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『Clover*Egg』
よく澄んだ冬の空に
白い息吐きかけボクは
震える星の目にサヨナラしたんだ
いつまで経っても忘れられない
四葉のクローバー。
幸せになろうと
必死に藻掻いて手に入れたそれは
古びたアルバムの中で乾ききってしまっ てる
黄金の果実
赤い椿の血
青い鳥は空に溶けて
虚空を見つめて狼は吼える
寂しがりな兎は今日も誰かの夢を見る
楽しいことなんて何処にも無く
自分なんてどうでも良くて
ただ誰かの幸せだけを願う
それは叶わぬ願い
ボク一人がどう足掻いたって何も変わら ない 二つの生活。
もう二度と戻らない
壊れてしまった卵は中身なんてまるでな く
カラカラと音を立て
くしゃり、と踏み潰された。