っても王族はどうするつもりかしら」


 私はふと思い立ったかのようにそう呟いた。

 実際に王国改革と言ってもその詳細は不確かだ。現状でわかることは近代化に取り組むということ、そのために封建制を敷く王国の情勢に対して挙国一致の中央集権制とすること。

 わかりやすく言えば、日本の明治維新やプロイセン王国のドイツ統一のようにするということである。


「王族は権威の象徴だ。専制君主であるか立憲君主であるかの違いはあるものの、基本的には存続を目指す」

「それに代わる勢力が台頭すれば、王国は分裂し、内乱となりましょう。心配召されるな、既にメイエル公爵を中心とした南部貴族はこちら側であります」

「北部のバッカウゼンも否とは言わんだろう。何せ王族に一番近いのはバッカウゼン公だ。わざわざ対立して外戚という地位を投げ捨てる必要もあるまい」

「内乱となっても心配はいりませぬ、王国では近衛騎士旅団長のクロンカンプ殿や兵学寮教導官のバース殿が居られる」

「クロンカンプ? バース?」


 誰だそいつらは、知らん。

 話を聞けばアルテュールの改革案に賛同の意を示した騎士団の有力人物であるらしい。クロンカンプ氏は法衣貴族クロンカンプ子爵家の次男。バース氏は平民出身の女性将校であり、魔術師として卓越した能力を持つ人であった。


「東部、並びに南部は対帝国との戦線でもある。万が一にも内乱があるとして東部だけは敵に回してはならんな。勝てぬとは言わぬが、わざわざ国内で精強な兵を失うこともないだろう」

「後はギルドですな、商業、職工、冒険者、様々ありますが改革と共に手を入れるべきでしょう」

「後々のことを思うに冒険者ギルドのてこ入れは必要だ。民間軍事会社にするか、いっそのこと内部に引き入れ警察組織とするのもいい。退役兵の受け皿とするのもいいだろう。その場合は自警団や青年団、民間警備会社として運用すべきだ」

「公社として管理するも半官半民の下請けとして運用すべきと愚考いたします」

「嗚呼、まずは漸進的に変えていこう。教会の地盤も弱体化の傾向にある。成功例があるなら受け入れやすかろう」


 頭のいい話をされると、流石にこっちもタジタジになってしまう。


「ちなみに王族がいなかった場合はどうしようとしたのかしら」

「一体何を言う」

「仮定の話としてとらえてほしいの。或いは王族が腐敗しきって馬鹿しかいないとか、王族が利用できないと思って行動するとしたらどうするのかしら」

「……無意味な仮定だ、それに不敬であろう」

「告げ口なんかしないわ、約束する」


 私は、喉を鳴らしながら声を震わせないように細心の注意をしていった。


「……そうだな、順当に考えれば、メイエル公爵家を担ぎ出しただろう。或いは、王政そのものに絶望したやもしれん。共和制樹立、軍事総統制に移行が順当な所だろう」

「……独裁者になるつもり?」

「そうしなければ多くが飢え、多くが死に、多くの悲劇に見舞われるなら、私は喜んでそうなろう。後世でいかように評価されようが、私という存在が悪であったと断罪されようが、私は喜んで独裁者を忌み嫌われよう。彼のロベスピエールやアドルフ・ヒトラーのように」


 アルテュールさん、ガンギマリすぎィ!

 覚悟もメンタルも違います。勘違い系主人公では到達できないKAKUGO完了系主人公の真髄を私は見た。

 同時に思い知った。王子が電波先生にたぶらかされて色ボケたりしたら王国は粛清の嵐になってしまう。

 おそらくそこには貴族制を根本からぶっ壊してしまうだろう。そして権威と権力の象徴はアルテュールさんに変わってしまう。まさに地獄だ。

 本人もそんなことは望んでいないのだろう。圧倒的な優れた施政者の死に起こるのは混乱だ。精神的支柱が潰れたら大なり小なり混乱は起こる。それは彼の思い描く国家像としては不十分だ。その気になれば百年、二百年と続く国を作らなければならない。それが彼の進むべき道である。


 さて、キチった有能さを見せるアルテュールさんとゆかいな仲間たちのガンギマリ度が理解できたので、電波先生の対応を本格的に取り組まなければならない。

 このままだとアルテュールさんたちがいくところまで行ってしまうのでそれは危ないという結論に達した。日本ではあれが当たり前にいる普通のエリートということを考えると内閣総理大臣とか統合幕僚長はいったいどんな化け物なのだろう。きっと、凡人の私では想像もつかない次元にいるのかもしれない。


