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プロローグ
僕は死ぬんだろうか。
体が宙に浮いているのを感じながら、僕はどこか他人事のようにそんなことを考えていた。
何をしていたのかさえだんだんと分からなくなっていく。
どこかからか聞こえてくる声はどんどん小さくなり、終いには聞こえなくなる。
ドサッ、という何かが打ち付けられるような音を最後に視界が暗転した。
不思議だった。死ぬのが、傷つけられるのがあれほど怖かったというのに、人というものは全くもって分からない。
あれだけ恐れていたというのにいざその時となるとこんなにもあっさりとした気持ちになってしまうんだろうか。
みんながみんなそういう訳では無いんだろう。僕のような人は一体どのくらいいるんだろう。
僕には分からないことが沢山あった。
周りが自分に期待をする理由も、自分が何をしたいのかも。
もちろん分かることだってあった。
死にたくない、傷つきたくないということ。
そして僕はたった今過ちを犯してしまったということ。
あの人がこのことを知ったらなんと言うだろうか。
怒られるに違いない。というか、誰だって怒るだろう。
…………怒られるだけで済むだろうか。
この過ちが吉と出るか凶と出るかは、まだ誰も知らなかった。
────きっと、神様でさえも。




