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FullHS  作者: あんのん
6/12

入部祝いはドキドキ



「で、この後はどうするんですか?」

カフェから出つつ予定を聞いて見る


「最後に今日の目的地に行きましょう」


「え?今日ってマドカさんの買い物の付き合いじゃなかったんですか?」


「はじめちゃん、私を何だと思ってるの?


言ったわよね、入部祝い兼ねて外で活動しましょうって」


確かに言っていたな、、、ただの口実だと思っていたことは黙っておこう

実際、モールを回ってマドカさんの手にはなかなかな量の品物が持たれている。


「まどかさん、それ、、、」


ぎゅっっ


量がある荷物を持ってあげようと手を伸ばした瞬間、言葉を遮るように手を握られた。


「ふふ、はじめちゃん思いのほか積極的なのね」


「え、、、ッッ!?あ、あの、、、センパイ?荷物をですね、、、?」

ビックリしすぎて言葉が言葉にならない。

とっさに手を引こうとしてもしっかりと掴まれており解くことは出来ないようだ。


「あら、手を伸ばしてくれたから勘違いしちゃった。


でも、荷物持ってくれるよりこっちの方が私としては嬉しいかな?」


手のひらを通してマドカさんの体温が伝わってくる。

それがいっそう緊張を押し上げてくる。


冷たいものを飲んだ後なのに身体中が熱くなり

心臓もバクバクと大きく音を立てて拍動する。



「じゃあ行きましょっか」そんな声が聞こえて来たがまともに考える意識は残ってなかった。



手を握ってモールの中を歩く。


まどかさんは上機嫌だった。

彼女はが考えていることがわからない、、、

やっぱりあれか、俺が困っている姿を見るのが楽しいんだろうか。

最初に会った時もイキナリ嘘をついていたし。


しかし、手のひらから伝わる温もりと柔らかい感触が俺の思考を妨げる。


「さぁ、ついたわよ」


そう言ってずっと繋いでいた手から解放された。


「あれ、ここって本屋?」


「そうよ、この辺りで一番大きな新宿堂書店よ」


「何か気になる本でもあるんですか?」


「文芸部の活動よ。どんだけ買い物して帰りたいのよあなたは。


この辺りで一番大きな本屋で最近人気な本を調べるのよ。どんなものが流行ってるのかとか。


ほら行くわよ」


マドカさんについて店内を進んで行く。

彼女はよく来ているのか真っ直ぐとランキングのコーナーに進んで言った。


巷では人気作家が新作を出したようでランキングでも一位になっており、特設コーナーも作られるほど大人気になっていた。


その新作はどうやらミステリーの部類に入るようで、その影響かランキング上位はミステリー作品で独占されていた。


「あ、マドカさん向こうにも人気作品のランキングがあるみたいですよ」

と気づいて2人で移動してみる。


「こっちはいわゆるラノベコーナーみたいね。


はじめちゃんはこーゆーの読むの?」


「そうですね、ファンタジーものとかよくある転生ものとかちょこちょこ読みますね。マドカさんはどうですか」


「私も気になったのを少しだけね」


「どんなのですか?」


「恋愛ものとかが多いかしら」


「そうなんですか、マドカさん好きな人いるんですか?」


「、、、はじめちゃん」


「もう、、、何を言ってるんですか。1日中からかって。良い加減怒りますよ?」


「ふふ、そうねごめんなさい。


あ、はじめちゃんこの栞可愛くないかしら?よかったら今日のお詫びと入部祝いにプレゼントしたいんだけどどうかな?」


と、パンダの模様が入った鉄製んの栞を見せて来た。


「いや、悪いですよ、さっきもご馳走になったのに」


確かに少し可愛いかもしれないけど男が使うには浮くんじゃないか。


「良いから。


先輩の行為は素直に受け止めること」


マドカさんは上機嫌でレジに向かって行った。




「今日は色々とありがとう。はじめちゃんのおかけで楽しかった」


同じ方向の電車に乗りながら笑顔で話しかけてくれる。

その笑顔でさらにドキっとした。


「俺の方こそ色々とありがとうございました。栞も大切にしますね」


「えぇ、私だと思って大事にしてあげて」

とクスクスと笑う。


「近くに置いていたら賑やかそうなんでしっかりと本に挟んでおきますよ」

と軽口で返してみる。


「あら、はじめちゃんはそんな特殊な趣味があるのね」

と答えられてしまった。


「ま、マドカさん何の話をしてるんですか!?」


「え?プレイのことじゃないの?


でも、はじめちゃんが望むなら私のほうは大丈夫よ?」


と可愛い顔で上目遣いで言う。


今日1日刺激的なことが多すぎたから少し慣れて来たと思ったら、まだまだマドカさんには敵わないようだ。


そうしていると電車内に次の駅に到着するアナウンスが流れた。

俺の降りる駅の1つ前の駅だ。


「じゃあ、はじめちゃん。私はここで降りるから。また来週部室で会いましょう」


「はい、お疲れ様でした。気をつけて下さいね」


そう挨拶をすると電車のドアが閉まって発車したが、マドカさんは姿が見えなくなるまで手を振ってくれていた。



家に帰るとまっすぐ自室のベットにバタンと倒れ込んだ。

今日1日、体力的にもだが精神的に疲れてしまった。


出会って2回目の美人な先輩に『はじめちゃん』と呼ばれ続け

モール内では胸の谷間が見える服やスラリと伸びた脚が見えるような刺激の強い格好を見る機会が何度も会った。

さらにカフェ出るときの不意打ちのマドカさんの手の感触。


疲れているはずなのに眠りにつくのに何時間もかかってしまった。



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