7話 かなめのために
2月3日午前10時
今日はとてもいい日だ。
天気は晴れ、爽やかな風が吹き、とても気分が落ち着くだろう。
だが、ここだけは違った。
セカイが連れ込んだどこか――
「ちょっと待ってくれよ!!俺もうその変なのと契約すること決まってんの!?」
「おい!だから変なのとはなんだ!俺は世界最強だって言ってるだろ!」
「それでたな、今後の話なんだが!」
「まあまあ、みなさん落ち着いてください」
「ちょ!もー!全員一気にしゃべらないでくれ!」
かなたがそう言うと一瞬みんなが黙った。
そしてすぐうるさくなった。
「いや、かなた!お前も一緒にしゃべったただろー」
「ま、まあ確かに」
「おい!かなた!早く変なの撤回しろ!そして契約しろ!」
「あ!今日の夜ごはん何にします?私作りますよ!」
「おー、かなめのご飯、いいのぅ~」
「…………」
「……ん?一人増えてね?」
かなたがそう言うと、また全員が黙った。
部屋の中にはいつの間にか校長も居た。
『この人、どこからきたの』
全員同じことを思った。
「ってか、ここどこなの?」
かなたが聞くとセカイが教えてくれた。
「ここはだな!俺が作り出したキューブの中だ!俺は"キューブの魂"を持っていて、その力をうまく使って戦ったり、空間を作ったりしているんだ」
「ん?キューブ?……そういえば昨日も俺が撃たれたと思ったら、気づいたら弾が全部なくなってて不思議だったんだよ!」
「そう!昨日は撃たれた弾を何とかギリギリでキューブの中に吸い込んだんだ、いやーあれは痺れたね!」
「そうだったのか、何かよくわからないけど良かったのか……」
「で、かなた水竜と契約するかい?」
もちろん、かなたは悩んでいた。
何だかよくわからない力を急に手に入れて自分にもしものことがあったら……そんなことは考えていなかった。
「面倒なことに巻き込まれたくないなぁ、そう考えておるな?」
校長にすぐにバラされた。
「げっ、分かるんだった……」
「ははっ、面倒なこともちょっと(かなりたくさん)はあるだろうけど、その分楽しいこともあると思うぞ!」
セカイが笑いながら言った。
「そうなのかな……」
「それにかなめの為にもなる!かなたが水竜と契約して強くなってくれればかなめを守れるしな!」
「……分かったよ、かなめの為だからな」
「かなた様……!ありがとうございます!」
かなめはニコッと笑うとかなたの手を握り飛び跳ねた。
「よし!そうと決まれば契約だ!」
セカイは水竜の魂というキラキラと光る物体を手に取るとかなたに近づいた。
「俺はどうすればいいんだ?」
「かなた様はそこに立ってれば大丈夫ですよ!」
「よし、いくぞ!」
「優しくやれよ……」
水竜がそう言うとセカイはかなたの心臓めがけてキラキラと光る物体を思いっきり押し付けた。
『痛ったぁぁ!』
かなたは思いっきりたたかれ激痛、水竜は思いっきり押し付けられ激痛、どちらも激痛。
「ふぅ、契約完了だ!」
「じゃ、ないでしょ!こんなんであの変なのと契約できてんの?」
「おい、だから変なのっていうな!」
「ごめん、水竜と」
「勿論できてるとも、じゃあ試してみるか」
そう言うとセカイはドアを開けて外に出ようとした。
ドアを開けるとなんと……!
空だった。
「えええええ!!なんで今空にいるの!?!?」
「鳥かなんかに運ばれて風に乗って空まで来たんだろ~」
「だろ~、とか言ってる場合じゃないって!」
「ま、水竜にはちょうどいいでしょ」
「そうだな!」
「いやいや!俺はちょうどよくないって!」
「それじゃ、地上で会おう!」
そう言うとセカイはかなたの背中を押した。
全く投稿してなくて申し訳ないです!
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