 して、どうやってリーフェフット令嬢を潰すか。

 最悪の場合に備え、私は頭を働かせる。消すとしてもことは平和裏に運ばなければならない。


 無論、これは最悪の場合のことである。私としても一番大切なのは国家ではなくあくまで自分の命なのだ。アルテュールさんみたいに国の為に死ぬ覚悟なんてものは決まっていない。あくまで自己保身故の行動である。


 また、舞台も悪い。何せ場所は王立学園、警備としてはこの時代において最も堅牢であり、警備責任者はあのアルテュールさんだ。前世では警察をしていた身、警護や治安戦は相手の得意分野であり、彼自身公平を是とする人間だ。わざわざこっちの犯行をもみ消してくれるかは考えない方がいいだろう。


 狙うならば、帰省の瞬間。御者に金を握らせて山賊か何かの犯行にすればいい。ベタだが一番確実で足が付かない方法だ。


「まあ、それでも時間がある。時間があるならばやることは単純にして地道な作業ね」


 将を射んと欲すればまず馬を射よ。という言葉がある。電波先生を確実に潰すためには、まずその周囲から崩していくのが単純にして明解だ。

 彼の徳川家康は関が原の際に吉川、小早川、脇坂の諸将や武断派と言われた加藤清正や福島正則を味方に引き込み、或いは調略を以って豊臣家の地盤を崩していって最終的には天下を取ったとされる。ならば私もそれに倣うべきだろう。


「お久しぶりでございます、殿下」

「――メイエル令嬢か、懐かしい顔だ」


 まず会ったのは我が婚約者であるレオン第二王子である。

 ここで原作でのレオン王子について解説しよう。レオン王子はいわゆる俺様系と言われるタイプの攻略キャラだ。王族に生まれた自分はまさに王国そのものであり、自分の行いはすべて王国の行いであると思っている人物だ。即ち自分の行動が王国を左右し、自らの失敗は王国の失敗と捉えている。

 まさに朕は国家なり。といったところであろうか。

 それゆえレオン王子は自らの研鑽を怠らない。繁栄した国家をつくる為には優秀な王でなくてはならないと信じているからだ。武術、政治、教養、戦術能力を高め、何より優れた才覚を持つとされる子弟と交わることを良しとする才人肌の人物である。

 なまじ、いろんなことができるためにいわゆる弱者の視点というのが理解できないという施政者としての欠点を持つが、それを王子に教え、弱い人間の気持ちを王子にわからせるのが原作主人公のリシェのやることであった。


 まあ、そのリシェさんはすでに既婚者で人妻なんですけどね。本当にひどい世界だ。


「それで、俺に何か用でもあるのか?」

「いえ、久しぶりにあったのでほんの挨拶ですわ。殿下も色々と忙しいでしょうから、お手を煩わせるわけにもいきません。ですが、三日後に兄が王都に来るという手紙を受け取りましたので、ただそれだけですわ」

「ほう、彼の神童と謳われたシモン・ファン・メイエルか」


 レオン王子は無駄を嫌う。こうやって私と話している時間すら惜しいと思うのだろう。しかし、自らの見識を広げる事へは貪欲だ。

 幸いにも兄シモンは公爵家嫡子であり、領地経営に際して多くの実績をあげている。王族であり、いずれは王位、或いは大公位を賜るレオン王子にとっては興味を惹かれる話である筈だ。


「いずれは義兄となる相手。会っておくのに損はないと思いまして、差し出がましいお願いでありますが、どうか面会できるならば我がメイエル公爵家にとっても誉れであります」

「ふむ、まあいいだろう。我が婚約者は中々に殊勝なことだ。三日後、会えることをシモン殿に伝えてくれ」

「寛大なお言葉、誠にありがとうございますわ」


 私は笑みを貼り付けながら第二王子のわくわく圧迫面接を切り抜けた。

 兄を餌にしたのはあまり褒められたことではないが、そもそも無関心な相手に対して関心を向けることは非常に難しい。ならば関心のある方から徐々に私に対しての関心が向くように仕向ければいい。

 今は単なる情報の伝手でしかないものの、いずれは私を一個人として見てくれるだろう。電波先生が一体どんなトリックを仕掛けてくるかは不明だが、私は私としてできることをコツコツするだけだ。


 次に会ったのは王立学園でも随一のアルテュール大好きマンと化したユーリ・ファン・ノルデン君。彼の場合は数分会話しただけで粉掛けられても頭アッパラパーになることはないと確信した。

 彼の場合第一は王国改革であり、自らのコンプレックスはすでにアルテュールさんによって撤去されている。しかも電波先生は自らの地位を以ってユーリ君に近づいたものであるから、彼にとっては地位で売官貴族でしかない自分が簡単に釣れると思っている傲慢な貴族の娘と映っているらしい。


 また、彼の場合は王国の大貴族であり、いずれは王族に名を連ねる存在。そしてアルテュールさんを見出したシモン・ファン・メイエルの妹ということで一目置いていることまで語ってくれた。

