30話 もちろん
ナインは一撃で気絶してしまった、そのため取り巻きたちは逃げ出した。
「あ!待て!」
「かなた、追わなくていい」
龍輝がそう言うと、かなたはその場にしゃがみこんだ。
「かなた様、久しぶりの再会ですよ!そんな人たち放っておきましょう!」
かなめは桜との久しぶりの再会でご機嫌のようだ。
「かなた、ずいぶん無理したんじゃないか?本当はかなり痛かっただろ」
「い、いや、別に?」
龍輝はかなたを見て微笑んだ。
「にしてもあいつらなんで二人を襲ってたんだ?」
「ああ、実はだな、俺が大星に帰った後、戦争があったのは聞いてるか?」
「そうなのか?全く知らない」
「相変わらず何も知らないんだな……それは後で話すとして、そのあと色々あってまた皆バラバラになってしまって、俺は桜とかなめを探す旅に出たんだ」
「私も龍輝とかなめを探してたの、でも二人を見つける前にエターニティに見つかって捕まってしまった、つい最近龍輝が助けに来てくれて研究所から逃げ出したんだけど、周辺にはエターニティの構成員が多くて遠くまで逃げる前に追い詰められて今二人が助けてくれたって訳よ」
「なるほど……ってちょ、たんま!エターニティってなんで桜のこと捕まえようとしてるんだ?」
龍輝は言った。
「昔地球でかなたが研究所1つ破壊したことあっただろ」
「ん?んー、あ!あったわ!」
「その研究所はエターニティのものでな、破壊した挙句構成員は俺たち含め全員逃亡……」
「なるほど」
「もちろんエターニティの奴らはブチ切れで俺と桜以外の構成員全員を殺してしまった」
「え!?二人は大丈夫なのか!?」
「もちろん俺は狙われていた、だがさっき言った戦争があって、なんというか……」
龍輝は黙り込んでしまった。
「い、いろいろあったんだな……」
「ざっとまとめると、皆バラバラになって桜はエターニティ捕まり、竜輝は二人を探し、かなめは~何してたんだっけ?」
「私はあんまり覚えてないです!」
「ははっ、かなめも色々あったんだもんな、俺も3年分の記憶ないし!しょうがない!」
『え……?』
二人はガッとかなたの方を見た。
「かなた、記憶ないのか……?」
「うーん、全部ないわけじゃないけどな!」
「そうか、かなたも色々あったんだな」
龍輝が肩をポンっとたたき慰めてくれた。
「話戻るけど、さっき逃げたエターニティのやつら倒さなくていいのか?また桜狙いに来たら困るだろ」
かなたは疑問に思い三人に問いかけると、桜が言った。
「ここに拠点を作っているやつらもエターニティの一部の下部組織に過ぎないわ、あいつらを倒しても、私が逃げてもまた追ってくる、だから私を置いて――ってあれ!?」
桜が突然慌て始めた。
「ない!私の弓がない!」
「まさかあいつら、逃げるときにこっそり弓持って行ったのか」
龍輝はそう言うと立ち上がった。
かなたも立ち上がると、龍輝に提案した。
「なぁ龍輝どっちが先に弓持って帰ってこれるか勝負しようぜ」
「ああ、いいぞ」
どうやら乗り気のようだ。
二人が行こうとすると桜が止める。
「あなたたちなに言ってるの!?向こうはまだ何人も戦える人がいるのよ!」
かなたはニコッと笑うと言った。
「そんなことは分かってる、でも桜の大事な弓取られたんだ、取り返さない訳にはいかないだろ」
「かなめ、桜のこと頼んだぞ!」
「は、はい!あとから追いかけます!」
そういうとかなたは取り巻きが逃げた方へ走って行ってしまった。
「待てかなた!フライングだぞ!それと場所分からないだろ!」
龍輝も後を追うようにいってしまった。
「なんで二人してそんなに」
桜は目に涙を浮かべていた。
「取られた弓は桜ちゃんにとって大切な弓なんですよね」
「そうだけど、なんで私なんかのために」
かなめは泣いている桜をぎゅっと、優しく抱きしめた。
「私にとって桜ちゃんはとっても大切なお友達です、それは二人も同じだと思います、大切なお友達が助けを求めていたんですよ?もちろん助けるに決まているじゃないですか」
「でも、でも、二人が私のせいで死んじゃったら――」
「桜ちゃん!心配しなくても大丈夫です!だって二人とも強いですもん!」
そういうとかなめはニコッと笑った。
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