33話 ホコリにまみれて
男を倒し終わった後、しばらくしてかなめと桜が到着した。
かなめは二人を褒め、桜は少し涙を浮かべていた。
そのあと弓は無事、桜の手元に戻ってきた。
ちなみに勝負はどうなったのかというと――、かなたと男が戦っている間、龍輝がこっそりと弓を回収していたらしく、感動の再会?をした後すぐに返したそうだ。
なんならかなたはそんなことすっかり忘れていたので龍輝の圧勝である。
ナインと男たちはかなめが通報した警察たちによって身柄を拘束され、そのまま連れていかれたそうだ。
拘束といっても戦った構成員は戦意喪失かボコボコ、研究員って人たちは戦えないのでそのまま大人しく捕まったそうだ。
そのあと四人は警察の人に少しだけ引かれたんだって。
なぜかって?それはねぇ、エターニティは重要指名手配などにいるから見つけたらボコボコにする人もいるらしいんだけど大体みんな殺しちゃうか、逆に殺されちゃうんだってさ、だから捕まえた側と捕まった側どっちも生きているのは初めてなんだってさ。
しかも二人でここまでやったということが中々凄いらしい。
かなたは頭から出血、龍輝は右腕がボロボロで拳には棘、桜は足を怪我していたので病院に行くよう言われたが、棘を取ってもらい、その場でできる限りの手当てをしてもらうと、何事もなく帰ってきたそう。
――帰宅後
「ただ今帰りました~!あ~」
かなめが元気よくドアを開けると、同時に部屋の中に風が吹き込み、ホコリが舞う。
龍輝と桜は茫然と立ち尽くす。
「あなた達、ここに住んでるの……?」
「ガーン!」
桜の一言にかなめは膝から崩れ落ちた。
「と、とりあえず家はいらないか……?」
かなたがそう言うと、三人は家へ入る。
『おじゃまします』
「おいおい、何言ってるんだ!二人も今日からに住むんだから、ただいまだろ!」
「これからどうしようかとは思っていたが、俺たちもここに住んでいいのか?」
「当たり前だろ!」
桜がもう一度かなめに確認する。
「ちょ、え!?かなめ、本当にいいの?」
「もちろんです!私もかなた様も最初からそのつもりでしたよ!」
「そういうことだから、二人ともこれからよろしくな!」
その後、ひとまず夕食にしようとしたが食料は何もなかった。
仕方なく風呂に入ろうとしたが、なぜだか風呂へのドアがあかず諦め、掃除をする力も残っておらず、そのまま寝ることにした。
「はぁ、俺ずっとご飯食べてない気がする……」
3月4日午前5時
かなたが目を覚ますとすでにかなめが起きていた。
「起きるの早くない……?」
「違うんですかなた様……ホコリが凄くてあまり寝られなかったんです……」
「そうだったのか、今日中に掃除しないとな、星が来ちゃう」
「そうですね!今日はしっかり掃除しましょう!」
あたりを見渡すと龍輝と桜の姿が見当たらない。
「あれ、二人はどこ行った?」
「二人もホコリが凄くてあまり眠れなかったみたいで、街の方へ食べ物を買いに行きましたよ」
「もうみんな起きてたのか……うがいしてくる」
かなたは立ち上がると、何故か風呂場の方へ向かっていった。
「かなた様~そっちに水はありませんよ~」
手をあげるがそのまま風呂場へ向かっった。
「眠い、眠すぎる、水、顔洗いたい……」
寝ぼけ眼で歩き何かにぶつかった。
ドゴンッ!
「イタッ」
かなたは壁に手をつき寄りかかった、しかしそこは風呂へのドアで、全体重が乗ったドアは昨日とは違って簡単に動いた。
ギギギと軋む音とともにドアが開きかなたはそのまま風呂場へ倒れた。
「うわあああ!なんじゃこりゃ!」
突然の大きな声に驚きかなめは急いで風呂場へ向かった。
「どうしたんですか!?って何ですかこの風呂場!?」
そこには温泉旅館かと言わんばかりの大浴場が広がっていたのだ。
「なんじゃこれ……いくら師匠のキューブでできてるって言ったって外から見た家の大きさぐらいあるぞ、この風呂場……しかも男湯と女湯に分かれてるし」
「あはは……セカイさんそういえば風呂好きだったような……」
「だとしても広すぎないか……」
「そうですね……ますます掃除が大変になりましたね……」
「ああ……ホントこの家どうなってんの」
――
買い物から帰ってきた二人にも風呂のことを説明し、勿論驚き、そして「風呂好きだったよな」と言ったのであった。
買ってきた弁当を食べ、四人は掃除に取り掛かるのであった。
15時間後
掃除も終わり、明日の依頼の説明を二人にしようとした時だった。
「ピロリン、充電が完了したマッスル!」
かなめのマッスルの充電が終わったようだ。
「やっと充電できたみたいです!」
かなめが充電器から外しマッスルを開く。
「マッスル、懐かしいな」
「桜ちゃんとお兄ちゃんの分のマッスルちゃんもありますよ!えーっと確か……この紫色のがお兄ちゃんで、桜色のが桜ちゃんのです!」
「私のもあるの?」
桜が驚きながら聞く。
「もちろんですよ!これでいつでも連絡できますね!」
「それにしてもマッスルって便利だよな~」
そういいながらかなたがマッスルを開き、アプリを確認していると、あることに気づいた。
「えーと、これが地図でこっちが電話、これはメモ、それにこれはカメラ、こっちの白いのは――「お家改造」?なんだこのアプリ」
アプリを開くとどこかで見たような間取りの図が出てくる。
「なんだこれ」
かなたが図を小さくした途端、家が揺れ始め一瞬にして広かった部屋が4畳ほどの大きさになったしまった。
「……え」
三人がゆっくりと見つめてくる。
「ええ、お、俺が悪い……?俺が悪いか……マッスル、このアプリ一体なんだ……?」
「このアプリはセカイがマッスルに初めて入れたアプリで、この家をリフォームすることができるアプリマッスル!」
「な、なんだそれ!」