 期待してくれるのは嬉しいが、そういうふうにプレッシャーをかけられるのはきついものがある。私は何でも知っている博士ではないのだ。敬服しないでほしい。


 カイ・ファン・デル=ヘイデンに関してはこっちとすでに密接な関係を持っている。同時に改革派とも近くなってしまったがしょうがない。現状で私に一番心を開いてくれる男子である。もし私に婚約者がいなかったら好きになってしまっていたところだった。これも全部イケメンなのが悪い。


 そしてあとの二人、王国の軍事のトップである騎士団総団長の嫡子エルンスト・ファン・デル=ホーフェンは残念ながらコネがない。一応王子とは親しい間柄であり、親友と言っても差支えないが、すぐに会えるとはいかない。

 ……まぁ、基本的な性格としては『島津』だから問題はないだろう。私にはわからないが、エルンスト少年は乙女ゲーの攻略キャラの癖に女性人気よりも男性人気の方が高かった稀有なキャラクターだ。彼のルートになると、恋愛シミュレーションゲームというより西洋版大河ドラマと言われた本作『オラニエ王国物語』がなぜか某無双ゲーの如き蹂躙物と化してしまうという謎現象が起きていたことは記憶に新しい。


 最後の一人イザーク・ファン・クラーセンは現宰相クラーセン侯爵の嫡男であり、父とは友好とは言えない関係だ。政敵とも言っていい。そんな奴に近づくのは私個人でなく、メイエル公爵家としても不利益他ならない。そして何よりもし色ボケしてアッパラパーになってくれれば勝手に権力の座が戻ってくるかもしれない。そうなると放置一択になる訳で私も手を出す必要性も皆無といったところであった。


「でかしたカルラ。素晴らしい活躍だったよ」


 王都入りした兄はまずもって私をそうねぎらった。


「王立学園に傾城傾国の美姫がいる。悪いことじゃないな、貴族が盆暗であればあるほど僕らにとっては都合が良い。うまくクラーセンの嫡子が骨抜きになってくれれば万々歳だ」

「そう都合よくいきますでしょうか」

「もとより駄目で元々。それよりもレオン殿下との伝手をここで見せれるのは非常にありがたい。王国改革は元より王家にとっても悪い話じゃあない。王子がこっちに賛同してくれれば王都の勢力差はこっちに傾く」


 もとより王国には貴族と言っても二つの勢力があった。一つは地方を治め、地方権益を持つ領地貴族。一つは王領の代官や宮中での政治を執り行う法衣貴族といった面々である。

 中世らしく未だ封建制バリバリの世界観において、法衣貴族や王家にとって領地貴族は目の上のたん瘤、或いは潜在的な敵でもある。

 しかし、時は経ち一人の男が立ち上がったことによってそんな封建制にも変化が現れた。


「アルテュールの言っていることは正しかった。誰もが空論と理想というそれをきちんと理論立て、現実という可能なそれに仕立て上げた。元々、封建制は時が経つにつれて独立性が増してくる。現状うまくいっても、他国に攻められたときに寝返る諸侯は多いだろう。それをどうにかできるなら政治的にも軍事的にも我が国は他国よりも優位になる。多少の権益は削がれるが、僕的には新しい国家形成に興味があるからね」

「アルテュール失くして、改革は可能ですか?」

「無理だろうね、彼こそが王国改革の骨子だ。彼なくて王国改革は成功しない。僕にも、レオン殿下にも不可能だろう。誰よりも底を見た、貧農出身の彼がいう言葉だからこそ胸を突くものがあるんじゃないか……」


 ほんま、アルテュールさんは化け物やで。素で秦の商鞅みたいなことを成し遂げようとしている。

 これがチート主人公のやることか、私には一人の女を排除するのにこれほど手間取っているというのに、彼はそれ以上のことを成し遂げようとしている。高々見た目年齢二十歳そこらの人間がである。


「兎にも角にも、大手柄だカルラ。後は殿下を盛大に出迎えよう。そう、盛大にね……」


 私に向かって微笑んだシモン兄さんの笑顔は、何故だかとても恐ろしかった。


 そして数日後、そこには改革派の志に感動し、見事洗脳された第二王子レオン殿下の姿がそこにあった。


 勝ったッ! 『オラニエ王国物語』完ッ!!

洗脳end

これでみんなしあわせになるぞぉ……!

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― 新着の感想 ―
[一言] この作品、もっと評価されるべきだと思うんですよ……。
[良い点] 勢いのある構成のしっかりした、おもしろいお話しでした、キャラもイキイキしていてたのしかったです [一言] お名前が長いので勘ちゃんとお呼びしていいですか?
[気になる点] >勝ったッ! 『オラニエ王国物語』完ッ!! それ死亡フラグ
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